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【ASIBA授業レポート】 第3週「課題仮説の検証」

「ASIBA」(Architecture Studio for Impact Based Action)は、東京大学・早稲田大学建築学科生有志(代表:東京大学大学院建築学専攻修士1年 二瓶雄太)が企画・運営している、建築系学生を対象にした2ヶ月間の都市建築領域に特化したインキュベーション・プログラムです。

10月らしい心地の良い秋晴れの中、ASIBAスタジオの3週目の授業が行われました。今回も外部から大変な大物ゲスト講師をお招きして、事業化に至るプロセスや解決策などについてお話していただくとともに、参加者各自の発表に対して刺激的なフィードバックをしていただきました。

見逃されてきた課題だからこそ、大きなチャンスになる

ゲストレクチャーに登壇してくださったのは、オモテテ株式会社の設立者で代表を務める高堰 うららさん。うららさんは東京大学大学院博士課程在学中に、駅や商業施設といった公共空間で取得できる生理用品の拡充を目指して、事業の立ち上げを行いました。外出先で突然生理が起こるかもしれない不便さを解消し、「女性のモビリティ」の向上を目標に事業をスタートさせたうららさんは、まず身近な知り合いや協力者を頼りに、アンケートやヒアリングを行いました。足を動かして顧客の不満・憤りを調査し、課題の発見、そして仮説の検証を行うといったプロセスは、事業化を目指す現在の私たちにそのまま重なります。朗らかな語り口調とは裏腹に、その圧倒的な行動力と実行力に、レクチャーをきいた誰もが感化されたのではないでしょうか。

事業を成功させるために大切なことは、現状でも可能な小さな事をとにかく始めること。うららさん自身も、初期段階では繋がりのあった高校に無料配布用の箱を置いてもらって、高校生の意見にひたすら耳を傾けました。顧客からのフィードバックをもとに、課題仮説の検証を続けいくことによって、少しずつ事業が展開していきます。どんなに良いアイデアを持っていても、解決策は現場の声を聞くことでしか得られないのです。

参加者による課題の発表とディスカッション

続いて、「課題仮説の検証」をテーマに、全10グループの参加者による発表が行われました。参加者は自身の抱く「未来」とそれに対する「現状」を整理したうえで、具体的に「検証」を行って来ることが求めれました。各自のテーマに沿った企業や顧客に対して、参加者自身がアポをとって、ヒアリングを行います。仮説検証はまだまだ続きますが、ヒアリングを通して各自のアイデアの形が徐々に明確になってゆき、社会実装へと近づいているのが感じられました。

「作れることは強みです」

最後に、企業内新規事業創出の支援を行われている岡本吉史さんをお招きして、希望者を対象とした公開メンタリングセッションを行っていただきました。講評では、マーケットをよく知る岡本さんの率直かつ刺激的なご意見をいただき、「ひたすらに顧客を意識すること」とご指導いただきました。社会経験の少ない私たち学生にとっては、これほど学びになる機会は多くないのではないでしょうか。岡本さんが特に強調されていたのは、早い段階からアイデアを形にして「プロトタイプ」をつくること。特に建築系のバックグラウンドを持つ私たちは、考えすぎるよりも手を動かすことのほうが性に合っているはずで、その事実を再認識させていただき背中を押してもらったように感じました。アイデアを机上の空論で終わらせずにどんどん実現していって、なおかつそれを柔軟に変えていくことの重要さを実感しました。

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