2021年 高松宮記念 軸馬選定考察メモ 3/28

中京1,200m


コース形態:

スタートは緩やかな上り坂となるが、100m程進むと下り坂に入る。下り坂のまま急コーナーに侵入し、コーナーはスパイラルカーブとなっているため直線入り口で馬群がバラけやすい。412.5mの直線には傾斜角の大きい急坂が待ち構えており、スピード一辺倒の競馬にはなりにくい。

適性考察:

昨年繰上げ1着馬の逃げ馬モズスーパーフレアが展開を作る可能性が高い。速いペースで引っ張る逃げ馬なので、急坂のある直線でもしっかり伸び切る持続力とパワーが要求される。A→Bコース変わりになるので前目の先行馬に最近は良績が集まるが、今年は変則開催の影響もありそうで、馬場の伸びどころ確認が必要。時計のかかる馬場でも問題がなく、尚且つ500kg前後の馬格がある持続的な脚を使える馬を狙いたい。

⭐︎レシステンシア 浜中?

阪急杯1着。1,400mの流れにきっちり対応した一戦で、前半3F34.0で先頭に立ち、速い流れをキープしたまま後続を寄せ付けず1着。勝ち時計1.19.2はレコード勝利で、2.3着のオープン特別級の馬も速い時計が出ていることから過大評価はできないが、1,200mまでのタイムは1.07.4と並のスプリンター以上の適性は示した。血統はダイワメジャー×デインヒル系で、パワー型のスピードで押しながら持続力で粘り切る、起伏ない一本調子のラップがいかにも合いそう。騎手は浜中に変更と噂だが、テン乗りでも結果が出ているタイプでスタイルが確立されている分乗りやすいのかもしれない。今回モズスーパーフレアがいて2番手に収まってしまいそうではあるが、同じ快速で飛ばすタイプの逃げ馬なので、桜花賞でのスマイルカナの2番手の様に、集中して自分のレースができれば専門性の強いスプリントG1でも通用する器は持っているはず。とは言え初距離であるしまだまだ注文も付くため不動の軸とは言い難い。馬場傾向を確認してから。重馬場は桜花賞の実績面と血統面の裏付けからも相対的にプラス評価で見る。

⭐︎ダノンスマッシュ 川田

香港スプリント1着。前半の速い流れを中団で見ながら、少しずつ垂れてきた先団を外目から徐々に交わして勝利。香港は芝丈が長い洋芝のような重たい芝と言われており、前がしんどくなりやすい展開で中団からじわじわ伸びるというレースはこの馬にとってはベストな内容だったのだろう。速い逃げ馬がレースを引っ張る展開には元々強く、モズが逃げたスプリンターズS2着(前半3F32.8)や変則で中京開催となった昨年のセントウルS1着(1着前半3F33.0)でも結果を出している。逃げ馬が揃ったここはHペースの想定で問題ないと思われるので、実績からも適性は高い。血統面は父キンカメ系統ロードカナロア母父ダンチヒ系で重馬場も苦にしないパワースピード要素の濃い血統構成。ちなみに昨年の高松宮記念重馬場はスタート直後の躓きからくるアクシデントなので問題視しない。人的要素はスプリンター名門安田厩舎にダノン-川田のラインで、ダノンファンタジーでなくこちらに川田が乗るという事は、まずそういう事なのだろう。6歳となりピークアウトの時期に入ってきそうなここは、国内G1奪取のラストチャンスになるとも思うので、Hペース適性からくる広い好走レンジと人的要素の采配を考慮して現状は本命候補として考えたい。

⭐︎インディチャンプ 福永

阪急杯4着。この馬に関しては仮説を展開したい。速い流れの中でも一瞬のキレを使えるというのがこの馬の最大の武器で、前哨戦で取りこぼしがちなのは、前哨戦特有の緩い流れが起因すると見ている。因って激流となりやすい本番でパフォーマンスを上げるという事に繋がり、ノーザンファーム系で外厩もバッチリ使われている馬という事からも世間で言われる叩き良化型のイメージとは少しズレているのではないかと思う。この仮説を当てはめてみると、前走レースの阪急杯はレシステンシアが作り出した速いラップから中団の団子集団を外に回しながら追走し、直線でキレを発揮して4着というベストなレース展開で高パフォーマンスを発揮した。それでも、2.3着の格下馬に先着を許したという事は短距離の適性としてはここまで、という事が言えるのではないだろうか。父ステイゴールド産駒のスプリント重賞実績も0-0-0-14、母系のトキオリアリティ一族が短距離スプリンター向きという事を考えても初距離となるスプリントG1で人気で買うには血統面からも向かないと判断。あとは人的要素が怖いだけで、シルク-ノーザンに実績のある音無厩舎。更に中京競馬場で無類の強さを発揮する福永と非常に魅力的。とは言え、上記の適性的側面を考えると人気で買うより消して妙味、を狙うが面白い。


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