【S34最終158位】直線的イベルネクロザシアン【剣盾シングル】

【はじめに】

みなさんこんにちは、アシキchです。
今回はポケットモンスター ソード・シールドのランクバトル シリーズ34で
最終順位158位を達成した構築の紹介をしていきたいと思います。

【構築経緯】

シリーズ34では禁止伝説・幻のポケモンを含むすべてのポケモンを無制限で使用することができ、使えるポケモンの幅が増えたように思えますが、実際に環境を形成するのは限られた禁止伝説ポケモン十匹前後で、その型の差異によって対戦の優位性が変化するルールでした。

同じ見た目でまったく異なるポケモンが存在する中で安定した勝率を出すためには相手の行動に対応する構築ではなく自分の強い立ち回りを通す構築のほうが良いと考え、特に直線的な動きを徹底できる「襷ステロポケモン」→「おいかぜイベルタル」→「ザシアンorスカーフ」の形を主軸とし、相性のいいステロ展開ポケモンを探していきました。

当初は一般的な襷霊獣ランドロスから始動していましたが初手のダイアイスで無償に近い形で突破された際にリカバリーが効きづらいことや、同型のランドロスが環境に多く選出画面では予測の立てられない専用の対策パターンを用意されていることが懸念されたため、ステルスロック+すばやさ操作が可能なポケモンからダイアイスに耐性のある「ジラーチ」「ディアルガ」「ネクロズマ(たそがれのたてがみ)」を候補とし、最終的に最も新規性が高くイベルタルと並べて構築タイプを誤認させやすい「ネクロズマ(たそがれのたてがみ)」を始動要員としました。

次に、イベルザシアンが通しづらいサイクル戦前提のイベルネクロ構築に有利で、ホウオウにも打ち勝てる「竜舞とぐろジガルデ」を採用。でんじはとの相性もよく、相手のルギアなどのでんじは展開も無効にできるため外せない枠でした。アタッカー寄りの霊獣ランドロスの採用も視野に入りましたが、ダイマックスをせずにすばやさを上げられる竜舞ジガルデに軍配が上がりました。

イベルタルのダイマックスが終了した後にスイープするスカーフ持ちのポケモンとしては「カイオーガ」「バドレックス(こくばじょうのすがた)」が候補でしたが、イベルタルを採用していない構築に対しての制圧力の高さと、イベルタルの代わりのダイマックス枠として採用した時の扱いやすさからカイオーガではなくバドレックスを優先。

残る一枠にとつげきチョッキ持ちのカイオーガを長らく採用していましたが、選出する相手がいなかったため他のポケモンを検討。

求められる要素は、
①サイクル気質のイベルタル+ネクロズマ(たそがれのたてがみ)構築に勝てる
②あつぞこブーツを持った物理耐久力の高いホウオウを一撃で倒せる
③ゼルネアスにジガルデよりは有利
④カイオーガやザシアンに不利ではない
というもので、そんなポケモンは存在しないかと思っていたのですが、物理型のとつげきチョッキ持ちレシラムが上記の条件に該当していたため採用し、この六体で構築を形成しました。



【単体解説】

〇ネクロズマ(たそがれのたてがみ)@きあいのタスキ
いじっぱり 173(4)-229(252↑)-147-x(↓)-129-129(252)
サイコファング/がんせきふうじ/ステルスロック/でんじは

構築の核となる襷ステロネクロズマ。全ての試合に初手で選出し、でんじはやがんせきふうじを撃っていました。ネクロズマ(たそがれのたてがみ)に対する一般的な対策枠はイベルタルとカイオーガの二体ですが、この二体はまひが入ることで後続のイベルタルとザシアンで簡単に処理することができるようになり、相手の想定外のきあいのタスキを楯にしてでんじはを撃つ行動が非常に強力でした。

さらに相手視点では構築タイプの誤認が発生しやすく、ネクロズマに対してダイマックスを切ってくることが多くあり、そうなるとダイマックスターンを2ターンほぼ無償で経過させられ、作業的に勝つことができる要因となっていました。逆に、特にカイオーガ対面においてがんせきふうじやでんじはを外してしまうと負けに直結する点だけは問題でした。初手でんじはで始動する構築は運負けをしやすい

技構成としてはがんせきふうじ/ステルスロック/でんじはの三枠は確定で、サイコファングは壁構築に対してイージーウィンが狙えることと、カイオーガに対しての打点となるところがメリットで、ザシアンにみがわりを置かれた時点で負けになるところがデメリット。みがわりザシアンが多い環境でしたら、メテオドライブが優先されると思います。


