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仮装「It's Christmas Time!」衣装のハナシ


完成当初撮った写真

今月15日から、いよいよ本格的なディズニーハロウィーンが始まった(シーはまだまだだけど……)。
ダンサーさんのいるパレードは停止もあって、わたしが1年で1番好きな季節のイベントが戻りつつあることをじわじわ感じている中。
約4年ぶりに仮装参加することになり、着る衣装の製作話を思い出したからそれを書くことにした。

え?なんで??

それはもう……、

めちゃくちゃ大変だったから。


も〜〜〜本当に大変だった二度と作りたくない。
血の滲むような思い、というか実際針によって血を滲ませながら作った衣装。
その苦労を書き留めておきたくなったのだ。
でも苦しんだ甲斐もあってめちゃくちゃかわいい。デザインした人を抱きしめて手に札束握らせたい。ヲタクすぐ金払いたがる。

そんな天才的デザインのお衣装のなにが大変だったのか、備忘録として綴っていく。

前提として、ヲタクには毎年4人でディズニー仮装をしている友人がいて全員衣装は自作。
今回もヲタクが「イツクリ仮装やりたい!みんなやってくれ!」って大騒ぎして付き合ってもらった。
いや、付き合わせた。みんなどうもな!
ちなみにヲタクは女神デイジー・ダックの仮装をやらせていただいている。

まず、買い出し。
全員で素材を合わせることになったはいいけど、装飾が多くて揃えるものも多い。
ベースになる白い生地はうちのミニー様が買い揃えてくださったけど、あとは各自で買い出し。だから
「同じものが売り切れてる!!どうしよう!!」
という事件があったりなかったり。
まあ、もはやそんなことはどうでもいいレベルの事件。

うちのミニー様、その道のプロ(誇張ではなく本当に職業)なので生地の取り扱いには詳しい。
そして毎回こだわり満載の本家ミニーちゃん様の衣装を再現して作っているだけあって、毎度すごいものが出来上がってくる。すごすぎて正直隣に並びたくない。

そんな彼女が今回の布たちの基本的な取り扱い方を教えてくれた。
ヲタクはちょっとミシンが使えるくらいのド素人だから、こういうハナシはありがたい。
だが。
「まずこの白い生地は縦に伸びちゃうから全面に芯地を張る」
え?全面に??すごい量あるけど???
「そう。透け感から見ると本家の芯の貼り方はこうなってると思う。袖は裏地なしね」
そうして紙に芯を貼る場所をさらさらと書いていくうちのミニー様。
すごい。
本家の透け感とか言い出した。
すごい。

すごい気持ち悪い。


そんなうちのミニー様が大好きだ。

呆然とする我々(うちのミッキ様とうちのドナルド含)を差し置きウチノミニー様は続ける。
「裏地に使う赤いのもそのうち伸びちゃうから、これも全部芯貼る」
え?全部?すごい量以下略
「あと青いベロアも伸びちゃうからね!」
もうみなまで言わないがこれも「全部芯貼れ」という意味だ。
恐れおののく我々を笑い飛ばすウチノミニー様。
でも彼女は自分のこだわりを他人には絶対押し付けない。だから友人でいたいのだ。
いつも「やれなかったら大丈夫だよ」と言ってくれる。
だが前述した通り彼女の衣装はやばい。
どうせ写真撮るときに隣に並ぶことになるから、やっぱり手は抜きたくないなぁと思うヲタクだった。
それが間違いだったことに気付くのはすぐ後のことだ。

ウチノミニー様はとにかく仕事がはやい。たとえ趣味の衣装でもそれは変わらない。
先にほぼ完成させていた彼女にヲタクは「サイズ感合わせたいから青い部分どんな幅で作ったか教えてー」と聞いた。
それに対する彼女の返事は「分かったー。次逢うときに渡すね!」だった。ヲタクは「型紙くれるのかな!」などと甘さチョロチョロのことを考えていた。
そして渡されたものがこちら↓

「このブレードは全部手まつりしたよ。」と書いてある。なに言ってんだ。


なにこれ。


あまりのやばさにヲタクはその後しばらく「ヒエェ〜」しか言えなくなった。
なんかすごく豪華なサンプルだし、わざわざこれ作ってくれたのかという気持ちもあるし、ここに込められた技術も何もかもがやばい。
本人は「(材料が)余ったから」とか言っている。なに言ってんだ。

人語を話せなくなった猿をそのままにして、ウチノミニー様が解説をはじめる。
「まずハートのブレードだけど、これは端の部分もたたいてあるよ」
ヒエェ〜
「だってなんかぱかぱかしちゃうじゃん?」
ヒエェ〜……いや、もういいか。
本家はそこまでしてなかったような?と言ったら
「写真撮るときにめくれちゃってるの嫌じゃない?気にならなかったら別にいいんたけど……」
と控えめな反証。
そう言われると、ううううう嫌です!!となって泣きながらこの小さいところをミシンで叩きましたとさ。

そしてなんかついてる紺色ポンポン。正式名称は知らない。
指定されて買ってきたポンポンブレードとポンポンの間隔がちがう。
おや……?と思っているとウチノミニー様、
「あ、それね。そのままだと間隔が広いから一房ずつ切って詰めながら縫ったよ」

バカなの??


