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CPanel、プレキャストコンクリートの需要拡大を見込む

MAI上場のプレキャストコンクリート生産企業、CPanelによると、プレキャストコンクリート産業はいくつかの要因により成長が期待されている。新政府の2027年までに最低賃金を600バーツに引き上げる計画は、中長期的には産業にとって好ましい要因と考えられる。上昇する労働コストを抑えるために、開発業者がプレキャストコンクリートに転換することが予想され、労働不足の解決にも繋がる可能性がある。

アシュトン・アソーク事件は、建築規制に違反したために建設許可が撤回されたコンドミニアムの事例であり、コンドミニアム開発プロセスに影響を与えると予想されている。コンドミニアムプロジェクトに対する環境影響評価(EIA)の承認取得は、すでに困難な状況にあるが、アシュトン・アソーク事件は、EIA報告の承認プロセスをより長くする可能性がある。このリスクを軽減し、建設を加速するために、開発業者はプレキャストコンクリートを選択する傾向が高まると考えられる。

プレキャストコンクリートの需要を押し上げる要因には、上昇する利子率があり、開発業者はキャッシュフローを維持するために在庫を減らし、建設を加速する必要がある。またCPanel社は、開発業社より8000万バーツ以上の価格が設定された一軒家に使用されるプレキャストコンクリートについての見積りが増えたことを受け、プレキャストコンクリートの使用が高級物件でも定着してきていると分析する。

CPanel Public Company Limited (CPANEL)
総売上:4億3398万バーツ
純利益:6794万バーツ
2022年末

出典:Bangkok Post, CPanel sees prospects for precast concrete

記事の解説

MIA上場企業であるCPanelは、プレキャストコンクリートの需要が拡大すると見込んでいる。まずプレキャストコンクリートとは、事前に形作ったコンクリートのことを指す。現場で生コンクリートから形を作る必要がないため、大幅に現場での工事時間を減らすことが可能である。
2023年7月、アシュトン・アソークという日本人も多く入居する高級コンドミニアムの違法建築が大々的にニュースに取り上げられた。業界ではそれ以降、建設許可取得の審査が厳しくなると言われている。特に昨今は、タイ政府も環境問題に大きな関心を寄せている。そこで環境影響評価(EIA)をより確実にクリアするために、工事期間を短くする戦略をデベロッパーは取ると予想されている。その工期短縮をプレキャストコンクリートが担う。


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