一酸化炭素中毒に関して
厨房で一酸化炭素中毒という報道がありました。大きな厨房なので、ガス器具も多いことでしょう。
ガスが燃焼するときに酸素が必要で、酸素が不足した状態で不完全燃焼となると一酸化炭素が出ます。
CO2 の O が足りないから CO になるということです。
一酸化炭素は臭気がありません。匂いで気づくことはありません。酸素が減っていて酸素欠乏になるという側面もありますが、COがヘモグロビンと結びつくことでCO中毒という症状になります。医学的なことをここで言うつもりはありません、原因について考えたいと思います。
まず、酸素供給が減っている=外気のフレッシュエアーが減っているのではないかと考えられます。外気には適切な量の酸素が含まれています。
調理の臭気と熱気の排出のためにも排気が行われます。排風機が換気扇なのかシロッコファンなのかはともかくとして、電動機械で排気するのが普通です。
そして、その分の空気を外部から取り入れるための給気のルートが ガスの燃焼排気量を上回り、排気されるだけの空気量が取り入れることが出来ていた「はず」です。
そして、排気はともかく、給気が足りないから酸素が足りなくなることになってきます。
給気が機械で押し込まれていることもありますが、排気で抜かれた分だけ自然に入ってくるようにしているのが多いと思います。ということは、厨房内の気圧はマイナス目になり、引っ張った分だけ外気が入るということです。
で、事故になったわけですから、給気が足りない。送風機が仕事をしていないと想像されます。 送風機は一定の静圧で一定の風量を出す機械的な能力がありますので、静圧が上がれば風量が減ります。給気側の静圧が上がっても送風機に負担となります。給気口から排気口までのどこかで静圧が上がったのだと予想できます。
厨房ですから、油も使うので、レンジフードの中にグリスフィルターもあるでしょうし、虫が入らないために給気口に網がついているかもしれません。排気口の先端に網がついていることもあります。
この網は、一般的には防虫網ですので、一般家庭の網戸と同じです。ということは、線の間隔は 20メッシュの場合は1.27ミリです。これで蚊が入れないことになっています。(16メッシュ=1.58ミリ だとちょっと小さな蚊は入れるかもしれません)
当然、給気側もそんな網がついているとして、埃で詰まっていたら給気量が落ちます(静圧が上がるから)
で、排気側の防虫網が油で詰まるということがあるとすれば、グリスフィルターで油が取り切れていないことと、ダクト内が油で汚染されていることが予想されますので、ダクト内の油が燃えることが考えられますので、排気側の防虫網が詰まっているということは ちょっと致命的です。
グリスフィルターは掃除して清潔を保つことが前提です。防虫網が掃除されていないというのはよくあることかもしれません。
掃除がしやすいような設計なのか? そもそも、掃除しているのか? 油はグリスフィルターで取れているのか? が肝心だと思います。
給気側だけが汚れていった場合(あまりないでしょうけど)ドア隙間から隙間風が入ることと、ドア開閉時に ブシュン・バタンと音がすることになります。ドアガラリや隙間風が多いということになりますと、なめくじをはじめとする虫の侵入経路にもなりますので、隙間があるというのはGのつく虫にとっても出入りしやすい環境だということになります。
ということで、想像でしかありませんが、排気側の防虫網が汚れていたのではなかろうかと思います。
ついでに、鳩・雀の進入を防ぐ防鳥網(ぼうちょうあみ)は 10ミリ目ステンレスクリンプ網というのが一般的です。 15ミリ目20ミリ目 というのもあります。20ミリだと カナブンやカメムシなら十分入れそうです。スズメはちょっとしんどいかなと・・・
なお、給気側にフショクフ(不織布)フィルターがついている場合があります。この場合は、蚊も入れないということになってます。ロールのフィルターというのがありまして、モーターで巻き取るというタイプです。
原因を明らかにしていただいて、対策を取っていただきたいものです。
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