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『天官賜福』ほかの誰にもしてはいけない人工呼吸と地師の正体 第63章~第64章

大波に飲み込まれた謝憐が目を開けるとそこは岸辺でした。
隣には三郎少年の姿のままの花城、全く意識がないよ… この姿だと死んじゃうのか?!と不安に駆られた謝憐は一大決心をして花城に人工呼吸した!まさかの逆バージョン~

キスみたいになっちゃったし、道徳経を高速暗唱しながらってのが可愛すぎた。でもって、意識が戻った花城がずっと目を開けていたから大問題だ。
目が合った瞬間二人とも石化…からの「ごめんなさい!」を連呼した謝憐は走って逃げちゃった。
動揺する謝憐をなだめた花城は「あの人工呼吸のやり方は間違っている。だから他の誰かに同じことをしたらダメだ!」だって。
何言ってるのーっ!もう、この二人可愛すぎる。

二人が辿り着いたのは黒水島、黒水玄鬼の領地。すぐに脱出しないとってことで棺を作ることにした。でもなぜか一人用… 一緒に入る気だね!
黒水の領域ではすべての物が沈むけど、死体と一緒に棺に入れば沈まないそうよ。
でもこれって謝憐には複雑よね、花城はすでにお亡くなりになっている方ということだから…

その夜、謝憐と花城は焚火を囲んで夜語りです。
私、ここで二人が話すことは本当に大切な会話だと思うの。

謝憐はね、三郎が言った「金枝玉葉の貴人」がどうしても気になる。
これは嫉妬。なぜ花城を受け入れないのか見る目がないなって思うと、「その人」のことを聞かずにいられなかった。
花城はその人に一番みっともない姿を見せたし怖くて踏み出せないって答えるの。なんだろう… 花城っていつも俺様って感じだけど、謝憐に対してだけは臆病なのよね。本当のことを知られたら嫌われるかも…って思うんだろうな。
そんな花城に謝憐はとっても素敵な言葉で応える。
「泥沼の中で立ち上がれなくても愛してくれる人が欲しかった。でもそんな人はいないから誰にも見せられなかった。私は君を素敵だと思っている。すべてを知りたい。みっともない姿を見れたその人が羨ましい」と。

私ね、謝憐のこの言葉は『天官賜福』の骨格を成す言葉だと思ってる。
「どんな姿のあなたでも、どんな状況のあなたでも愛している」って本当に素敵なことだよね、誰にでもできることじゃない。深い愛情があるからできることだよ。
ちなみに、謝憐はこれがけっこうストレートな愛の告白だってことに気づいてないんだよね、ははっ

棺も完成!さぁ、黒水島脱出だ!
一人用の棺に乗り込んだ謝憐と花城だけど水龍に阻まれてもみくちゃにされた… うまくいかないね~
でもね、ここで衝撃の展開だよ… 狭い棺の中で花城とくっついていた謝憐、体が反応してしまった…!! ちょっと、謝憐の性欲問題ここで出す?ついこの前、天界で「色欲ちゃんと絶ってますか検査」を受けたばかりで今度はこれかっ!
たださぁ、小説では「ソテツに花が咲くのをみるくらい衝撃だった」ってソテツの花って見たことある?知らなかったら画像検索してみて、私は爆笑した。
謝憐曰く、「頭をぶつけて死んでしまいたい」くらい恥ずかしい経験だったそうよ、だって花城いたじゃん…

せっかく棺作ったけど、また黒水島に戻ってきちゃったよ… 
でも、そのおかげで黒水玄鬼の地下牢に捕らわれていた風師と地師を救出、地師が書いた縮地千里で謝憐と花城は無事に菩薺観に戻ることができた。
でもね、謝憐はここでようやく気付いた… 
地師の正体が絶鬼、黒水玄鬼だって。
水師の悪事の犠牲になった賀書生、彼が黒水玄鬼。つまり、今回の水師と風師にかかわる事件はすべて黒水玄鬼の復讐劇だったということです。

黒水玄鬼は控えめで目立つことを嫌う…なんて天界では言われていたけど、地師になりすまして天界に潜り込んでいたんだから、大胆じゃないの?
すべては自分と家族を地獄に落とした神官を暴くためにしたこと。水師と風師に復讐を果たすためだけに彼は絶鬼として生きてきたってことよね。
壮絶だわ…

花城は黒水玄鬼と協力関係だった。この二人の絶王はかなりの切れ者だからね、利益と目的を優先させたんじゃないかな、でも花城は「謝憐には手を出すな」って条件を付けたんだと思うよ。まぁ、謝憐は花城の忠告なんて聞かずに突っ走って、今回もお転婆殿下だったから花城も大変だった…

すべてが明らかになったけど、謝憐の風師に対する友情は薄れなかった。
関わった以上は最後まで見届ける!ってまたしても「移魂大法」で風師の体に入りこんだ!
謝憐が見たのは黒水島で必死に逃げる風師の姿…、あぁ、やっぱり地師、いや黒水玄鬼は花城と謝憐だけ菩薺観に帰して復讐を果たすことを決めたんだ。

ここから風師が凄まじい地獄を経験します… なんかね、悲しい。
風師は唯一天界で偏見なく謝憐に寄り添ってくれた人だ、死なないでほしいよ。

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