アセンド経営日記第21回(2024年1月末)
今月も経営日記を公開します。採用候補者の方から、取引先や業界関係者の方まで、予想以上に多くの方にお読み頂いているようでしたので、継続できるよう頑張ります。なお、一番頂くコメントはランニング(と私が瘦せたことの関係)についてですので、この点は理論的且つ実践的な書として別途執筆するのでご期待ください(何のアカウントだって感じですが)。
「スタートアップの経営者は、日中は忙しく働き、夜は家族で夕食をとり、家族が寝静まった深夜にまた仕事をする」。こういった趣旨のエッセイをポール・グレアムか誰かが書いていた気がしますが、私のとても好きな文章の一つです。家族とゆっくり過ごした日曜日の深夜に、走り切った1か月間を総括し、経営日記に落とし込むこの時間は、忙しい日々の経験を無駄にしない大切なリズムになっています。
今月の総括
今月はとても充実した一か月でした。特に採用活動を本格化とその裏側で平仄をとるために同時並行で実施した人事制度の改定(等級制度と評価制度)や、新年の業界交流会。採用した人材と本格化させていく、予算の新規策定や新規事業の検討など、重めのボールも矢継ぎ早に動き出す一か月でした。
忙しいからこそ強度を上げること
今月も忙しかったからこそ意識したのは、負荷を分散するのではなく、「一つ一つのアクションの強度を引き上げること」。忙しいならば一層もっと負荷を上げる、そうすると却って全体のパフォーマンスが向上する、逆説的な真理だと思います。これが如実に出るのがランニングであり、面白いことに、今月の方がどう考えても忙しかったはずなのに、アクション数ではなく距離・スピードが圧倒的に向上しています。
上の話は私の尊敬する経営者からお伺いしたお話です。事業以上に、人間的にも卓越したその人は、「今までは緩かった。ギアを上げてみると以外にできるし、大切なことは止まらないこと」とアドバイスを頂きました。ひたすら休みなく頑張れという話ではなく、緩めても良いけど止めないこと、その上で、できるときに強度をあげていくと、総合的にこなせる総量は上がっていくという話だと理解しています。事業も身体も同じ。止まらずに、少しずつ強度を上げ、長い時間軸で続けていきます。
ハードワークという価値観について
「ハードワーク」は私が大切にしている価値観の一つです。しかしそれは狭義の業務をたくさん行うという意味ではなく、「仕事=やるべきこと」をやり続けるという意味においての「仕事」の話です。スタートアップの経営者は忙しいと言われがちですが、個人的にはめちゃくちゃ違和感があります。
高校生の頃は予備校代から大学受験の費用まで自分でアルバイトして稼いでいました。浪人時代は新聞奨学生という制度を利用し朝夕新聞を配達をしながら受験勉強をしました。大学時代は親の仕送りがなかっためアルバイトで学費を稼ぎながら大学院まで修了しました。1社目のPwCではPPTすら触ったことのない中でサプライチェーンの実務をたくさん学ばせて頂きました。2社目のNRIでは英語も全くできないのに複数の国際プロジェクトを経験させて頂き、今に繋がる物流の政策案件に携わらせて頂きました。
その時その時で出来ることに対して全力を尽くしてきたため、特に今になって忙しくなった感覚はありません。経営者になってから変わった点は、仕事の性質と、正々堂々?ハードワークできるようになったくらいです。私の略歴については下記のインタビューに詳しいです。
私が言っている仕事とは、「やるべきこと」であり、それは業務でもあり、課外活動でもあり、読書でもあり、子育ても含む、「仕事」についてです。自分のミッションに紐づくものは、全てやるべきことであり、安易な自己正当化を避けつつ、然るべきことに然るべき時間をかけ続けること。だからこそ、仕事をして子育てをしないことが正当化される理由は全くないわけです。逆も然り。家庭が忙しいからと言って仕事をしないことが許されるわけでもないということです。(自戒を込めて)仕事もやり、子育てもやり、本も読み続けたい、そんな「アンドの才能」を持てる人間でありたいと思っています。