〇イベルタル@いのちのたま
ひかえめ 201-x(↓)-115-201(252↑)-119-151(252)
あくのはどう/ぼうふう/ねっぷう/おいかぜ

ネクロズマから繋いでダイジェットで加速した後、相手のダイマックスを強要し、ダイマックスターン終了時に「おいかぜ」からザシアンに繋ぐ動きが強力なイベルタル。ステロ→イベルタル→ザシアンの流れはテンプレートで対策パターンを用意されていることが多いですが「おいかぜ」を使うことでその対策もいなすことができました。特にメタモンやカイオーガでスイープを狙う構築に対して有効で、類型のイベルザシアン、オーガザシアンのような構築には無類の強さを発揮しました。

デスウイングではなくぼうふうを採用しているケースは少ないですが、今回はダイジェットの威力が高いためぼうふうを選択。ダイマックスしていない時はおいかぜ以外選択しないため、特に困ったこともなければ目に見えて有効だったこともありませんでした。強いて言えば、マーシャドーに対してダイジェットを選択せざるをえなかった点がやや弱かったですがダイジェットの威力に知らぬ間に助けられていたかもしれません。


〇ザシアン@くちたけん
いじっぱり(剣の王) 191(188)-242(236↑)-135-x(↓)-135-179(84)
きょじゅうざん/じゃれつく/かみくだく/でんこうせっか

A:11nで最大
S:最速ルギア+1
H:余りで最大

おいかぜイベルタルから繋いだ時の制圧力が最大になるA特化に近いザシアン。ステルスロック+きょじゅうざん/じゃれつくで多くのポケモンを倒してくれました。かみくだくの枠は「ワイルドボルト」「つるぎのまい」「サイコファング」など入れ替えて使用していましたが、どれも一長一短。イベルタル+ネクロズマが増えているように感じ、選出を躊躇わないために「かみくだく」で最後まで通しましたが全てに誤魔化しが効くのは「つるぎのまい」なので、そちらを優先するべきだったかもしれません。

すばやさラインは、おいかぜから展開することもあり多少甘えていましたがおいかぜがない状態でもほぼ負けることがありませんでした。Aを最大から2低くしたことで相手のザシアンを「ステルスロック」+「きょじゅうざん」+「でんこうせっか」で倒せる乱数がやや下がってしまっているため、Hを削ってでもAを伸ばすべきでした。低確率を引いて解決しているシチュエーションが、自分の認識よりも多くあったように思えます。


〇バドレックス@こだわりスカーフ
ひかえめ(黒馬上の姿) 191(124)-x(↓)-115(116)-231(196↑)-121(4)-179(68)
アストラルビット/ワイドフォース/ドレインキッス/こわいかお

S:最速ルギア抜き
HB:A190(無振り)ザシアンのきょじゅうざん+ステルスロック耐え
C:11n

環境初期はすばやさの高いザシアンが多かったため最速意識で調整したものを、特化ザシアンに勝てるものと思い込んで使用していました。あぶねー。

お洒落ぶってスカーフなしでザシアンと同速の調整を使用していましたが、耐久ラインを特化ザシアン意識のH193-B127(特化きょじゅうざん確定耐え)まで上げ、余りをSに回すべきです。
193(140)-x(↓)-127(212)-209(36↑)-121(4)-185(116)
HB:特化ザシアンのきょじゅうざん確定耐え C:11n S:余りで最大

役割としてはイベルタルの採用されていない構築へのスイープと、イベルタルの選出強要で、実際の選出率はそれほど高くはありませんでした。ネクロズマ入りでイベルタルが採用されていない構築相手に、優先的に選出します。


〇ジガルデ@たべのこし
ようき(50%) 213(236)-122(12)-142(4)-x(↓)-116(4)-147(252↑)
サウザンアロー/みがわり/とぐろをまく/りゅうのまい

A:+1ダイアースでH199ザシアン(剣の王)確定一発
S:最速/100%フォルム時 +1で最速バドレックス(こくばじょうのすがた)抜き
H:余りで最大/100%フォルム時 16n+1

りゅうのまい」と「とぐろをまく」を両採用したジガルデ。りゅうのまいがないとザシアンやバドレックス(こくばじょうのすがた)を相手に展開が組み立てづらく、とぐろをまくがないとホウオウやネクロズマに役割遂行が安定しないためどちらも外せないと考えています。一番優先度が低い技は「みがわり」で、岩技があると便利なことも多いですが今回は「でんじは」始動の構築でもあるためこの技構成。


〇レシラム@とつげきチョッキ
いじっぱり183(60)-187(236↑)-121(4)-x(↓)-142(12)-135(196)
フレアドライブ/げきりん/いわなだれ/そらをとぶ

