ゲーム終了時の勝利点の考え方

こんにちは,今回はさっさと本題に入るとして,ゲーム終了時の勝利点に関する話です。
具体的には「〇点取って勝った発言」や「高得点を取る行為」に意味があるか,という内容になります。
当たり前に気づいている人には当たり前の話なので,特に読む内容はないと思います。笑

■広義の勝利点と勝利条件


ボードゲームには,何かしらの要素で勝敗を決めるものが多いと思います。
ゲームによってはお金だったり,何らかのリソースの量だったり,そのまま勝利点だったりしますが,このコラムではそれらの要素をまとめて勝利点と呼びます。

また,凡そのゲームでは「勝利点」が高いプレイヤーが勝者となります。
よって,本文でも「ゲーム終了時に勝利点を最も多く稼いだ人が勝ち」のゲームを取り扱い,その上で勝利点の多寡に関する意味合いについて書いていきます。

■ゲームの終了条件


勝利点の多寡の意味合いは,基本的にゲームの終了条件に依存します。
僕個人の考えとして,以下の順で勝利点高さに意味があります。

①規定ラウンド(手番)で終わるゲーム
②終了条件が満たされたら終わるゲーム
③誰かが終了条件を満たしたら終わるゲーム

番外編:誰かが規定点数に達したら終わるゲーム

まず②と③との差は書いておかないと混乱を招くと思うので,先に触れておきます。②はざっくり,どんなプレイングをしていてもゲーム終了が来るゲーム(テオティワカン,グレートウェスタントレイル等)で,③はそれが無いか,展開によってものすごく遅くなるゲーム(テラフォーミングマーズ,アークノヴァ,ドミニオン等)の事を指しています。分かり難くてすみません。

勿論,細かく分ければ②や③の派生として,終了条件が満たされた後に手番があるか無いか,といった違いはありますが,大きくは上の3+1パターンを考えれば良いと思っています。

■それぞれの終了条件における勝利点の意味


①規定ラウンド(手番)で終わるゲーム


このタイプのゲームが,最も(高い)勝利点を取ることに意味があります。簡単に言うと,「〇点取って勝った発言」の意味が大きいのもこのタイプのゲームです。
具体的にはアグリコラやオーディンの祝祭,ティーフェンタールの酒場などがこれに当たります。

この手のゲームでは,概ね全員が同じ条件から始まり,同じ手数を与えられて,文字通りの勝利点競争をします。手番順によって微妙に所持金などに傾斜が付くことはありますが,リプレイによって均一になる程度の差であることが大半だと思います。ワーカーの使い方如何で差は出ますが,そこも含めて以下の効率化の範疇と考えられます。
全員同じ手数で競うわけですから,1手ごとの効率が重要になり,手数を圧縮できる手段が重要になってきます。つまり,効率よく勝利点を稼ぐことがゲーム自体の勝利に直結していると言っても良いのが,この規定ラウンドで終わるタイプのゲームです。従って上記した通り「勝利点の高さに意味があるゲーム」です。

②終了条件が満たされたら終わるゲーム


このタイプでは,ある程度既定の手番数が決まっていて,ゲーム展開次第でそれが多少前後(大体は手数が減る方向)します。上でも書いた2つ(テオティワカンとグレートウェスタントレイル)は人数によっておおよそのラウンド数が決まっていて,プレイングによってそれが短くなるシステムだと思っています。

このタイプでも,①と同様に限られた手数の中で可能な限り勝利点を稼ぐことが重要になりますが,相違点は「限られた手数が何手なのか分からない」という事です。一方で自分だけに効率の良い手を打ちつ,ゲームを加速させることもできるのがこのタイプの特徴です。
したがって,ゆっくり進行して高得点ゲームになることもあれば,高速展開となって全体的に点数が低めになることもあります。そのため,勝利点の高さそれ自体の価値は,①のタイプよりもやや低めだと考えています。