いつもは褒め言葉としての意味しかないが今回ばかりはそうもいかない。だって、ウチノミニー様がこうしたってことはヲタクもそうしなくちゃいけないのだ。それに本家のお衣装もそうなってる。反証の材料はないに等しい。
何やってくれちゃってんだ、というのが正直なところだ。

まっくろくろすけ量産してるとき「なにやってるんだろうな……」と遠い気持ちになった。

そして縫うときにズレないよう、これをまず薄めた布用ボンドでぺたぺた貼っていく。量も相当なので気が遠くなった。
それが終わってから取れないようミシンで叩いていく。
別にこの工程は指示されたものじゃないが、自分の裁縫技術を信用してないから念には念を、だ。

それが終わったら紺のベロアを縫い付ける。
ここまでがあまりに地獄すぎて、もはやこの工程が癒しだった。
しかしそれが終わったら地獄のダイヤブレードの縫い付けが始まる。
もうこれが死ぬほどつらかった。
下地にあたる部分がベロアだからボンドで貼り付けることができない。物理的にはできるけどパークで着ることを考えると耐久性が不安だった。
そしてウチノミニー様いわく
「つなぎの部分が縫うと見えにくくなるから仕上がりがキレイ」
だそうだ。
もうここに来るまでで頭がバグっているヲタクは
「たしかに〜〜〜!!」
とか言って泣きながらぜんぶ手縫いで付けた。

映り込みは某ゲーム音楽作曲神だったと思う。たぶん。

手縫いでちまちまやること自体もそうだが、なによりも量が多いのがとてもつらい。ワンピースにもボレロにもシュークリップにも帽子にも手袋にもとにかくあれにもこれにもとにかくダイヤがついている。製作当時のツイート(現ポスト?)には「もうそんなにキラキラさせなくてもキミの可愛さは充分に伝わってるよ!!大丈夫!!!」とあった。なにが大丈夫なんだろう。ヲタクの頭がいちばん大丈夫ではなかったのかもしれない。
まあそれくらい限界だった。

で。サンプルにもなんか書いてあったように、スパンコールが使われた金色のブレードは手まつりをした。
多少裁縫をかじっているからヲタクでも分かる。
ミシンで叩くとスパンコールがばりばりに割れてしまうのだ。
これはもう指が限界だったから写真はない。つらかった。

ここまでくればバラバラだったものたちを縫い合わせていけば完成する。
でもこの段階に至るまでなかなかカタチにならないからそれもストレスだった。
それでも前述した通りパークで着ることを想定しているから、食事のときのためにケープは取り外せるようになっていたり色々工夫した。

で。

ワンピース部分を後ろから見たとき

修正前。

まず思ったことは
「なんか物足りないな?」だった。
何度も言うけどパークで着るものだから軽くするつもりでうしろの布を少し減らしたのだ。
でもそれをしたことによって、元の衣装のかわいさが全然なくなってしまったのだった。

おそらく御本家もここに切り返しがあるだろうというところで思い切って布を切って、また同じように芯を貼り諸々のブレードを縫いなんだかんだ数時間でここまでもってきた↓

裏地と合わせる前。

これで衣装の重さはぐんと上がった。
でもかわいさもぐんと上がった。と思う。

女神デイジー・ダックはヲタクとは頭身も身体のラインもなにもかも違うから、最終的にどうフィックスするかはいつも悩む。
でも外しちゃいけないところは絶対にあるな、と学んだ衣装だった。

イツクリおデジは絶対ルブタン、という謎の妄想でクリスチャンルブタンの靴買った。

これまで色々仮装衣装を作ってきたけど、ここまで辛かったのは初めてで色々といい経験をさせてもらった。
そこ甲斐もあったのか、いろんな人にも褒めてもらえてうれしかった。
でもかなり辛かったのは本当にそう!
だれだよイツクリ衣装やろうって言ったの!!

じぶんだな!!!!


もう二度と作りません。

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