拝啓、スウェーデンにいます。
もしこの旅のツアーが組まれたら、題は「彼の前世を巡る」になるのだろうか。観光地を訪れるわけじゃない、人の前世を夢に見るような旅だった。まあそもそも、ここに来た目的がそうだった。
2024年夏、とある撮影のためにやってきた。夏のスウェーデンは23度くらいがずっと続いて、昼が20時間くらいある。落ちない日を見ながら「明日はいつ来るのだろう」とずっと考えていた。日本人は、昼と夜が勤勉に交代するのを当たり前に受け取っている。日本人の生真面目な気質はそこからくるのか?
いつも寝るときには遮光カーテンをしっかり閉めないと寝られない。暗くなる前に寝るし、だいぶ日が昇ってから起きる。
I ♡ STOCKHOLM
寝る前、ずっと愛について考えていた。言い換えについて考えていた。だから、たくさん本を読んだ。世界は情報で輝いている!愛の情報がたくさんあったけれど、愛を知ることは出来なかった。
スウェーデンを終えたあと、愛について友人と話していた。泡だ。愛は、時空の泡。
人生はコンティニュー出来るのか。リセットされてしまうのか。セーブがもし出来たなら。ロードはどこからするだろうか。別のソフトをインストールしたりしてもいい。どこが終わりなのかもわからないまま、終わりの時間だけが近づいてくる。終わりは、死?
合唱をした。みんなで大きな声で「旅立ちの日に」を歌いました。
ゴットランド島
毎日、カフェラテとクロワッサンを朝食にした。雨は降らなかったし、カプチーノも飲まなかった。
帰路、ヘルシンキ空港。
いい旅だった!人生観を変える旅だった!というには、28年も生きてしまった。だいぶ人生が固定されてまって、自分の生きてきた人生と比べることしか出来なかった。比べなくていいのに。
何かを知ってる気になって、それと比べて、批評家みたいに生きている。それが嫌でとにかくシャッターを切った。
最後に北極を見られたのは良かった。人生で「北極」を意識することはそうそう無いので、眼の前に出てくるととっても驚く。どこまでも続く氷の大地は、試されるどころじゃなかった。
そういえば水平線っていうのはだいたい4km先くらいまでしか見られないらしいけど、飛行機に乗っている場合はどこまで見えているんだろうね。
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