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『ぼくの生徒はヴァンパイア』たまに食べたくなる優しく甘い砂糖菓子

■紹介(POP)

森奥深くの西洋城には、可愛らしい吸血鬼な女の子が住んでいます。
怖がりで、人間が苦手で、輸血パックを糧に生活している彼女を憂いた使い魔が、ある日人間の家庭教師ブラムを街から連れてきました。
彼女は人間が大丈夫になるのでしょうか? そして芽生えだす思いはどう芽吹き花咲かせるのでしょう? そんなゆるふわな日常コメディです。

■基本情報

著者:玉岡かがり
巻数:全 3 巻

■関連リンク(2020/1/13時点)

■個人の感想

何度も読み直してしまうようなイカしたセリフや、性癖をくすぐる何かがあるわけではないけれど、思い描く日常の片隅にそっと置かれているような、一口食べると心のトゲがぽろぽろと落ちてゆく、そんな優しく甘い砂糖菓子。そんな印象を抱いたこの作品は、人間が苦手なヴァンパイアが、家庭教師との日常の中でどう成長し愛を育むのかを描いたものになります。

●人間が苦手でヴァンパイアな女の子カミラ
●堅物眼鏡に見えて実は乙女?の使い魔メイベル
●貧しさに負けてヴァンパイアの家庭教師になったブラム
●腹黒ドSで妹ヴァンパイアのガブリエラ
●色々残念なガブリエラの使い魔ミナ
全体としては、引っかかりなくスラッと読めるのと併せて、しっかり4コマ目にオチを入れた内容となっています。上記の面々を中心に物語は展開していくわけですが、その中で注目すべきは、カミラとメイベル、そしてブラムの三角関係です。特にメイベルさんが可愛い。堅物眼鏡の大人な女性が見せる乙女な一面に、自分は終始やられっぱなしでした。
三角関係といっても、血塗られた包丁が出てくるとか、ヒロインらによる可哀想の嵐とか、そういうガチめのものではなくて、ホント軽めに描かれています。それでもツボは押さえているため、結果として2人の可愛らしさが引き立つ結果になっているのかなと思います。後味全然悪くならないので、安心してください。

コメディの面だけで見れば皆無ではないのですが、特段強調すべき所もなくて、わざわざオススメしないところではあります。ですが玉岡かがり先生のゆるふわな作風と合わさると、「それはそれで良いじゃない」という感じにさせられるのも事実なんですよね。現時点で電子書籍化されていない作品なのですが、この記事をご覧になった方に、お気に召して頂ければ幸いです。
別の作品『ダブルナイト』に出てくる大型犬も可愛いので、ライト百合?の作品ですが、そちらもよろしければどうぞ。