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お絵描きツールの二値とアンチエイリアス

ポッドキャスト「アシカガCAST」第751回の要約記事です。

アンチエイリアスかかってない二値のブラシ

iPadのお絵かきアプリProcreateで、アンチエイリアスのかかっていない二値のブラシが欲しいというケースがありました。標準のブラシにはそのようなものがなく、ブラシのカスタマイズでアンチエイリアスを切ろうとしましたが、設定方法がわかりませんでした。

ネットで探して「コミック用2値ペンブラシセット」という無料配布のブラシを見つけ、それを使わせてもらいました。このことをX(Twitter)に投稿したんですが、「二値」や「アンチエイリアス」という言葉の説明は少ない文字数では難しいと感じ、あえて説明しませんでした。

白黒二値とはグレースケールではなく白か黒

二値とは、簡単に言うと白か黒かの2つの値しかないことを指します。Photoshopには「モノクロ二階調」というカラーモードがあり、これが二値と同じ意味です。

「白黒」という言葉は、二値とグレースケールのどちらにも使われるため、デザインの文脈では紛らわしい言葉だと思います。例えば、白黒テレビは二値ではなくグレースケールで、黒にも階調があります。

アンチエイリアスとは

アンチエイリアスとは、パソコンなどで文字や図形を表示する際に、滑らかに見えるように曲線などをぼかす処理のことです。二値で曲線を表現すると、ドットのギザギザ感が目立ってしまいます。そこで、グレーの濃淡を使って滑らかに見えるように補正するのがアンチエイリアスです。

昔のパソコンやワープロでは、文字などの画面表示にアンチエイリアスがかかっていない状態でした。ディスプレイの解像度や処理能力の制約があったこともその理由でしょう。

漫画を印刷する場合は基本二値で

漫画を印刷する際、特に同人誌などでは、表紙はカラーでも中身はモノクロというケースが多いです。これは黒一色のインクで印刷され、濃淡はつけないので、印刷データは白黒二値で作るのが基本とされています。

アンチエイリアスがかかったグレーを含むデータだと、二値化する際にエッジがぼやけてしまう恐れがあるためです。漫画では、階調を表現するために網点のスクリーントーンなどを使用します。

■以下の記事の「解像度」のところが参考になります。
Photoshopを使用する際の注意事項|同人誌印刷 株式会社ホープツーワン

今の印刷ではそこまで気にしなくても大丈夫

最近、漫画の入稿データを手伝った際、二値とグレースケールが混在したファイルがありました。アンチエイリアスがかかったトーンや文字があり、私は気になりましたが、結局そのまま入稿することにしました。

トーンを使う場合には印刷用途ではアンチエイリアスをかけません
このようにトーンにアンチエイリアスがかかっていると印刷時に問題が起きる心配があります

しかし、出来上がりを見ると、懸念していた違いは全く気になりませんでした。今の同人誌印刷では白黒入稿とグレースケール入稿があるのですが、白黒入稿しています。解像度は600dpiだったのですが、特に問題ありませんでした。

なお、解像度は一般的に白黒二値で1200dpi、グレースケールで600dpi、カラーなら300〜350dpiが推奨されています。いまはスクリーントーンのような処理をしなくても、グレースケールで塗ったデータでもきれいに印刷できるそうです。

二値のブラシが欲しかった理由

私がProcreateで二値のブラシを使いたかった理由は、印刷とは関係ありません。二値の線画の方がきれいに色が入れられるからです。線画にアンチエイリアスがかかっていると、白地に馴染ませるための白っぽいグレーが残ってしまい、白い縁ができてしまうことがあります。

LINEスタンプのデータの仕上げ。ちなみに原画を描いたのはわたしではありません
アンチエイリアスのせい白っぽい縁が残ってしまった悪い例

なお、このLINEスタンプのイラストはドットっぽさをあえて残しています。二値の線画でも、本来なら最後に縮小した段階でアンチエイリアスがかかって馴染んだ画像になります。

ここで広告を。さきほどの画像は第2弾用のイラストなので含まれていませんが、LINEスタンプを販売中です。

キャラクターデザイン:井上・ヒサト(ハンギョドン、バッドばつ丸)
スタンプ原画:はらちえこ(るるる学園)
という豪華コラボレーションのLINEスタンプを、無名のわたしが仕上げています。


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