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自己嗜好分析(映画篇)

映画が好きです。

私は自分は映画が好きだと思っています(アレもアレも、さらにあの名作も観てませんが、そこは許してほしいです)。

でも「どんな映画が好きなの?」と問われると、答えに困ります。

考えてみると、自分の中にも明解を持っていないように思いました。

映画の分類って便宜上のもので、観る人の好みや経験、知識、年齢、感性、トラウマ…色んな要素でグニャグニャと形を変えると思います。

"ブラックコメディ"はかなり自分の好みに近いように感じていましたが、そのように分類される中にも、単なる露悪で終わっている(ように少なくとも感じる。ただし自分が汲み取れていないだけかも)ものもあります。

意表を突かれて、あるいは軽妙な人間あるあるで笑いたいけど、他人を嘲笑したいわけではない。侮りたいわけでもない(そんな体力はないし興味もない)。

もう少し遠くから対象を捉えて、Ctrl+Xした人のマヌケさ哀しさ情けなさを、このタイミングでここに貼り付けるんかい、という世界が好きで、そういうのばっかり100連続で見たいんです。

基本的には何でも面白がりたいと思って観てますが、十数本に1本ぐらいの割合で、脳が揺さぶられて1週間その映画のことばかり考えてしまうような作品に出会うことがあります。

「なんとなくコレちゃうか」と勝手に思ってることがあります。

仏教の言葉で"悪人正機"という考え方があるそうで。

ウィキペディアによると「“悪人”こそが阿弥陀仏の本願による救済の主正の根機である」だそうです。

ここで言う"悪人"は"人間ぜんぶ"です。あなたも私も悪人です。

解釈が合ってるか分かりませんが、「悪人こそが救われる資質がある」みたいな意味だと捉えています。

実際に物語の中で救われるかは別として、救われるチャンスがあった、救われたかもしれない、コイツまさかあんなことしといて救われるつもりちゃうやろな、、、そんなことを強く感じられる瞬間がある映画にこそ、頭をぶん殴られるような衝撃を受けてきた気がします。

人間の欲や思想に基づく業が深いマヌケ行動には血と暴力が伴いがちなので、バイオレンスな映画に好きな作品が多いのはそういうことかなと憶測しています。

以上のことから、「どんな映画が好きなの?」には「悪人正機を感じられる映画」と答えたいところですが、逆の立場でそんなことを答えられたら相当ダルいと思うので、未来永劫『ブラッド・シンプル』と答えようと思います(これも違う)。

好きな映画にはけっきょく帰納的に好きな理由を後付けするので、あらかじめ準備するのもアレかと思いますが。

はてさて皆さんはどんな映画が好きでしょうか。

ええ、ええ、悪人正機と言ってみたいだけでした。

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