ポケットのない服が嫌いだ

 ポケットのない服が嫌いだ。だって、スマホや定期を入れる場所がない。いつだって所定の位置に物を入れておかないとなくしてしまう私にとって、ポケットは多ければ多いほどいい。

 私が高校生だった頃、制服のポケットは4つくらいあった。でっかいリュックサックの中になんでも詰め込めた。だけど、今はそんなことはできない。

「ポケットにそんなにものを入れちゃって。それに鞄パンパンなの、みっともないよ」

 昔からハンケチを持っている子は女子力が高いなどと洗脳されていて、トイレで乾燥機を使わずハンケチで手を拭いていると、「汚いから乾燥機使いな」と言われる。女子力は大抵細菌まみれであるのだと気付かされた。

 美人は鞄が小さいというけれど、生理用品とかどうしてるんだろう。出先で買うのかな。ティッシュは? ハンケチは? 化粧ポーチは?

 そんな細いからだで、小さな鞄で、どこへ行くんだい。どこにも行けないだろう?

 荷物が多いってことはどこへだって行けるってことだ。いつの日からか鞄に入れていた折り畳み傘は、天気予報を見ない私にとっては神様みたいなものだ。私のリュックサックの中からはたまにゴミも出てくる。不潔だ不潔だ、と言われようと、何も持ってないよりかはましだと思うの。忘れ物もないし、絆創膏も入ってるし。

 てか、明日期末試験なのに何にもしてないや。まあ、いっか。再試験受けますね。

 


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