4月の米国株市場低迷にどう対応する?
4月に入り米国株市場は軟調な動きを見せています。
これは以前に考察した4月アノマリーでも説明可能ではあります。
ただし、アノマリー以外にも現在の米国株市場で注目すべき点があり、この点について理解しておくことで今後の株式市場の動きが見えてきます。
以下では、軟調な株価の原因とそれに対応して私が現在行っている個別株のトレードについて書きたいと思います。
今の相場の鍵となっているのは利下げ期待の後退です。
それも利下げ時期だけではなく、利下げ回数についても市場の期待は修正を迫られています。
これは先週末にバロンズに掲載されたRandall W. Forsyth氏の記事です。
これまで市場は年内に3回の利下げを織り込んでいましたが、この記事では1回だけ利下げを行い、その後は利下げがない、"one and done"の可能性を提起しています。
同様の指摘がこのロイターのコラム記事でもなされています。
原油、金の上昇によるインフレ懸念に加え、大統領を政治的にサポートしたとみなされるようなタイミングでの利下げが行いにくいという事情からも年内に複数回の利上げは難しいのではないかという見解です。
これを受けて市場でも5月のFOMCでは現在の金利水準を維持するとの見方が98.7%となり、6月の利下げなしの予想が37.7%と1ヶ月前の26%から上昇してきています。
つまりこれまでの利下げ期待の修正が4月に入るとともに起こってきていると言えます。
これは米国株にとっては下落要因となります。
確定申告のスケジュールに絡んだ4月アノマリーと相まって、4月は米国株市場にとって厳しいスタートとなりました。
前回のソフトランディング時の金利政策
ここで、インターネットの普及による労働生産性向上を背景としたソフトランディングを達成した1990年代の金利政策を見てみましょう。
1994年から1995年の年初にかけてインフレ抑制のための利上げが行われ、政策金利は6.0%となっていました。
その後1995年7月に5.75%、12月に5.50%、1996年1月に5.25%と3回の利下げが行われたものの、それ以降は追加利下げは行われることはありませんでした。
それでも米国株市場は1995年以降力強い上昇を見せています。
結局、1996年以降、FOMCは利下げを行うことはなく、1998年にアジア金融危機やロシアの債務不履行といった国際的な金融不安が顕在化し1998年9月に経済の安定化を図るための利下げが発表されるまで5.25%〜5.50%の高い水準で政策金利は推移しました。
まさに現在の米国株市場でも同じことが繰り返されようとしています。
このことから分かることは、利下げ期待の後退が織り込まれる過程では株価がくずつくと考えられるものの、その後の株式市場については悲観的になる必要はないということです。
4月下旬からは資金が戻ってきて市場のムードが改善するのか、あるいは利下げ期待の後退という材料をこなすためにもう少し足踏み期間が必要なのか、については市場を観察して判断したいと思います。
株式市場の足踏みフェーズでの投資戦略は?
VTIやVOOなどの米国株指数ETFを保有している場合はホールドを継続でよいでしょう。
ただし、しばらくは気持ちよく株価が上昇する展開にはなりにくいと考えられます。
ただ我慢しているだけではつまらない、という意見もあるでしょう。
私もそうです。笑
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