東大英語リスニング新機軸? 3・2作戦について(帰国じゃないけど26点以上目指す人向け)

まず、この記事は現形式(2018-)の東大英語リスニング(以下、「耳」と呼びます)で、26点以上を目指す人向けの記事です。
それ以外の点数の人に対しては、この冒頭部分で簡単にやることを言います

・18点未満
問題を解くトレーニング以前の段階です。なので、ひたすら英語を聞こう。1日3時間を2週間くらいが目安。なんでもいいので、(TEDとかはyoutubeで無料で見れるし、字幕もあるからスクリプトもあります)とにかく聞く。

・18-24点台
ひたすら東大形式の過去問を解こう。本番の過去問、模試の過去問を買ってひたすらやればなんとなく安定はしてくる。


さて、本題に入ります。
これは、耳で26点以上を目指す帰国じゃない人向け(一応俺はこれをやり始めてから、OP・実戦・プレでは26以上安定しています。2023年に発明してやり始めたので、まだ本番は未知数だが…)に、俺が2023年夏ごろに発明して、そこから試している攻略です。


・「3・2作戦」とは?


「3・2作戦」(以下、「本作戦」と呼ぶ)とは、現行形式(2018-)の耳において、
「2回ある放送中、1回目の放送は設問5問中、最初の3問の根拠が聞こえた段階で聴くのをやめて設問を解く段階にうつり、2回目の放送でさきほどの3問のうち不安な部分と残り2問を聞く。」
というものです。

1回目の放送で3問ぶんを聞き、2回目の放送で2問ぶんを聞くので、「3・2作戦」と本作戦を呼称しています。


・「3・2作戦」発明の背景・動機

徒に奇をてらっていると思われないために、本項で本作戦立案の背景・動機を述べる。

俺が3浪の時(2017)までは、耳の選択肢の数は、1問に4つだった。また、選択肢の長さも短かった。そのころなら、1回目の放送が終わった時~2回目が始まるまでの30秒間で5問分の選択肢を読んで答えを吟味して、選ぶということがほぼ確実にできた。

でも、4浪(2018)の頃から現形式(選択肢が1問に5つずつ)になり、選択肢の長さも長くなった。30秒間に25の選択肢(それも以前より長い)を読むことになった。1つの選択肢に1秒と少ししかかけられなくなった。

それだけではない。

選択肢が増えたことで、以前より選択肢の複雑さも爆発的に増加した。
一般に、選択肢が増えれば増えるほど、地味なところで引っ掛ける必要が出てくるので、問題の難易度は高くなる。

つまり、現形式になってから、

「以前より短い時間で、以前より難しい選択肢を吟味して選び抜かなければならない」

という事態が現出した。

これが現形式の難しさの本質だと、東大入学後の東大模試をいくつか受けてやっと気が付いた。
「聞けばいい」「東大のリスニングは安定する」という時代は終わりつつある。聞こえる力を地道に何年も英語を聞いて上げる、そういう問題ではなく、何かをガラリと変えて工夫をしなければ、今の環境で帰国は倒せない。そう気が付き始めた。

問題の本質は、選択肢を吟味できなくなったことで、引っ掛けに引っかかりやすくなることであると気が付き、それならば選択肢を吟味する時間を作ろうと考えた。そうして本作戦を考案した。


・「3・2作戦」のリスク・リターン

本作戦を聞き、多くの人には反感があるだろう:「危なすぎる」と。つまり、これだと4・5問目は、1度聞きになるから危ないのではないかという指摘ないし反発である。

しかし、その「危ない」が本当に危ないのか、そして、君が取っている方法は果たして「危なくない」のかどうか、というのがここで俺が言いたいことだ。

多くの人(というか俺も受験10年目まではそうしていたけど)がしている「5問聞いて解く」は本当に「危なくない」のか?ということである。

さきほども指摘したが、「5問聞いて解く」は選択肢吟味の質を落とすという点で、結局得点としては下がってしまう。また、耳の試験においては数学・理科以上に、「メンタル」が大切になる。
「聞こえない」「まだ問題解いてるのに放送が始まった」「時間がない」そう思えば、どんどん聞こえなくなる。一度ドツボにはまればオシマイで、聞こえていたはずのものまで聞こえなくなる。自分がどんどん信じられなくなる。そして気が付けば、大切なものを聞き流している。

このように、現環境で流布している「5問聞いて解く」にも、リスクはあるのだ。

一見安全な道を歩こうとして、リスクを取らないようにしてしまったことが、結果的に大きいリスクになってしまうことがある。これは、人生の一部の局面においても言える。結局、大きな勝ちをおさめたいのなら、リスクを承知で一歩踏みださなければいけないこともあるのだ。

翻って「3・2」の考えならどうだろうか?

確かに、残り2問分は、1回しか聞けないかもしれない。
しかし、「最初は最初3問でいいぞ」と思えば、メンタル面も安定する。最初3問を聞き取れる下地は整う。そして、選択肢を吟味する時間も十分に取れる(だいたい放送の3分の1くらいの時間、1分30秒ほどが吟味の時間に追追加されると考えてOK)ので、最初3問分の正答率は相当に上がる。

そして、実は残り2問も、「本当に聞いていないわけではない」ことにお気づきだろうか?

1回目の放送の時も、「ここで4問目に入る」ということはわかるのだから、ノーヒントではない。また実は、慣れてくれば、1~3問目の選択肢を吟味しながらでもうっすらは4・5問目の内容も耳に入る。(設問を解けるレベルではないかもしれないが)つまり、残り2問だって完全に捨てるわけでもない。

一見リスキーに見えるこの作戦、しかし実は大きなリターンを得られると俺は思う。(少なくとも、模試では結果が出始めている)そもそも、今の耳は相当に難しい。その難易度で「安全に26点取ってやろう」という考えが実は甘いのだと思う。

どのような道であれ、大きなリターンを得たいのなら、それなりのリスクも背負わなければならない。リスクを背負わずにリターンを得ようというのは甘いと俺は思う。

できれば、みんなにも試してみて、感想を聞かせて欲しい。