A:ほぼ最大(11n)
S:+1で最速ムゲンダイナ抜き
H:余り

最後に入ってきた枠で、主にイベルネクロ+竜(キュレム/ムゲンダイナ)の並びを意識した調整になっています。元々採用されていたカイオーガは上記の並びの竜枠に不利を取り展開が作りづらかったですが、レシラムにすることにより竜枠を含む裏のカイオーガやザシアンにも立ち回りやすくなりました。ダイマが終わった状態での弱さが欠点ですが、空を飛んでてもらえば最低限相手のダイマックスを枯らすことができます。

思いついたのが最終日の22時ごろで、時間があればりゅうのまいを採用したより良い型を考案したかったですが、伝説二体環境とは異なりりゅうのまいの起点となる相手は少ないためチョッキでの採用がよかった気もします。とつげきチョッキ持ちのカイオーガが構築的にやや重いので、それに勝てる点が優れていました。


【基本選出/立ち回り】

〇ネクロズマ→イベルタル→ザシアン
一番基本的な選出で、ザシイベオーガ地面@2のような構築には積極的に通していきます。イベルネクロに比較的強いゼクロム入りの構築も、ネクロズマのがんせきふうじを当てていったりイベルタルを先に展開すればジェット→おいかぜで相手のゼクロムにザシアンが上を取られることはないため、この選出で安定していました。

きあいのタスキで耐えてHPが1になったネクロズマが相手のゼクロムのダイジェットの起点になると負けてしまうため、がんせきふうじを押し続けることが大事です。イベルタルには、後から展開してもおいかぜの分で有利を取れるため、ステルスロックを撒かれていても後発で困りませんでした。相手もおいかぜを採用していた場合だけターン管理が難しくなりますが、最終的にザシアンが速いほうが勝ちます。

〇ネクロズマ→ジガルデ→ザシアン
相手の構築にネクロズマホウオウがいてゼルネアスいない場合、優先的に選出します。ルギアが入っている場合には優先度がさらに上がります。りゅうのまいととぐろをまくを両採用したジガルデに強いポケモンはダイマックス権を残したイベルタルかカイオーガぐらいで、それらにネクロズマで麻痺を入れて4回に1回程度きちんと痺れたら勝てます。

〇ネクロズマ→レシラム→ザシアン
相手の構築にネクロズマホウオウのどちらかとゼルネアス一緒に採用されていた場合、選出を検討します。対戦したゼルネアスはほとんどがHBベースでイベルタルやジガルデでは勝ちづらいですが、物理型のチョッキレシラムであれば+2ドレインキッスの被ダメージを抑えられることと晴れ下で高い打点を出せることから微有利になり、ザシアンと合わせて比較的楽に戦えます。

〇ネクロズマ→バドレックス→ザシアン
イベルタルが採用されていない構築でネクロズマがいて、かつレシラムやジガルデが出しづらいと感じた場合に選出します。そういった構築はほとんどがホウオウを採用していますが、とつげきチョッキ持ちの場合はステルスロックと合わせることで、あつぞこブーツ持ちの場合は上手くくろのいななきを発動させることで撃ち合うことができますが、キツい寄りです。


【重いポケモン】

・Bの上がるジガルデ、グラードン、ランドロス
上記のポケモンにはジガルデで撃ち合い、運のいいほうが勝ちます。最速でみがわりを楯にできる分、ジガルデとランドロスはマシですがグラードンはジガルデを意識していることが多く確率勝負に持ち込めないこともありますし、起点作成だと思って甘えた選出をして負けることも多く、一番、相手のプラン通りの勝ち方を通させてしまいました。

・ディアルガ
初手のネクロズマがダイアースの起点になった場合、正面から突破できるポケモンがいなくなります。この構築の明確な欠陥でした。対処としては、ダイマックスを枯らしてからイベルタルのダイアークで処理する、ダイアースを積ませないように読んでイベルタルを投げるなどがありますが、起点作成型のディアルガのパターンがそこそこあり、嫌でした。最終日昼に試運転をした、それまで一度も見たことがないがんせきふうじ/てっていこうせん/ステルスロック/でんじは型の襷ディアルガを最終日夜に二度見ることになり、敗北をプレゼントされました。シンクロニシティ。


【おわりに】

自分は“構築記事”という文化が好きなので、ポケットモンスター スカーレット・バイオレットが発売されても、変わらずに残ってくれればいいなと思います。ぽけっとふぁんくしょん、くれ。

*表記ゆれの一部は改行の都合などによるもの
*構築の根幹部分のおいかぜイベルタルはあゆみんchから提供
*検討していたジラーチの型は下記
おくびょうCS252@襷 てっていこうせん/こごえるかぜ/ステロ/でんじは
*検討していたディアルガの型は下記
せっかちAS252@襷 てっていこうせん/がんせきふうじ/ステロ/でんじは

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