18歳未満か疑い残る児童ポルノは無罪
児童の性的動画を持っていたとして逮捕・起訴された男性の裁判で、無罪判決が出たニュース。
これは興味深い判決だ。
無罪の決め手
被告の男性はスマートフォンに児童ポルノの動画を保存していたとして裁判にかけられた。「動画に映っている女性が18歳未満か」が争点で、裁判官は「被写体が18歳未満か合理的な疑いが残る」と判断した。
決め手の1つは、被写体が誰なのかが特定できなかったこと。
逆に言うと被写体が特定できるなら、その人物の撮影時点の年齢が18歳未満かどうかは一発でわかる。
タナー法
被写体が誰なのか特定できない場合、証拠物の動画や画像から18歳未満であることを判断する。そのときに使われる医学的手法が「タナー法」だ。タナー法は体つきの変化から性成熟の段階を判定する。
しかしタナー法には問題がある。タナー法は外見から成熟の段階を測るものであって実年齢を推測するものではない。つまり年の割に身体が成熟していない20歳の女性が、タナー法では児童と判定される恐れがあるのだ。
裁判では
合理的な疑いが残らない程度に、動画に映っている女性が18歳未満であることを検察官が立証しないといけない。
裁判官が「いや、でも… 大人でもこのくらいのロリ体型の人はいるよね。もしかしたら大人である可能性は否定できないよね」と思ったら無罪になる。
被写体が誰なのか特定できない場合、裁判になったら判断に困るケースが多いんじゃないかなーと思う。
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