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『ヒミツの保健室』まさに山東ユカワールド!原点にして傑作のコメディ4コマ

■紹介(POP)

癒やしがあると思うだろうが、生半可な気持ちで生きてる奴には、あの保健室はやばい所だ。女豪傑の保険医香椎に、稀代の大和撫子佐々木と、彼女のストーカーもとい守護者達。触れたら死ぬぜ、見るだけにしておきな。そんな学園コメディ。腹筋が鍛えられること間違いなしの作品!

■基本情報

著者:山東ユカ
巻数:5巻

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■個人の感想

まるで目の前にトーク芸人が存在するかのような錯覚すら覚える、テンション高めのボケとツッコミが、姐御という言葉が一番しっくりくる最強最悪の保険医香椎と、保健室の良心かつ大和撫子の佐々木絵真を中心に繰り広げられる4コマ作品。

少年画報社から出版されたもので、初版が平成15年1月なので、令和元年現在で16年前なのか、とちょっと驚き。でもこの作品、古臭さを感じない、今でも十分通用するコメディセンスで満ちあふれています。作者は山東ユカ先生。今だと『スパロウズホテル』連載中で、4コマ界の最前線でバリバリ活動されている方ですね。

この作品の売りは、メインだけではなくサブキャラクターにも強烈な個性があるという点です。
●佐々木絵真を偏愛する狂気の残念イケメンことサラリーマン教師中谷
●その中谷が顧問を務める『佐々木ちゃんファンクラ部(絶滅危惧種研究部)』の暗躍
●国文だけがほぼ赤点の石川亮子
●保健体育が学年トップのデキる放送部部長酉井右菜
そんな常識外の彼らが作り出すのは、明らかに常識の線を超えた非日常。
にも関わらず、彼らが飲食チェーン店のテーブルを占めて、ジュース片手にトークしていて、自分はその隣のテーブルで耳を傾けていて、手で口元を抑えて笑いをこらえていても全然おかしくないぐらいの日常感。
その味が出せるのは、間違いなく山東ユカ先生の才能だと思うし、それがあるからこそ、今でも色んな4コマ作品を世に出されているのだと思います。
先生の初単行本となった作品でもあり、先生の力がいかんなく発揮された、原点にして傑作、おすすめです。