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『天官賜福』慕情との別れと鬼火の花城との出会い 第95章・第96章

物語は第四巻「白衣禍世」、第二巻「太子悦神」の続きに入りました。
『天官賜福』は六部構成で下記の通りになっています。

第一巻 血雨探花
第二巻 太子悦神
第三巻 百無禁忌
第四巻 白衣禍世
第五巻 天官賜福
外傳 

第四巻は読んでいて一番辛かった… 泣かずに読める人とはたぶん仲良くできない。重要なことがたくさん書かれているから泣きながら読んだけどさ、辛かったなぁ…

仙楽国の滅亡後、天界を追放された謝憐は両親と風信と慕情の5人で逃亡生活を送ることになった。
凄まじい覚悟で国のために戦った謝憐だったけど代償はあまりにも大きくて、呪枷も課せられたし、永安国兵士と国民の攻撃から逃げ隠れする極貧生活が続くの。
そんな苦しい生活から最初に離れることを決意したのは慕情。
なんかわかるな… 申し訳ないけど、謝憐はプライドが捨てきれないし、両親と風信も同じで皇族気分のまんまっていうかね、育ちの良さが優先しちゃってる感じ。
慕情はそういう「自分のことを自分でやらないお育ちの方々の下働き」をし続けてきたわけで、もう、いい加減に考えを変えてほしかったんだと思うのよ。だから、膝まずく太子像に大騒ぎしたってどうしようもない、大道芸でお金を稼ぐのだって悪いことじゃないって言ったと思うんだ。
でもね、人は育ちと身分が影響するものだから生き方を変えるのは本当に難しい。慕情の心が少しづつ自分たちから離れていくのを謝憐は気づいていたのよね。

慕情が離れた日の夜、謝憐は川岸でランタンに閉じ込められた兵士たちの霊魂を助けてあげたんだ。
その中にね、花城の鬼火があったの。
これで3度目だね、謝憐が花城を助けたのって。この鬼火は花城です、なんてどこにも書いてないけど読めばわかるの、花城だって、ううっ

「まだこの世に愛している人がいるから成仏したくない。その人を守りたい」って話す鬼火を前に謝憐は泣くんだよ。
戦争に勝てなかった、ごめん、大切な人と離れさせてしまった、ごめんって、私のことはもう忘れて、友達も離れてしまったって。
でもね、鬼火の花城は「殿下のために死ぬことはこの上ない名誉です」って答えるの。
だから信じて、離れたりしない、殿下信じてってずっと話しかけるんだよ… 

これを泣かずにどうやって読めばいいんだ!!
号泣だよ、本がぜんぜん読めない… 泣きすぎて肌荒れひどい…

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