長考か早打ちか問題。

ボードゲームしてたら絶対にぶつかる問題について,なるべく喧嘩にならないような立場から書きたいと思ってますが,どこかに角は立ちそうだな。とも思うので最初に断りを入れておきます。本記事は長考派・早打ち派,どちらに肩入れするつもりも,喧嘩を売るつもりもありません。単に,どちらかに寄るともう片方の意見って否定に聞こえる事もあるよね,って思いから少し書いてみようと思ったものです。何かしらの参考になれば幸いです。

■長考とは,早打ちとは

 長考も早打ちも,これを明確に定義するのは難しいと思っています。「卓の平均思考時間からのズレ」とかで定義しようにも,誰もが悩みようがない瞬間もあれば,誰もが悩まざるを得ない瞬間も,必ず訪れるからです。
のでここは統計の力も借りて,この記事における便宜上の定義をしていきます。参考にしたのは以下のサイトです。
【待ち時間のイライラタイム】日常生活のイライラタイム - シチズン意識調査 (citizen.co.jp)
 この調査によれば,エレベーターや信号などの待ち時間で不快に思うボーダーラインは約6割が「1分」,買い物の順番待ちで不快に思うボーダーラインは,スーパーを例にとればこれも約6割が「3分」くらいとなっています。ざっくり,「1分以内の待ち時間なら,待ち時間が短いほど不快に思う人は減っていく」し,「3分を超えると待ち時間の長さに不快感を覚える人が増加する」と言えそうです。ところで,これは「自分から見た待ち時間である」ことを忘れてはいけません。ボードゲームは複数人でする遊びですから,これらの待ち時間をプレイ人数で割った値が,手番毎の適正な思考時間と言えます。
 よってここでは,ゲーム全体を通じて「毎手番1分/PL人数以内に打つ事」早打ち「1手に3分/PL人数以上要する事」長考と定義します。3人戦なら20秒以内は早打ち,1分以上は長考という具合です。

■長考の頻発・偏りによる問題

 ボードゲームをしていると,どうしても発生しうる長考ですが,頻発すると同卓者のイライラへと繋がっていきます。全員が同じくらい長考する場合はお互い様と言い合って丸く収まりそうです。
しかし,長考が度重なったり,特定のPLに偏ったりした場合は少し事情が変わってきそうです。
 まず長考が度重なった場合ですが,これはPLが全員,度々長考するような状況です。この場合は皆段々と気持ちがダレてくると思います。後半は「長いな」「ルール間違ってるのでは?」と思いながらプレイする,お世辞にも幸せでない卓になりそうです。ただ,この場合イライラはゲームそのものに向くことが多く,他人への評価が変化することは殆どなさそうです。
 問題が起きそうなのは,長考するPLが偏った場合です。極端な話,思考時間が1:1:3 or moreになるようなケースですね。この場合は,ゲームの勝敗に関係なく長考するPLに外部的なヘイトが向きやすくなる可能性があります。上でも書いた「長いな」という感想が個人に向き,ゲームそのものではなく,そのPLの評価が下がってしまう可能性を否定しきれません。

■早打ちの偏りによる問題

 次に早打ちが多いとどうなのか,について考えてみます。まずは全員が早打ちの場合。このケースでは大きな問題は起きないと推測できます。評価軸が「待たせるとイライラする」という部分なので,当然みんな待たせなければイライラも生じません。ゲームが楽しく早く終わってベストに近いと思います。
 一方で,早打ちが特定のPLに偏った場合。まず例として思考時間が1:3:3とか,1:2:3となった場合を考えます。要は1人だけ早打ちの場合ですね。この場合はそれぞれの待ち時間は6:4:4(5:4:3)となるため,早打ちの人がイライラするかもしれません。次に上と同じように1:1:3となった場合です。ここではあくまで早打ちPLによる問題を考えます。この場合早打ちのPL2人がイライラする可能性は一人だけが早打ちの場合に比べて若干低めです。1ラウンド毎の個々人の待ち時間は4:4:2となるため,まあイライラしはじめくらいで手番が来ます。この場合相対的に思考時間が長いPLは自分の手番から次の手番がすぐに来るため,急かされている印象を持つかもしれません。

■もっと極端なケース

 例えば0.5:0.5:5みたいな偏りになったらどうでしょう。待ち時間は5.5:5.5:1です。こうなると長考している1人が手番を終えると,早打ちの2人がサクサクと自分の手番を終え,また長考PLの手番がやってくる構図となります。
 経験上,急かされていると思ってしまうと余計に考えが纏まらずに,所謂テンパった状態になってしまう事もあります。また,そんな状態で早打ちの2人に「ゆっくりで大丈夫ですよ」とか言われるともう…悪循環です。

■どうすればみんな楽しいのか

 ここまでの話から,
長考するのが1人だけだと個人にヘイトが向きやすくなる
早打ちが多いという側面からは急かしている印象を与える可能性がある
早打ちが1人の場合は,その人がイライラする可能性がある
というのが早打ちPLと長考PLが混在する卓における問題点として挙げられるんじゃないかと思います。
 では,これらの問題を解決してみんな楽しくプレイするにはどうすればいいのか。ざっくり分けて①棲み分け②歩み寄りの2パターンあると思いますので、それぞれについて書いていきます。

●棲み分け

 文字通り、長考しがちな人同士、早打ちな人同士で固まってそれぞれでゲームするパターンです。全員の思考時間に偏りが起きにくいので、不満も出にくくなると思います。ただ、長考PLだけで固まった場合、1日当たりのゲーム回数は減るので注意が必要です。

●歩み寄り

 全員の思考時間が均等くらいになる様に、お互い調整していく感じです。早打ちの人は気持ちじっくり目に、長考しやすい人は早く打つように気を付けてプレイしていく事で、結果的に時間はかかるけれどみんなイライラも焦りもせずにプレイできるんじゃないか、という方法です。

■おわりに

 今回の記事は、単純に「待ち時間」にだけ焦点を当てていますが、実際の卓におけるイライラの原因は待ち時間だけではありません。実際はプレイ中の態度、言動、プレイスタイルなどによってもヘイトやイライラは生じます。逆に、ゲーム中の態度が和やかだったり、みんなでアドバイスしあいながらなら、統計よりも長い待ち時間でもイライラしたりせず、楽しくプレイできますよね。
 勿論度が過ぎる長考は嫌われる傾向なのは間違いないですが、早ければ早い方が良いのか、というとそれもまた違う、と僕は思っています。本文中で触れたように、いずれの特徴も卓内の偏りがある場合は問題になる可能性があるという事です。

 人間関係次第では注意しあう事も出来ますが、難しい場合もあるので、
イライラする前に、自分が早すぎるのか、相手が遅すぎるのかを考えながら、少し余裕を持って待ったり、おススメの行動を考えるなどして、卓の雰囲気に気を配れるようにしたいですね。

では、みなさん良いゲームライフを。

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