079.笑わない人
義父(97歳)が、二日連続して救急搬送された。
水曜日は、転倒。
共通エリアにある車椅子まで歩き、自分で使おうとして転倒。
深夜、電話連絡を取れずに翌朝連絡を受け、ホームへ。
脚が痛いというので、念のため診察をと救急搬送。夜が明けてからの搬送なので、わざわざ救急車要る?と思うが、かかりつけ医の判断らしい。
結果、レントゲンは異常なく、打撲。
木曜日。22時に電話。
部屋で耳から血を流して倒れているとのこと。
ホームに行くと救急車が停まっており、しばらくするとストレッチャーで運ばれてきた。
幸い、我々の家に近い病院が受け入れてくれた。
受け入れ条件は、以下3つ。
・家族付き添い
・ホームスタッフ付き添い
・処置後に帰ること(入院不可)
たまたまどの条件もクリアできたけれど、一人暮らしの老若男女はどうするのか。←自分の将来が心配。
一時間程の調整の上、搬送。
こういうのを目の当たりにすると、救急隊の方は、本当に大変。頭が下がる。
結局、何が原因かは分からないけれど、耳たぶの内側を6針縫う怪我。内側!?
内側を切るって、どういうシチュエーションかさっぱり想像つかず。
部屋に血がついたものは床以外ないらしい。
この一件で、義父と久しぶりに対面した。
前回は、悪人呼ばわりして怒った顔で終わった義父も、まったく表情がない。
笑いもしない。
思考が働いているのかも分からない。
いきもので笑うのは、ヒトだけだと聞く。
逆に言うと笑わなくなると、もうヒトではなくなってしまうようにも思う。
今朝、再診に行く歳、初めて夫婦でクルマと車椅子への移動を介助した。
これは大変難しい。
下手すると二次災害になってしまいそう。
そして人の尊厳って、一体なんだろうと考えてしまった。
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