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南京留学日記

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大学時代、多感な21歳〜22歳を南京で過ごしました。当時の日記を少しずつ転載していきます。
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#中国語

もう騙されない

「不要」(いりません)もう絶対に騙されるまい。 上海から南京への列車の中で、ずっと考えていました。 これからは何か余計な接触がある前に、すかさず言おう。そう心に決め、頭の中で呪文のように唱えました。 ちなみに「不用(プゥヨン)」という言い方もありますが、「いらんわ」みたいなちょっとぶっきらぼうなニュアンスになります。 20時ごろ、南京に到着案の定、列車の出口には荷物運びのおじさんやお兄さんたちが降りる乗客に群がってきました。 「もう油断すまい」 初めて訪れた上海駅で痛い

未知なる南京へ——インターネット黎明期のサバイバル準備

2003年、インターネットがまだ黎明期で、情報の海は今ほど豊かではありませんでした。 私は大学の単位交換留学制度を利用し、9月からの約4ヶ月間を、江蘇省南京市の南京大学で学ぶことが決まっていました。でも、そこでの生活に関する情報はほとんど得る手段がない状況でした。 南京がどんな場所なのか? 持って行くべきものは何なのか? 手に入る情報は圧倒的に不足していました。 あちこちの書店を巡り、有益な情報を探し求めましたが、一番まともな情報源は『地球の歩き方』くらいで、その南京市の