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Castleton SFTGFOP1(キャッスルトン エスエフティージーエフオーピー1)※セカンドフラッシュ ―100種類目の紅茶に相応しい、夏摘みダージリン

 以前、同じCastleton SFTGFOP1のファーストフラッシュを取り上げた。セカンドフラッシュとの違いは摘まれる時期で、前者が2~3月頃なのに対して、後者は5~6月頃に収穫される。採れる時期が違うためか、結構香りや味わいも全く異なっていたので、今回取り上げることにした。ちなみにCastleton SFTGFOP1は、タイトルにも書いたようにこの連載で100個目の紅茶となる。

 袋を開けてみると、緑茶のように鮮やかな緑色だったファーストフラッシュよりも、茶葉の色が濃く、紅茶らしい色合いに見える。香りも新茶とは異なり、一般的な紅茶のイメージに近くなっているようだ。抽出して飲んでみると、ファーストフラッシュのときの新芽を思わせる爽やかさもわずかに感じられる上に、深みが増していて非常に飲みやすい。茶の木が中国種と聞いているせいか、少しキーマンや雲南省の紅茶に似ているとも感じた。余談だが、セカンドフラッシュの風味は、マスカットを彷彿とさせるとのことで、マスカテルと呼ばれるそうだ。
 以前、TWGのティーサロンで開催されたイベントのときは、ファーストフラッシュの後に飲んだためかほうじ茶のような印象を受けたが、今回は何も飲まずに試したお陰か、さっぱりとした風味を実感できた。ちなみに母は今回Castleton SFTGFOP1を飲んだことで、今までお気に入りベスト3が変わってしまったらしい。
 飲み方としては、やはりストレート一択だ。ファーストフラッシュよりも紅茶らしいとはいえ、ミルクを入れると負けてすまう可能性が高い。また、レモンも茶葉が持つ風味のバランスを損なうと思われるため、おすすめしない。

 非常に汎用性が高そうな味わいの紅茶なので、食べ物を主体にすることも、紅茶をメインに添えることも可能だ。また、ファーストフラッシュよりもどっしり感があるため、食事系の場合、基本的に何とでも組み合わせられると推測する。特にサンドイッチであれば、どういった種類でも良いペアリングになりそうだ。私は、鶏もものチャーシューを乗せたオープンサンドと合わせてみた。味が染みこんでしっとりした鶏肉を、深みのある紅茶が支えるような形でぴったりだった。大体の物と問題なく合わせられると思うが、さっぱりとしたグリーンサラダのような物だと、少し物足りないかもしれない。
 スイーツも、何でも合うだろう。シンプルなクッキーからデコレーションケーキまで、本当に好きなものとペアリングして欲しい。個人的には、かぼちゃのパンプリンと組み合わせてみたところ、秋を彷彿とさせる菓子の甘さが、Castleton SFTGFOP1の落ち着いた風味とぴったりだった。


 今まで紹介したダージリン同様に、ティーバッグでの販売はなく、量り売りのみとなっている。加えて価格帯としてはファーストフラッシュよりは安価ではあるものの、50gでS$68.5(約6850円)と決して手ごろな値段とは呼べない。しかし、非常に飲みやすく単体で楽しめるだけでなく、色々なマリアージュも面白いと思うので、興味があるならおすすめだ。
 そろそろ日本は暦の上でだけでなく、風も秋をはらんだものに変化してきている頃だろう。前述の通り、セカンドフラッシュは初夏に摘まれた茶葉ではあるが、出荷されるのは少し後だ。落ち着いた風味であることも踏まえると、晩夏を感じられる今に相応しい紅茶と言えるに違いない。

参考文献
LinkTeaネパール紅茶「紅茶のマスカテルフレーバーとは?香りと味わいを徹底解説!」(2023年9月19日23時31分閲覧)
紅茶のマスカテルフレーバーとは?香りと味わいを徹底解説!|LinkTea-ネパール紅茶

Castleton SFTGFOP1(セカンドフラッシュ)の量り売りが入った袋。

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