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『天官賜福』第40章・第41章

こんにちは。ふわちゃまるです。
今日は『天官賜福』 第四十章と第四十一章のお話をしたいと思います。

この章では仙楽国の滅亡と謝憐の武神としての力が削がれていくことが描かれています。
正直、涙なくして読めなかった…
結局のところ、謝憐は人の悪意に慄いて力を失った気がします。人面疫が蔓延し、人々の恐怖や怒りがすべて謝憐に向かったことで初めて人の怖さを知った。人の心は表裏一体だからね、謝憐は善の部分しか見ていなかったのだと思いました。

衝撃だったのは慕情が謝憐に対して「解決策があるのにやろうとしない。あなたを見ているとイライラする!」と発言したことです。
人面疫は永安の干ばつで亡くなった人の霊魂による呪詛。慕情が言う通り、呪い返せば形勢は逆転するのでしょう。でも、謝憐はそれは卑怯だと断固拒絶しました。
いまさら卑怯とか言っている場合ではないと慕情が憤るのもわかります。でも、ここまでくると謝憐に対する尊意が薄れているのだなと感じました。

ついに仙楽国の天塔は崩壊し、街はすべて火の海と化し、仙楽国の命運は尽きました。
謝憐は天上に呼び戻される夜、皇極観から街や太子廟が燃えているのを眺めます。
そんな時、会うんですよね、最後に。そう、少年花城です。
太子廟に自分で描いた太子悦神図を飾って火をつける悪党と対峙していました。この少年が花城だとは書かれていません。でもね、誰が読んでもわかるよ、花城だって。
その姿を見た風信が「よく描けているじゃないか!」と褒めるんですよ。もう、誰も仙楽太子を尊ばないのに必死で守る信徒がいたと、風信の言葉に涙腺崩壊…、泣きすぎて先が読めなくなっちゃった。

思えば少年花城はいつも謝憐に小さな白い花を供えていました。
天塔の倒壊を防ごうと打座し続けていた謝憐の前にも供えていました。
その花を胸の前で握りしめる謝憐の姿にね、涙が一気に溢れてまた本を閉じちゃったよ。
涙が止まらない…
誰が供えたかなんて書かれていないけど、花城だってわかる。どんな時でもずっとそばにいるんだなってわかるんですよ、読んでいれば必ずわかります。

最後、天上に戻る謝憐は少年花城に自分のことは忘れなさいって言います。どうせみんなすぐに忘れるからって。でも少年花城は涙をいっぱい流しながら「永遠にあなたを忘れない」って叫ぶんですよ。
この最後だけはね、冗談は言えません。

あー 泣きすぎて目が腫れちゃったよ。
花城の想いに涙が止まりません。

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