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サポーズでの10年

10年前の今日、2010年12月6日、僕はサポーズに入社した。
すなわち、サポーズで働き始めて今日で丸10年が経過したことになる。

10年と言うとだいぶ長いようにも思うが、感覚としてはあっという間の10年だったように感じる。

正直な話、10年も事務所で働くなんて、当時の自分は考えていなかったし、3年、長くても5年くらいかなと漠然と考えていた。
そんな自分が、なぜ10年もこのサポーズという事務所で仕事ができているのかということを、今までを簡単に振り返りながら、書いてみようと思う。

仕事に限らず、長く何かを続けていくためには、「刺激」があるかどうかが重要な気がするが、サポーズという事務所には「刺激」しかなかった。
だんだんとその刺激にも慣れてはくるが、飽きずに10年働くには十分な刺激があった。

「刺激」と漠然とした表現をしたが、僕がサポーズで仕事をしている中で感じる刺激とは、「成功と失敗の体験」だと思う。

サポーズにいると、ボス含め先輩も後輩もデザインに対しては本当にフラットに意見を言えるし、デザインの方向性が社内で決まれば、あとはほとんどのことをスタッフに任せてくれる。トップダウンで言われたことをやるだけではなく、ある程度のことを任されるとやっぱり嬉しいしやる気が出るのだが、任されるということは、様々なタイミングで自分自身で判断していく必要と、その判断に対する責任が生じる。
材料を決めたり、寸法を決めるといったことも、全てではないが自分が決めていくことになり、つくっているものがインテリアでなく建築となると、一度決めたものは何十年も残る。

そう考えると、1つひとつの決断が恐怖でしか無くなってくる。

サポーズに入社して最初に担当した物件でも、ボスや先輩のスタッフに相談はできても、ほとんどのことは自分が決めなければならなかった。当時は新人だったので、性能に関わる部分や本当に重要な部分はボスと一緒に決めていたが、それでも新人にしては多くのことを任せてもらっていたように思う。その重圧が当時はとにかく辛かった。

残念ながら、全ての判断が正解というわけにはいかず、こうしておけば良かったと思うところも多々あるが、成功した部分ももちろんあるわけで、その成功と失敗の1つひとつが自分の判断の結果として見えてくることが、怖くもあるがとにかく楽しい。
そして、そういった成功と失敗の混ざりあった建物を喜んでくれるお施主さんがいることが、何よりの仕事のやりがいになっていて、次はもっといいものを作りたいと思い続けて今に至るのである。

何かを決めるということは、とてもエネルギーを使うし辛いが、決めさせてくれる環境は刺激に満ち溢れていると思うし、色々なことを任せて、決めさせてくれたサポーズに感謝している。

自分で何かを決めないことには、成功も失敗も無いのだから、成功体験が1つでも多くなるように、失敗を恐れずにこれからも頑張りたいと思う。

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