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【018】冬は航続距離ダウン 電費勝負でクルコンに惜敗

 ガソリン車でリッター何キロ走れるかは「燃費」。同じようにEVでエネルギー効率を比較するには「電費」を使う。1kWh(キロワット時)当たりの走行距離。ガソリンと違って、見えない電気はなかなか想像しにくいのだが、500Wの電子レンジを2時間つけっぱなしにしたら1kWh。それぐらいのエネルギーで車を数キロ走らせることができる。

 走る距離を伸ばすためは、アクセルをなるべく開けなければいいのは内燃車と同じ。さらにEVの場合は、減速時に充電する回生ブレーキをうまく使うのがコツ。私のホンダeは、アクセルペダルのオンオフで速度を制御するワンペダル運転にしたら電費がぐっと向上した。

 21年4月末に乗り始めた当初の電費は、メーター読みで5キロ台だったが、ワンペダル運転に慣れてきてからは、街乗りで7キロ台。10月に東京−関西を往復したときは8キロ台も出た。回生ブレーキを意識すると、急加速も急ブレーキもなるべく避けるようになる。自然と電費が良くなる。もちろん、見通しのいいワインディングではつい元気よく走らせたりはするけれど。

 平均電費は常時メーターに表示されていて、数字が上がっていくのが、ちょっとした楽しみだった。ところが冬に入ったら、電費がガクッと落ちてきたのだ。そんなに飛ばしたりしていないのに右肩下がり。12月には6キロ台に。

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 どうやら寒すぎるとバッテリーが性能をフルに発揮できないようだ。ホンダeの説明書にも、寒冷地では水加熱ヒーターでバッテリーを加温するという表記がある。よく使うようになったエアコンも電気を食っていそう。冬タイヤに替えたことも影響しているかもしれない。冬は航続距離を少なめに考えたほうが良さそうだ。

 そんななか、約300キロ離れた東京−福島を取材で日帰り往復した。相変わらず電費は伸びない。ふと思いついて、帰路はクルーズコントロールを試してみた。車の流れに合わせた定速走行をしてくれる。すると、ワンペダルで運転した往路は6.4km/kWhだったのに、復路のクルコンは6.6km/kWhと、わずかながら上回られてしまった。

 上達したと思ったエコ運転も、まだまだ修行が足りなかったようだ。賢いAIの助けも借りて、冬を乗り切ろう。

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(夕刊フジ/2022.1.6)

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