③誰かが終了条件を満たしたら終わるゲーム


広義に言えば②に含まれるタイプのゲームですが,ここでは敢えて別のタイプとして書いています(GWTは特に,フラグを切るのはPLであるので,③とも言える)。このタイプのゲームは展開によって本当にサクッと終わったり,逆にとんでもなく長引いたりします。

テラフォーミングマーズなら,3つのグローバルパラメータが上がり切ったらゲーム終了フラグとなりますが,手元に毎世代4,5点稼げる手段があったらどうでしょう,内政を固めてゲームを引き延ばすと思いませんか?同様の事がアークノヴァやドミニオンでも起こり得ます(渡りの記憶+野生復帰,ゴールデンデッキ等)。そうなるとゲームは異常に長引くこととなり,本来の勝利点の意味合いからは少しズレてしまうわけです。よって,勝利点の高さに大きな意味はないゲームと言えます
上のゲームの中でアークノヴァだけは,どう引き延ばしても稼げる点数に限界がありそうですが,アークノヴァはまた別の理由で勝利点の高さに意味がないゲームでもあります(この辺は余談で)。

要はPLの動き次第でゲーム終了タイミングも,稼げる点数も変わってしまうので参考にならない。というのが正直なところです。
蛇足ですが,②と③に共通する特徴として「勝ってる時はゲームを終わらせて良い」と言うのがあります。逆転困難なレベルで勝っていて,ゲーム終了タイミングを自分で握れるのであれば,低得点であろうと勝ちは勝ち。フラグを引きましょう。

■番外編:誰かが規定点数に達したら終わるゲーム


具体的にはカタン,DUNE‐インぺリウム‐,宝石の煌きなどがこれに当たります。

終了フラグ性のゲームの中では比較的勝利点が視覚化されているタイプでもあるので,お互いに「誰が何点持っているか」を確認しながら進行していくのがこのタイプの特徴と言えるでしょう。
このタイプのゲームでは1手番で稼げる勝利点が精々2,3点であることも珍しくなく,最終的な勝利点の差もその範囲に収まることが大半だと思います。
したがって余程通常のゲームから外れるような点数(カタンで13点とか)でない限り「〇点で勝った」という発言は大きな意味を持ちません。
1点ごとの比重が大きく,1勝の重さも大きいのがこのタイプのゲームだと思います。

■余談:アークノヴァの勝利点って本当に意味ないの?


展開によって長引くゲーミングであるところのアークノヴァ君ですが,特徴として「終了フラグ引いた人が圧倒的に有利」と言うのがあります。ゲームの終了条件が「進む速さの違う2つの勝利点が交差した時」であり,その後残りのPLが1手番やって終わりなので,全員が均衡している状態であれば別ですが,上手く先行したPLが逃げ切ることの方が多いと感じていいます。勿論その後の引きに依存するので,すべてのゲームがそうではありませんが。

とまあ上記した特徴のため,フラグを引いた人は確実に+勝利点で終われるものの,他のPLは残り1手番で+に持っていくか,或いは逆転を狙わなければなりません。10戦以上遊んだ経験から言っても,フラグを引いて負けることはそう多くないゲームです。となると,アークノヴァ君は「番外編」のゲーム達に近い特徴も併せ持ったゲームとも言えます。

■まとめ


長々と書いてきましたが,一口に勝利点と言ってもゲームによって1点の重さは区々です。したがって,勝った時の点数が何点かにはそこまで意味がない場合もあったりします。同じゲームをやっても完全に同じ展開はあり得ない以上,スコアアタックには然したる意味はありません。

なので,この〇点は自慢できる〇点なのか,参考としての〇点なのか,そんなことを思いながらゲーム…する必要はありません!

勝った!やった!で良いんです。笑

強いて言えば,テラフォーミングマーズであれば何世代で終わったのか,ドミニオンであれば特殊勝利点場だったかどうかなど,参考になる情報を添えるとスマートだと思います。
それでは皆さん,良いゲームライフを。

再見。

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