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としまえんの思い出はいつだって切ない

子供の頃、両親に連れて行ってもらった初めての遊園地がとしまえんでした。

アトラクション、テレビで見ていた特撮ヒーローのショー、ニコニコしているスタッフ、風船を渡す着ぐるみ、輪投げで大きなぬいぐるみを手にして嬉しそうな子供……など、見るもの全てが平和な世界でした。

普段の生活では体験出来ない世界の中、私も目をキラキラさせながら園内を駆けずり回っていた記憶が残っています。

そんなとしまえんですが、自身の成長と共に少しずつ変化も生まれました。きっかけは、中学生の頃に父と行ったプールです。

としまえんのプールは地元の市民プールと違ってギャルが多く、早い話が目のやり場に困りました。

ただ、父はそうではなく[チャンス]と考えていたようです。
波のプールで、わざとらしく女性にぶつかり、その度に『おい!押すなって!』と、”私は子供と遊んでぶつかってしまいました”風を装い、次々に女性にぶつかるのです。

父のボディアタックを羨ましいと思う反面で、問題点も見つけました。それは、私が近くにいないと成り立たないということ。近くに子供がいなければ、父の『おい!』は効果半減というより単なる変質者になります。

そこで私は父と少し距離を取り、父のボディアタックを封じることにしました。父は『あんまり離れると迷子になるぞ!』と心配してくれましたが、当然本心ではありません。その日、ややギスギスした状態で家に帰ったことを覚えています。

後日、クラスメートと一緒にプールへ行きました。波のプールやウォータースライダーなどを楽しんだあと、皆で波のプールへ行こうとなり、波が出てくるギリギリまで進み「やべー!今の波やべー!!!」なんて遊んでました。

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皆ではしゃいでいたら、私は友達に押されて、近くにいた女子大生らしき人にボディアタックをかましてしまいました。

「すいません!」と素直に謝りましたが、相手の女性は「大丈夫だよ笑」と、優しく返してくれます。これがダメでした。

この時点で「気をつけろやクソガキ!!」なんて罵ってくれればよかったのですが、優しい反応をしてくれたことで「イケるかも?」と勘違いした私は、波以上に調子に乗ってしまいました。

その後もプールへ行く度、同じようなことをしてました。当時ぶつかった女性達も今では完全な熟女か……。

高校生になると、ナンパ場所として活用してました。田舎からとしまえんへ来ただろうイモっぽい女性達なら落とせるだろうという浅はか極まりない企みで、友達2人で次々と声をかけます。

美味しいレストラン一緒に行こう
→ガスト

めちゃくちゃ美味しい飲み物ある店知ってる
→ガスト

東京来ないと食べれないハンバーグある
→ガスト

といった具合に、何の根拠もない俺たちのガスト作戦でナンパしてました。中には付いてきてくれる子もいましたが、毎回「ガストじゃん!」のオチ。当然ナンパした女性のドリンクバーを楽しむことは出来ず、家に帰って自分のお冷を出してばかりでした。

大学生の頃は全く行きませんでしたが、社会人になって1、2年目の夏は10代同様にプールへ行ってました。狙いは当然ひと夏の恋。

10代よりお金に余裕もあるので、誘うお店は居酒屋オンリーに。ベロベロに酔わせてベロベロしようとするベロベロ大作戦を決行するも、相手が酔う前に自身が酔い潰れるという酒の弱さを露呈し、ベロベロ出来ずに家で自分のボトルをチビチビ出してました。

そして現在。もうプールなんて行く歳でもありませんが、愛犬を連れてイルミネーションを見に行くなど、未だにたまに行くとしまえん。そんなとしまえんが閉園し、ハリーポッターのテーマパークになるとかならないとか。

親しみある遊園地の閉園は寂しさしかありませんが、この寂しさを乗り越え、ハリーポッターのテーマパークが出来たら行ってみようかと考えています。

もうナンパなんて出来る年齢ではないし、ハリーが乗っていたような箒(ほうき)のような箒は持ってないけど、挑戦することに意味があるので、これからも腐らず挑戦していきます。

どうせ、最後はティッシュの中なんですから。

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