プロローグ 「ねぇ、私たちって付き合ってるんだよね?」 五年間続いた僕たちの関係は終わりを告げた。もっとも、最後の半年はおまけみたいなもので、もうずっと前から関係が破綻していることも気づいていたのだけれど。 こんなものだろうな、と思った。あれだけ好きだった彼女なのに、そうとしか思わなかった自分を冷めた目で感じていた。 会社からの帰り道、よくわからないままある電車に乗った。東京駅のコンコースで見上げた掲示板には、普段は意識したことのない電車の案内があった。 こ