もう無くしても大丈夫!?さようなら【年金手帳】
2021年3月31日、厚生労働省が統計を作成している、
<2019年度「厚生年金保険・国民年金事業年報」統計>
が公開されました。
男女別でみた老齢年金の平均年金月額は下記の通り。
<老齢厚生年金> 男性:16万4770円・女性:10万3159円
<老齢基礎年金> 男性:5万8866円・女性:5万3699円
基礎年金=国民年金のみの加入世帯はなかなか厳しい受給額です。
同じく厚労省が2019年に実施した「国民生活基礎調査」によれば
65歳以上の老齢年金受給者世帯のうち、年金だけで生活ができている世帯は全体の48.4%。
半分以上は貯蓄や退職金の取り崩し、他の収入を得て生活している実態が明らかに。
さて。
私たちの老後生活の頼みの綱、年金。
ウン十年前、就職し社会人になったとき、会社からオレンジ色の手帳を渡されたことを覚えています。
年金手帳は、国民年金や厚生年金の被保険者であることの証明でした。
1974年~1996年に発行された手帳はオレンジ色、1997年からは青色に変わりました。
私は転職の際に一度紛失し再発行を受け、現在は青色ですが。
もう無くしても慌てなくて大丈夫……
なぜなら、2022年4月に年金手帳は廃止が決まっているから。
1986年 4月1日、本格的な超高齢化社会に備えるために基礎年金制度が導入されました。
さらに、転職や退職などで加入する年金が変わる場合の混乱防止や、年金受け取り時にも年金番号を変えず様々な業務、支払いをスムーズにするため、1997年1月からは全ての年金制度に共通した10桁の記号番号からなる「基礎年金番号」ができました。
以降、年金定期便の送付やねんきんネット等で、私たち自身が自ら年金記録を確認できるようになり、受け取り手続きの際の手帳の提示が不要に、そして2013年に導入されたマイナンバー制度により、2018年3月からはマイナンバーだけで年金受給手続きができるようにもなりました。
こうして、マイナンバーがあれば基礎年金番号の確認は不要になり……
ついに、業務の簡素化と効率化などを目的に、長年使用してきた年金手帳は廃止されることになったのです。
ただし、日本年金機構のホームページ、「基礎年金番号・年金手帳について」を参照すると、更新日は2020年7月8日と過去のままであり、今後の運用の詳細についてはまだ決まっていないようですね。
年金といえば。
2007年5月、『消えた年金~年金記録問題~』 少し前の出来事になりますが覚えていますか?
旧社会保険庁(現在の日本年金機構)、厚生労働省の杜撰な管理、不手際により、実際には保険料を支払っていたのに基礎年金番号に統合されていない該当者不明の年金記録、なんと約5,095万件の存在が明るみになり、大問題に。
転職が多い、姓(名字)が変わった、名前の読み方が何通りもある、こんなケースが記録もれの9割。
杜撰(ずさん)だったと片付けられたらたまったものではない!政権交代の原因の一つになったとも言われた一大事件でした。
令和2年5月29日、社会環境の変化の中で年金改革法案が成立しました。
政府は少なくとも5年ごとに、国民年金および厚生年金の財政現況と見通しを作成していますが、長期においては受給額の実質目減り、繰り下げ受給の年齢上限引き上げ、給付調整の停止や年金保険料の引き上げの可能性など、不安要素がたくさん。
確定拠出年金制度を見直し、私たち自ら行動を促すよう躍起になっているようにも感じます。
…と、年金に関するトピックをいくつか調べてみましたが、超高齢化社会を生きる私たちは、こういった年金制度改正や将来の見通しに関するニュース、自分が受給できる老齢年金に関しても自ら積極的に情報を得るのはマストであり、さらに自助努力で将来に向け資産形成をする、そんな必要性がますます高まっています。
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