採用活動で気付かされるアセンドのバリュー
有難いことに今月は多くの方にお時間を頂き、たくさんのお話をさせて頂きました。お時間を頂きました皆さま、貴重なお時間を頂き、本当にありがとうございました。
候補者の方からは共通して「熱量の高さ(≒気合い)」について言及して頂く事が多かったです。業界の解像度、組織投資への想いとそれが具体化された制度、私自身のキャリア等、熱量を感じて頂いた具体的な内容はまちまちですが、想いを込めてこの仕事をしていることは、共通してお伝えできているようです。
私自身、この情熱の伝導率が高い方の方が、その後の選考も通過している率が高いような気がしており、スタートアップ初期における「直観」や「カルチャーマッチ」の重要性を再認識しています。採用活動を通じて、自社のバリュー(アセンド道)に気付かされる、貴重な経験でした。採用観点でアセンド道を言い換えると下記のような内容でしょうか。
アセンド(成長)し続ける意欲と覚悟があるかどうか。高い情熱と強い自律性を持って仕事に取り組める人材か。(人間的成長)
組織を愛せるかどうか。個人の成果以上に組織の成果を追求し、そのために必要な行動を自然と起こせる人材か。(組織追求)
情熱と論理の両方を兼ね備えた人材になれるか。特に論理を尊ぶ姿勢と、代えがたい情熱の源泉をもった人材か。(意図込め)
進捗確認
今月の目標は下記の通り。赤裸々に公開しますねとコメントも頂いたのですが、それは、個人的には戦略というものは、本当の核心部以外はほぼ誤差であり、それ以上に、立てた戦略や予算をやり切るエグゼキューション力に戦略の核心があると考えるからです。やるべきことを粛々と、倦まず弛まずやり続けていきます。
事業・組織・財務
ロジックス・新規事業ともにサプライズなく順調でした。特に新規事業では再来週からのアメリカ調査のプレサーベイを実施し、日本の物流環境を相対化しながら本質を考える素晴らしい時間でした。ご協力頂いているGCPの谷本さん、本当にありがとうございます。
組織面はとにかく採用。先月気合を入れて実施した採用広報企画の"ASCEND Stories"が如実に効果を発揮し、熱量を高めた状態で面談に臨むことができています。あの企画は大変でしたが、インタビューから執筆・写真選定に入稿まで、自分でやり切ってよかったと振り返っています。
財務面は、予算策定において先月大きく反省しました。事業の核心を突き、戦略から戦術・実行までを貫く骨太な戦略が不在であること、会議体や会議でのアジェンダ設定まで含め、全面的にやり直しをかけている最中です。大きな志を反映した予算をつくり切ります。
知性・身体・家庭
知性は反省が多かったですが、勉強会やNoteの執筆など、最低限の仕事は出来たかと。やる時間がないのは一生変わらないと思うので、来月は強度を上げて無理くり突破したい。
身体は順調。人生二回目のハーフマラソンでは95分41秒(4分29秒/km)という自分でもビックリする好タイムで走り切ることができました。来月は出張続きでどこまで走る時間を確保できるか分かりませんが、アメリカでもしっかり走って現地を体感できるように努めます。
家庭は順調だったけど反省すべきイベントもありました。日々のお迎えやお風呂、週末のお出かけなどはしっかりやり切れました。しかし、平日は夜の会食が続き、寝かしつけは妻に一任する日々が続いていました。月末の朝、妻が急に大泣きする時がありました。下の子が体調崩し気味で夜泣きするため睡眠不足が続く中、上の子が朝からぐずってご飯を食べずに騒ぐことに、いっぱいいっぱいになった瞬間だったのだと思います。こういう瞬間を見逃さず、巻き返しを図りたいです。来月は食育改善と寝かしつけをテーマに頑張ります。
来月も気合を入れて走り抜けていきましょう!アセンド!!
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