羽田着最終便で終電逃した話

先日、実家のある福岡へ久々に帰省した。

母親が医療施設勤務なのだが、2020年、2021年、2022年と私が帰省するタイミングで院内でクラスターが発生し、「帰ってくるな」と言われていたため、こんなにも帰省が遅くなってしまった。

お盆も、他の兄弟が帰省し実家が過密状態になることから避けて一週遅らせて帰省し、久々の余暇を楽しんだ。

そんな休日も終わり最終日、地元を出て空港に着くと登場予定の飛行機が大幅に遅れてしまっている。その時点で乗れるはずだった終電にはギリギリ間に合うかという状態だったのだが、機内に乗り込みベルトを装着した後、こんなアナウンスが流れる。

「なお着陸予定の羽田空港の滑走路も混雑が予想され、着陸の予定時間が遅れる見込みです。」

やられた。搭乗予定機が遅れてるんだからそりゃそうでしょうという話なのだが、2019年以前までは毎週出張で乗っていた飛行機も久々だったので感覚が鈍っていた。そんなわけで確実に終電を逃すことが確定した状態で私は虚無の離陸とともに福岡を去った。


羽田空港到着後、飛行機を降りてモノレールの終電まではあと6分。走れば間に合うのは分かっていたが、手荷物受取があるため間に合わないことはわかっていた。一瞬、わざと手荷物を忘れて一時的に空港預かり、後日電話して受け取るという手も考えたが、そんなことで空港に迷惑もかけるのもアレだし、荷物が他の人に盗まれてしまっても困るので早々に諦めることにした。

となると諦めて蒲田周辺のホテルに泊まるという選択肢もあるがそこそこのお値段。候補として控えつつも、とりあえず東京に住む兄弟に迎えに来てもらえないか電話をかけてみるも反応はなく、ただただターミナルのベンチで頭を抱えていた。さてどうしようかな。そんな時だった。

「何かお困りですか?」

警備員の男性がスッとやってきて私にこう言うのだ。

おお、何かサポートしてくれるのかな?淡い期待とともに私は「飛行機が遅れ、終電を逃したのでどうしようか悩んでいる。」と端的に伝えた。

すると男性はこういうのだ。

「国内線はそろそろ閉鎖するので滞在するなら国際線の第3ターミナルへ行ってくれ。」

うるせぇ!!!!
わかってんだよそんなことは!!!!!



なんてことは当然言うわけないのだが、タイミングがタイミングだっただけにちょっとカチンと来てしまった。とは言え警備員の男性も仕事だし、とやかく言ったところでしょうがない。

あぁ、疲れ切った状態で終電を逃した空港に解き放たれると人はこんなに余裕がなくなるのか。そんな風に考えていた時、私の目にとある看板が留まる。

【 → タクシー乗り場 1番 , 2番 】


「タク…………シー……………?」

湧き出る感情が抑えきれない。
あぁ、そうだ僕はこういうのが好きなタイプの人間なのだ。

解除したい 解除してみたい。

実績を…………

終電逃して羽田空港から
   家までタクシーで帰った


という人生の実績を…………ッ!!!

解除してみたい……………!!!!


警備員「第三ターミナル行く場合は8番乗り場の送迎バスに向かってください!」

私「わかりました!!!!(真逆の1,2番乗り場に向かう)」

警備員「!?お客さん!!!そっちじゃないですよ!!!!!!!!」










































ポコンッ

終電を逃して空港からタクシーで家に帰るの実績を解除しました。
(Xbox360の実績解除のUIとSE)

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