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じっと見るノート

 こどもの頃、食堂で相席になったひとを観察していたら、母に小声で「じっと見るんじゃないの」注意されました。見るなと言われてもやっぱり目の前のひとのことは気になります。お茶の入ったポットや湯飲み茶碗より人間のほうがおもしろい。つらい時間でした。昔、好きだった男のひとが「じっと見る女が苦手」と言うのを耳にして、見ないように見ないように不自然にデートしたことがありますが、あれもしんどかった。

 ところが、絵を描くときには「コップの裏側が描けてない。よく観察して描かなきゃね」なんて言われます。自分でもなんでこう「見えてない」んだと情けなくなることが多いです。5年ほど前から俳句をはじめてみたのですが、俳句には「写生句」というスタイルがあって、これにも観察の目が必要です。どうやら今のわたしにはもっと「じっと見る」ことが必要らしいのです。

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 ということで、じっと見て何か描く(書く)ノートを始めてみます。フリーランスのイラストレーター霜田あゆ美です。どうぞお見知りおきくださいませ。

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