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君たちはどう生きるか、率直な感想(微ネタバレあり)

前置き


あのジブリがスラムダンクに倣ってか別に倣ってないのか、作品の内容にかかわる宣伝を一切しないという戦略を取った「君たちはどう生きるか」(謎の鳥が「カヘッカヘッカヘッ」と呟いたぐらい)。


ネタバレを嫌うあまり、ゲームの発売日にはゲーム関連のワードをひたすらミュートしてツイッターをたしなむほどのネタバレ拒絶過激派の僕ですが、「あのジブリ作品の情報を一切ない状態で観れるとは……これは上映開始日に観るっきゃない!」と昨晩レイトショーを観に行きました。
大体映画の情報って予告を観て知ることが多いので、「これからどんな映画が始まるのか全く知らない状態で映画を観る」っていう行為自体が貴重で、なかなかできることじゃないんですよね。


感想


正直言って全然作品の良さはわからなかったです。
宣伝しなかったのではなく、宣伝できる材料がないから出来なかったのでは?と訝しむほどです。
ちなみにめちゃくちゃ期待していったわけでもないです。フラットな状態。

冒頭の火事のシーンはとても素晴らしかったです。
炎の絶望的な死の揺らめき、とまどう人々の焦燥や混乱を表すドロドロとした作画表現、さすがジブリ作品だ!とワクワクが止まらかったです。
最初は日本の戦時中の話を描くのかと思いました。火垂るの墓みたいな話なのかな?それはそれで面白そうだなと。
火事で母親が亡くなり、それから母親の妹の家で暮らすことになり、謎のアオサギが現れ、不思議な生活を描いていく話なのかなぁと思えば説明もないまま突然のファンタジー世界へ……

正直話が断片的でとっ散らかりすぎてて、理解が追い付かないままどんどん話が進み、(理解が難しい映画は割と好きです。エヴァとかパプリカとか千年女優とか……この辺りは内容が難解でも画作りや演出で楽しめるように作っている)「戦争→ミステリー→ファンタジー」とどんどんジャンルが変わってこの作品は何を描きたいんだろう?と頭の中がハテナでいっぱいになりました。

どれかにジャンルを絞った方が絶対よかったでしょ。

アオサギ自体が正直不快で、もう顔も見たくないし、キービジュアルのあの鳥の正体がこれかと思うと残念で極まりなかったです。
父親も目がギラギラで子供の話も全く聞かずに善意の押し売り、話が通じなさそうで恐怖でしかない。
妻が亡くなったら今度は妻の妹と結婚するというのもよくわからない……この時代は当たり前だったんですかね?
学校を休むためか自分で石で頭を割るし、おじいさんをタバコで懐柔する打算的な主人公も好きじゃない……周りに心配をかけまくるのも子供ならではの無邪気さや無鉄砲さから来るのかと思えばそうでもない。動機がまったく理解できない。
わらわら湧いてくるカエルやペリカンやインコもわざと醜悪に描かれており、2時間まるまる不快祭りでした。正直早く終わってくれ……と思いながら観てました。エンドロールの「地球儀」が救いの歌に聞こえました(米津玄師はハチ時代から好きなのでちょっと仕事を選んでほしい……と思いつつ)。

おしまい


メッセージとしては「別に若者は老人の意思なんか受け継がなくていいよ」みたいな話でしょうか?
「そんなの映画で教えられるものじゃないし、とっくの昔にわかってて今の若者はみんな自由に生きてるよ」と。
ジブリももう終わりなんだなと特に作品から得るものもなく不思議な感傷に浸ったまま眠りについた夜でした。
まさかツイッターで大喜利を眺めていた時が一番楽しかったとは……

「何が描かれるかわからない大作映画を映画館で観る」という映画体験自体はとても楽しかったです。

細田守監督の「竜とそばかすの姫」も新海誠監督の「すずめの戸締まり」も個人的にイマイチだったし(「サマーウォーズ」とか「ほしのこえ」とかは大好きです。特にサマーウォーズは夏になったら毎回BD観てる)、アニメ映画はどうなるんですかね……ジャンプ作品とコナンが絶好調なのが救い。

山田尚子監督の「きみの色」と


岡田麿里監督の「アリスとテレスのまぼろし工場」を楽しみにするしかない。

僕は好きな映画を好きなだけ観て生きていきます。

終わりです。



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