御伽

女神は烏を助けようとしました。
そして民から朝陽を奪ったのです。
彼らが信じていた朝陽を、奪い去ったのです。

烏は女神を助けようとしました。
そして執行人が集う高台へ向かったのです。
幼少の微笑を思い出すように。
烏は女神から心臓の雲を奪いました。
民を 女神を 烏を 幾千年もの間苦しめ続けた、その心臓の雲を。

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