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カミングアウトとアウティングの違い

普段の会話では、「当たり前を前提にして話をしないように心がける」ことを意識しています。
お仕事をしている時も、業界用語ではなく共通認識がある用語を使うなど、コミュニケーションをとるうえでは「どういう言葉を使って、伝えたいことをしっかり相手に伝えるか」ということに注意を払っています。

LGBTの会話も同じです。私の周囲はヘテロセクシャル(ストレート、異性愛者)の方々ばかりなので、LGBT当事者として当たり前に使う言葉も、意味について聞かれることがよくあります。
今後、相互理解を深めるためにも用語の解説もここnoteでしていこうと思います。

今日は「カミングアウト」と「アウティング」の違いです。
この2つは大きく違っていて、この違いを知らないと被害が発生する可能性もあるので、今後気を付けていただけたらなと思います。

どういう被害があるの?という質問には、3つの事例を使って説明したいと思います。

1.一橋大学の学生
学生が同級生の友人に、ゲイであることを伝えたところ、その友人が他の友人たちに情報を共有。周囲に知られたくなかった学生は自ら身を絶たれました。
2.前職の先輩
上司がクライアントの前でゲイであることをばらされてしまう。元々その上司はLGBTに対して否定的で、先輩は一緒に働いていて居心地が悪かったうえに、セクシャリティをばらされたことによりそのプロジェクトから身を引くことを決意。
今は転職し、よりLGBTへの制度が充実している場所へ転職されました。
3.前職での私
前職で男性社員に「私は女好きだ」と広められる。初めて会った同じ職場の社員の方々からも、「女好きって聞いたよ」と言われて、不快な思いをしました。
確かに私は女性とお付き合いしていますが、「女好き」という言葉には抵抗感があります。私はお付き合いする時は一筋です。一方で「女好き」という言葉には、「女性なら誰でもいい」というようなニュアンスがあると思うからです。

何故こういったことが起きるかというと、個人のセクシャリティ(性的指向や性自認)に関する情報の取り扱い方について正しい理解がされていないからだと考えています。セクシャリティは個人のアイデンティティであり、とても大切な情報で、大事に扱われるべきです。
そして、正しい理解を進めるためにも「カミングアウト」と「アウティング」の違いが認識されるべきだと思います。

「カミングアウト」と「アウティング」の違い
・カミングアウト=LGBT当事者が、本人の性的指向や性自認に関して公表すること
・アウティング=LGBT当事者ではない人が、当事者の合意なしに、当事者のセクシャリティに関して他の人に話すこと

「アウティング」がもたらす被害
前述のとおり、セクシャリティはアイデンティティの根幹にかかわることなので、アウティングをされると、精神を病んだり、体調に異変を崩したりして、LGBT当事者は追い詰められてしまいます。

LGBT当事者からカミングアウトされた時の対応
秘密厳守でお願いします!
セクシャリティは大事な情報です。その人の許可なしに周りに広めるのはやめましょう。
自分だけで受け止められれなかったら、会社の相談窓口、NPOやLGBTの団体など、専門家にどう対応すればいいか相談しましょう。

YouTubeでも説明しているので、よかったらご覧ください!
【日本語版】
https://www.youtube.com/watch?v=AWw1cO5MW6M
【英語版】
https://www.youtube.com/watch?v=RLyXWWcbkxQ




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