本の表紙の著作権

動画投稿サイトにおける、ゲームのプレイ動画が著作権違反であることは有名だと思います。現在は各ゲームソフトの会社や団体がYouTubeでの動画投稿ガイドラインを公表するなどしており、合法的に動画投稿サイトでゲームのプレイ動画を使えるようになりました。
ところで、じゃあSNSやブログでよく見かける本の表紙やページの写真は著作権的に大丈夫なのかと気になりますよね。というわけで、調べてみました。

ではさっそく結果ですが、
「法的には複製権と公衆送信権(送信可能化権)の侵害」1)
ということがわかりました。

1)“”好きな本の写真をSNS投稿「立派な営業妨害」と賛否も 法的には?. livedoor NEWS. 2018年9月16日. https://news.livedoor.com/lite/article_detail/15312828/, (2022年7月18日参照)

つまり、法律違反というわけですが、個人ブログやSNSが訴えられたという話はまず聞きません。最初に書いた動画投稿サイトの件におけるゲームソフト会社もそうですが、出版社もSNSやブログでの投稿はむしろ宣伝効果があり、また個人個人を訴えていたらキリがないなどの理由から黙認しているのだと思います。

しかし実際に、出版社のホームページを見てみると、
ポプラ社の場合、
Q.「個人やボランティア団体のサイトやブログに表紙画像を掲載したい。」
A.「基本的にお断りしております。」
(ポプラ社「著作物の利用について」,<https://www.poplar.co.jp/copyright/>,(2022年7月18日参照))

集英社の場合、
Q.「集英社の出版物の表紙やカバー、中ページの絵柄や文章、漫画のコマ等を使いたい」
A.「個人の方に対して、利用許諾は行っておりません。」そして、「無断で以下のような行為をすることは禁じられています。」例えば、「出版物の表紙やカバー・文章・漫画その他イラスト等の絵柄・写真・キャラクター等の全部または一部を(省略)SNS・動画などを通じてインターネット上に掲載すること。」
(集英社「お問い合わせ」,<https://faq.shueisha.co.jp/faq/show/27?category_id=8&site_domain=default>,(2022年18日参照))

というわけで、原則SNSなどでの利用は認めていないことがわかりました。ただ、他の出版社では認めているところがあるかもしれませんから、SNSなどで本の表紙を使おうと思ったら、出版社のホームページを確認することをおすすめします。

しかしやはり本の表紙画像を使いたいという人は、
1.Amazonなどの商品リンクを利用する
2.Twitterなどの投稿を埋め込む
3.版元ドットコムなどの書影を使う
という方法があります。3番の版元ドットコムの利用については、公式サイトの利用案内<https://www.hanmoto.com/about_bookdata>をご覧ください。他に似たようなサイトがあるようですから、探してみると良いかもしれません。

ちなみに、フリマサイトやアプリでの商品写真は、著作権法上の「(美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等)第四十七条の二」により可能と思われます。

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