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燃やすものを探すには

焚き火のネタになる燃し木は、昨年末から一月にかけて剪定した小枝を使う。

でもそれはまだ乾いていない。

乾いていない枝は煙い、白い水蒸気がもくもくと上がって目が痛くなるし、服も髪も煙りにいぶされて、なんだか油っぽい燻製みたいな匂いになる。

それも悪くないけど、やっぱり綺麗に燃えて、自作のウッドガスストーブの空気穴から綺麗な二次燃焼の青い炎が上がるのが見たい。というかそのために焚き火やってるようなものなんだ。二次燃焼が綺麗に出るものを燃やしたい。

燃やすための枝や落ち葉がちょっとたらない…とか、まだ乾ききってない枝を気持ちよく燃やす熾きが足りない時に、勢い良く燃え始めるスターターにするには、よく乾いた広葉樹の小枝がいい。

今ならいっぱい拾える。強い風が吹いた翌日ならば特に。

公園の、大きな木の下に行く。公共施設でもよい。地面を見る。たいてい、風で折れた枝がたくさん落ちている。小さい枝は枯れて、ふとい大きな枝は去年の台風あたりで折れたものが、風に吹かれて引っかかった枝から落ちてくるのだ。いっぱい。

ケヤキとサクラあたりが植わっている公園が最高だ。拾いに行ける圏内には、これが植わってる公園がいくつもある。松や杉もよい。松ぼっくりも松葉もよく燃える。よく渇いた杉の葉なんか最高だ。

欲張ってどんどん拾っても問題ない。公園の枝を拾う人は子供くらいだ。というか拾うつもりなら紙のショップバックを持って行き、これがいっぱいになったら終わりにしよう、とか決めておくべきだろう。

物を拾うのはつまり採集をすることなんだな。やってるとどんどん楽しくなってきて、際限がなくなるのだ。

持って帰る手段が存分にてあるならいいが、そうでないなら加減を最初に決めないと危険である。

せっかく拾った小枝を置いていくのが非情に辛いのだ。我、小学生の男子か? でもいい棒はいい枝なのだ。よく燃えそうだし、まっすぐなので小割りしやすそうなのだ。

公演のヒノキ、図書館のサクラ、役場の松、アンダーパスの脇の松、ありがてえありがてえ。どうせみんなゴミだ。排水路に詰まる運命なんだから少し拾って燃やしたってバチはあたるまい。

でもそういうの乾いてるからすごいよく燃えるんだよね。

小割りすると綺麗に割れるのでバカスカストーブにくべてしまい、あっという間に終わっちゃうのだが。

持ち帰る時は紙の袋がよい。棒を拾うときはその場で小さく割って、バカスカ袋に入れていくといい。スーパーのポリエチレン袋は枝が突き破ってしまうのであまりよくない。拾い集めた枝、落としてしまうからね。

いっぱいになったら終わりにする。うちに持って帰って、乾かすためにカゴに入れてまた拾える時に拾いに行く。

ウッドガスストーブに投入してガンガン燃やすのは楽しい。ホント楽しい。最近は周りに植木鉢を乗せるワイヤーラックを置き、家にある鍋に湯を入れて菜っぱを茹でるのにハマっている。ただ燃やすのなんかもったいなくて。

だいたい一時間くらいで湯沸かし、茹で、水に晒して上げるまでが出来るし、灰が底に溜まって燃えにくくなる。燃やし終わったら冷めるまで置いていてもいいし、金属のバケツを逆さまにして伏せて酸欠にして炭にして、また燃やしてもいい。そのまま静かに放置しておけば灰になって嵩が滅茶苦茶減る。だいたい一割以下に減るかな。

我が家は春になったら夏に食べるための野菜を畑に目一杯作る。灰も炭も肥料になるし土壌改良が出来るので畑に入れるため、燃やしたものの処分については問題ない。というより、そのために燃やしてるのかもしれない。

何故かそんな風に枝を集めた物置に、裏の家の猫が寝ていることがあるのはご愛嬌。シュバッ!と音がするほどの速度で逃げられるけどね。

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