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【025】電欠に駆けつける移動充電車「Q電丸」

 日本海側や北日本などで積雪が続いている。雪上での運転経験が少ないので、未知のトラブルがたくさんありそう…と想像&心配しているが、その一つが立ち往生(大規模滞留)。自分が大丈夫でも、周囲の車が止まれば逃げられない。2020年12月、関越道で起きた立ち往生には2000台以上が巻き込まれ、脱出に最長52時間かかった車もあったという。

 電気自動車(EV)を検討したとき、ニュース映像が頭に浮かんでいた。自衛隊が燃料を配給していた。でも電気はきっと配ってくれない。購入した後も、頭の片隅に引っ掛かっていて、過日、冬期のEV車中泊を試したのも、電池の持ちを確かめたかったからだ。エアコンを切ればかなり耐えられそうなので、その後防寒着は積みっぱなし。USB接続の電気毛布も導入した。

 災害対策は「自助」が大切なのだが、EVの普及に備えた社会的な取り組みもスタートしている。なんと緊急時に充電してくれる車が配備されているのだ。

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(NEXCO東日本提供)

 「Q電丸」というEV用移動充電車で、見た目はトラック。でもゲートを開けると、荷台には急速充電器が積まれている。NEXCO東日本新潟支社が冬季限定で1台を運用中。同支社の方に気になる点をうかがいました。

 まずは一番気になる性能から。「電欠車に10分の充電で約15キロ走行可能になる」という。ガソリンなら1〜2リットル入れてもらう感じだろう。導入のきっかけは、まさしく関越道の大規模滞留だった。「EVがレッカー移動できなくなった場合に備えて導入しました」。

 高速道路上での電欠には、レッカー移動で対応している。しかし、災害時には現場に到達できないこともある。レッカー車より小さいQ電丸なら、救援できる可能性がアップするという。いざという時の備えなのだ。EVユーザーとしては、ありがたい限り。電欠で困っているときに、この車が登場したら、どんなにうれしいだろう。

 デメリットは「普及しておらず高額である点」。今後、台数を増やしていくかどうかについては「今降雪期シーズンの状況、その他EVに関する情勢を踏まえ検討します」とのことだった。

 いまのところ、出動実績はないそうだ。なくてなにより。

(夕刊フジ/2022.2.24)

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