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こっそりときめく宝物、みたいなもの

このお砂糖ひとさじ、由香とけっこう前から計画していたけど、実現できて本当によかった! 

CUTiE編集部での新人時代に、ランチに行ったり、夜カフェに行ったりしたときも、ず~っと好きなものとかやりたいことについて、話していたよね。あのときみたいに、由香とはいつも好きなものを共有したいなって思ってたから。

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さてさて。
こんまりさんのときめきお片付けメソッドは、私はタイトルくらいしか知らないんだけど、ときめくものだけ残すっていうコンセプトはすごく共感するよ! 
私は子どものころからずっと片づけや整理が苦手で、とりあえず取っておこうとかすぐ思っちゃってたし、捨てるのにも罪悪感を感じるほうだったけど、数年前にようやく物を減らすことに目覚めたの。そしたら、やっぱり片付いていることが爽快になってきて、最近は「自分の好きなものしか置いておきたくない」という気持ち。

それで、昨日、由香の文章を読んで「ものにときめく」ということについて考えてみたのね。
平安時代の源氏物語の中にも「ときめく」という言葉がでてきているなんて、すごく古い感情なんだね、ときめきって。それで、元来の言葉の使い方としては、きっと人に対して使うんだよね。「憧れの人にときめいた」とか。ニュアンスとしては、恋愛の入り口みたいな感情かな。

でも、私たちは、「もの」にときめく。由香も、私も、きっと「好きなもの」というこだわりが強いんだと思うの。
平安つながりで言うと、清少納言の枕草子では、「いとをかし」という言葉で好きなものを羅列しているけど、女子ってそういうのが得意だよね。可愛いもの、きれいなもの……そういう「もの」を並べて、下手したら男性に対しての恋愛感情以上に、ものにときめいちゃうの。

私は小学生のころ、いつもこっそりポケットやポシェットに入れて持ち歩いている宝物があったの。
それは、そのときどきで変わっていくんだけど、貝殻の形をした透ける便せんだったり、飛行機をかたどったシルバーの小さなブローチだったり。そういうのをポケットに入れて学校にも持って行って、授業中にポケットに手を入れて、「私の宝物がここにある」って思ってた。で、夜は枕元に置いて寝るの。

その宝物みたいなものは、もう少し大きくなってからは、形のあるものだけじゃなくて、好きな音楽とか、本とか、ファッションとかにも姿を変えていったんだと思うけど、こっそりポケットに入れて持ち歩いている子どもの頃の感覚はそのままで、「私には秘密の宝物がある」っていう気持ちなんだよね。
それが、メリーポピンズの『お砂糖ひとさじで』の、「苦いお薬もお砂糖ひとさじあれば飲めちゃう」っていう歌詞のように、嫌なことがあるときにもなんとか頑張れる支えのような存在になっているのかも。

#エッセイ


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