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好きな人の好きなところ

1.赤もみじ(マセキ芸能社)

それお前が思ってるだけやん、っていうトンデモ持論を村田が展開するところ。「休みの日に布団干す男はご飯残すやろ」って、冗談通じるかどうかのリトマス紙過ぎるやろ。阪田ベーカリーのナヨナヨしてるくせに変に自我が強いところも、そら言われてもしゃあない感に拍車をかけてて好き。噂によるとライブで自分で作ったパンを客に振る舞ったりしてるらしい。そんな奴はデカ盛り天丼食うなって言われてもしょうがないよね。

2.カナメストーン(マセキ芸能社)

数年前にロンハーでやってた山口のドッキリが良かった。漫才中の言い分は人格の延長、「こういう奴はこんなこと言いそう」ってより感じられるほうがいいパターンがあると思うけど、山口はそれ。あわよくばチンコ入れたいと思ってる奴が気持ち悪いボケ方してるほうが、お前ほんまに異常やろと思えて違和感がない。零士の声が世界と歯車合わさるときがもうすぐ来るはず。

3.カベポスター(吉本興業 大阪)

1ショットの情景だけじゃなく、物語として話を想像させられるのがすごい。こちらもある程度は努力して思い浮かべないといけないのに、想像することがむしろ楽しい。永見ってお題ありきではない大喜利の「答え」ばっかりずっと考えてるらしい。4,5年前にロングコートダディ堂前主催の「大喜利スープ」ってライブに1人だけ超若手で出てた。一昨日のABCお笑いグランプリでかまいたちの山内が「1コ1コのボケは大喜利風なのに繋がって笑いが増えるのがすごい」って言ってた。思ってる何倍もどてらいネタなんやろね。

4.金属バット(吉本興業 大阪)

この人達が面白いと言うより「この人達が面白がること」が面白い。ヘンテコな事件やイタい人に反応する感度があったほうが生きてて楽しいと思う。それまで芸人と言えばテレビの中の人で、年齢という意味でも住む世界という意味でも完全に隔絶された存在やった。You Tubeの自主ラジオを始めた当時は、週に数回のバイトで月収10万程度、公式ライブにも出られず事務所に放し飼いにされてた状態。それでも、この人達が面白がって話すことが最高に面白かった。近所に住んでる兄ちゃんみたいな風体でそのへんで話してるかのような語り口なのに、発想と切り口はさながら知の巨人。僕は真剣にお笑いを見始めた。

5.コウテイ(吉本興業 大阪)

九条がまくし立てて下田が演じる内容が、数拍遅れて頭の中に入ってくるイメージ。置いていかれるという意味ではなく、どんどん後追いで情報が入ってくる。今は色んなパターンを試してるみたいやけど、下田がやりたいって言うことに対して九条の「見たスギ薬局」で始まるコント漫才がやっぱり好き。フォーマットで一番たまらん部分は九条の「めっちゃ○○やんベイベ〜〜!」。これから無茶苦茶なこと始めよる感が凄くてアドレナリンが出る。

6.シシガシラ(吉本興業 東京)

ギャロップやトレンディエンジェルが作った轍を通らず、まるで空を飛んでアプローチするようなハゲネタ。脇田は確かにハゲてるんやけど、ハゲに吸い込まれてってる感じがする。覗きこんだクレーターに自ら吸い込まれてってる感じと言うか。1回もちゃんと言えてないけど、とにかく見たことないハゲネタなんです。


7.ニッポンの社長(吉本興業 大阪)

辻の脳みそ。辻の脳みそ。辻の脳みそ。
みんなが1コ目に思いつきそうなことは絶対言わないくせに「そこで押すんかい」というポイントの一本刀でネタを走らせたりもする孤高の存在。
ほぼ「荷物」のネタだけでM-1準決勝まで行った年ありましたよね?
何を見て生きたらあの感性が育つのか。でもバイオレンスな表現とかグロテスクな小道具とか、たまに着てるTシャツとか、見てきたもんは想像ついたりもする。才能が大元から図抜けてるんやろね。

8.ヨネダ2000(吉本興業 東京)

去年のM-1で初めて見た直後に「こいつ天才や」と頭にデカデカと浮かびました。上位互換も下位互換もおらん無二の芸風。かと言って「もうええって」にはならず、「ずっと何を言うとんねん笑」と思える。リズムが強いけどリズムに縛られてもいない。しばらく遠くのほうで訳わからん構造の機械をガチャガチャ組み立ててたかと思ったら、いきなり近くに寄ってきてアホみたいな味の駄菓子をくれたりもする。まだまだ底が見えなくて追うのが楽しみ。

9.ランジャタイ(グレープカンパニー)

去年は顔見せ。国ちゃんはいきなり獲りに行く芸風じゃないと自覚してたと思うんです。「こーいうネタと考え方をする人間です」って敢えて汚い手書きの名刺を置いてきただけ。この1年で無茶苦茶しよる奴らやってのがかなり世間に浸透したと思うから、次は奥までパンチが届く。国ちゃんは毎年M-1の予選を動画ですべてチェックする真面目人間、伊藤は「自分はダウンタウンの松本さんと同じ考え方だ。むしろ早く思い付いてるときもある」と感じてNSCに入学したマジ者。M-1でやってほしいネタは無限にある。

「お前は何様やねん」と言いながらも最後まで読んでくださってありがとうございました。
ほんとに好きな人たちなんですよ。

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