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【026】無償修理を初体験 充電不能でプログラムを更新

 電気自動車(EV)には充電が欠かせない。昨年5月に「ホンダe」に乗り始めてからの充電回数は約110回。自宅に充電設備がないので、頼りはあちこちの充電スタンド。平均すると3日に1回、どこかで充電器を使っている計算になる。

 電気がたくさん入ったり、そうでもなかったり、充電効率に違いはあるけれど、困るのは充電不能という事態だ。いまのところ2回だけ、繋いでみたけどダメだった、という体験をしている。

 1回は都内の公園にある急速充電器で、2台あるうちの1台が不調だった。何度試しても、充電が始まってもいないのに「充電終了」と勝手に切断される。管理人が充電器を再起動してくれたけれど改善せず。幸いもう1台が使えたので助かった。

 もう1回は、マイカーの無償修理という大ごとに。四半世紀のカーライフで初めての体験だった。昨年12月、首都高速道路の大黒パーキングエリアに設置された最新式の充電スタンドを訪ねた。6台同時に充電可能というのが売り。普及すれば「充電渋滞」の解消が期待できるし、デザインもカッコよくて、EVユーザーとしては、うれしい技術革新だ。

 それで開設日に一番乗りで試しに行ったのに、またしても充電が始まる前に「充電終了」。直前にプレス発表会があったので、運用している会社の関係者が様子を見守ってくれていたのだが「ホンダeは充電できませんよ」。車が充電規格に対応していない、と聞かされる。なんてこった。

 販売店に相談しても、故障ではないのでお手上げ。約1カ月後、無償修理の案内が届いた。メーカーの無償修理は、保安上の深刻さによって「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」の3段階に分かれていて、今回は商品性・品質の改善を図るサービスキャンペーンだという。つまり、危ないことはないけど、直しておきますね、という感じ。

 すぐに販売店を訪ねて作業してもらった。充電規格を新しくするなんていかにも大変そうだが、物理的にどうこうするわけではなく、プログラムの一部を書き換えるだけ。整備士が車にパソコンをつないでコマンドを打ち込むと、それほど待つこともなく無事完了。スマホのアプリをアップデートするのと変わらなそうだった。

 その日のうちに大黒PAでリベンジ充電。終了しないで無事に30分チャージできた。見た目は同じでも、中身はちゃんと新規格になっていて一安心。

 EVの普及はまだまだこれから。充電インフラも次々に新しいものが登場するだろう。「現在進行形のEVシフト」を実感できる体験だった。

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(夕刊フジ/2022.3.3)

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