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上手に歩けない



昔、友達がこんなことを言っていた。 
「歩き方で、運動神経が良いか悪いかはだいたい分かる」 

地元の草野球チームの練習だか試合だかが終わって、一服している時の思い出なので、僕がそれをそれを聞いたのは大人になってからだ。 

なぜそれをオレに言う?(笑) 
と思いながらも納得。 

まあ、そう言うことか。 
自分なんかは運動神経が悪いのがバレバレなんだろうなぁ。 

と思い、ジュースを飲みながら、汗のにじむ夏の空の下、 吉岡のグランドで、道行く人を眺めていた。 

それから10年以上たった今でも、よくその時のことを思いだす。 確かにそうだ。 

例えば、包丁の使い方だったり、たった1フレーズの演奏だったり、 何でもないところに、その人がそれをどのぐらいできるのが現れたりする。 

と言うことは、自分も歩き方を矯正すれば少しはテニスも上手くなるのかな? 
とか考えながら、思い出す度に出来るだけ足を上げたり、姿勢を正したりしている。 

にしても、、 

歩き方がダメだ、って致命的じゃね?? 

魚でいったら、泳ぎ方がダメな魚ってことだし。 
自分はこんなに日常的な動作が上手く出来ていないのかぁ。と少しがっかりもする。 

それでも人間は、歩く他にも、しゃべったり、書いたり、歌ったりする。 

「あるきかたがただしくない」と言う本を書いたのは枡野浩一さんだ。 
友達が言っていたことと合わせて、僕はこの本のタイトルを本当に良く思い出す。 

今は正しく歩けているのかなぁ。とか、 
これは正しい歩き方なのだろうか?とか、 

いつの間にか考えは、歩き方から離れて、 日常的な習慣から、生き方のことまでに及んでいたりする。 

運動神経の悪い僕には、たまたま歩き方だった。 

例えばそれは、上手にしゃべれない。とか 上手に笑えない。とか 

人それぞれかもしれない。 

そして僕は今でも、上手く歩けるようになれば、運動神経がもう少し良くなると信じている。

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