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アンジュルムというパレード。「愛すべきべきHuman Life」

リリース情報から話題騒然のこの曲。
いつか来るだろうという予測はされていたが、このスピードまでは予測されていなかったと思う。

「アンジュルムが現れました!!」
「アンジュルムがいる……!! 」
「アンジュルムがいましたー-!!」

去年、ヲタクルム界隈に驚きと共に颯爽と登場した堂島孝平さん。
その堂島さんによる作詞作曲「愛すべきべきHuman Life」は、あまりに深く、繊細で、鮮やか。そしてMVもまたカラフルでポップでHAPPYな、現在の「アンジュルム」であふれている。

新曲3曲のうち、先に公開されたMVについては感想記事を上げたものの、この「愛すべきべきHuman Life」通称「べきべき」に関してはなかなか記事を書けなかった。その理由は、楽曲に触れるのかMVに触れるのか、自分の中で軸が決まらなかったから。

それだけ語れる部分が多い。というより、語るとこしかない!!
この時点で恐るべし楽曲なのである。

まぁ、まずは聴いて見てくださいな。


鮮烈な「はじめまして」


アンジュルムはメンバーがそれぞれ個性的と評される。
けれど今までメンバー紹介ソングというものは存在しなかった。

そうしてリリースされた「愛すべきべきHuman Life」
歌詞を読んで聴けば「アンジュルムとは?」へのアンサーとなり、「and you?」でいきなりボールがこちらへ投げられる。メンバーがオーディエンスと自身を交互に指さすことによって、見ているこちら側とキャッチボールをしている感覚に。*1
そして「ねぇねぇ!」が追い打ちのトドメとなって一気に巻き込まれる。

この「ねぇねぇ」が絶妙で巧妙。
効きまくってる。

全力の「ねぇねぇ」


歌とダンスのパフォーマンスを楽しんでいたはずが、いつの間にか引き寄せられ巻き込まれ、そうしてこちらもたちまちアンジュルムになってしまう。

「べきべき」はグループ自己紹介であり、壮大な巻き込みソングだった。
堂島孝平さん、なんちゅう曲を生み出したの!! 天才すぎる。

*1 対フェス用にここの振り付けはクラップになったが、それもまたオーディエンスを巻き込む仕掛けとなっている。


「アンジュルム」という理念


今さらメンバーの自己紹介はいらないでしょ?
だって、パフォーマンスや言動を見ればわかるはず。
それぐらい今のアンジュルムのメンバーは個性豊か。

ならば何を伝えるべきか。
「アンジュルムとはなにか」だ。

そう考え至ることはわかる。
私も何とかアンジュルムを表現して伝えたいと常々思っているし、だからこそ、このような駄文達を綴りアップしている。
考えつくことは容易。けれど実際伝えるために表現することはとてもとても難しい。

なのに堂島さんはそれらをポップで軽やかなメロディーとリズムに乗せつつ、実に深く真理へ迫るぐらい表現してしまった。

歌詞を読み込むほどにうなる。

「なるべく多くのyes 自問していきたい」
「ぬくもりだけ忘れんな Noである時も」
「正解は押し付けちゃ不正解」
「自分ブンブンブン 大事にしたい いろんな異論もあるけど」

「有能ムーブもそれぞれ」
「この交差点曲がったら 誰と巡り合うかな」
「共感より共存だ」

一見面白く、言葉遊びのようなリズミカルな歌詞は丁寧であり繊細、そして恐ろしく気を遣って綴られている。今まで数々のアイドルへ楽曲提供し、今もなお依頼が途切れない人柄をここに感じさせる。

このような方と巡り会い巻き込んでしまうのも、実にアンジュルムだなと感じてしまう。


花道をくぐる


「べきべき」の歌詞に散りばめられた言葉への「それな…!」な同意と、読み込むほどに唸る「なるほど…!」な発見は、巻き込まれた側の堂島さんが作るからこその説得力。

印象的なエピソードがある。
なまたけのゲスト出演後、堂島さん自身の生配信で語られたあの日の裏話。

本番前のリハーサルで、竹内さん、かみこ、かむちゃんと対面した堂島さんはいきなり「わ~~~!!!」「本物だーー!!」と叫ばれ混乱。初手で、もう引き寄せられている。
そして、たけかみかむの三人による花道をくぐってスタジオ入りという歓迎。ファンからすれば、目に浮かぶシーンであり、とてもアンジュルムらしい。

その後も、例の「マナーモード」弾き語りをお願いされるくだりの竹内さんの豪腕ぶりよ。けれど、「私たちが『りかこ!』って言うのでやってください!」と、一緒に盛り上げ楽しもうとする姿勢があるからこそ「やらされる」のではなく巻き込まれてしまう。

それらの裏話が語られている堂島さんの配信です。相変わらず軽妙なトークのアンジュルム落語。それでいて名言が炸裂。

以下、明言を抜粋。詳細は動画で確認してください。

「welcomな空気を作ってくれていた」
「自分がアンジュルムを好きになった理由がそこにあった」
「 yes から入るアンジュルムの精神」

堂島孝平氏によるアンジュルム語録

** 自身のファンへ向けての「推しの推しは、推せるのか?」も素晴らしき名言。
(サムネの9/30ライブに注目! 会場がコットンクラブ!!)
(コットンクラブ側からのオファー)(アップフロントにも引き寄せられている)


この、鮮烈な「はじめまして」
初共演なのになまたけ本番でのトークが和やかで楽しく盛り上がっていたのも納得。堂島さんはすでにアンジュルムの花道をくぐり、アンジュルムに巻き込まれ、アンジュルムとなっていたのだから。

この同じ夜に早速、竹内朱莉さんから「楽曲提供」と「バースデーイベントでの共演」の依頼があったことが物語性を高める。
そして、それらが1年以内に、いや、楽曲自体はリリースよりかなり前に提供されているだろうから、堂島さんの現実化の速さと実力にも改めて驚いた。なんて頼もしい援軍!!

できる人とできる人が掛け合わさると、すごいスピードで実行されていく。
引き寄せ巻き込んだ竹内さんと快く巻き込まれ応えてくれた堂島さん。
次は是非アンジュルム、もしくは竹内さんが堂島さんに応える機会があってほしい。事務所、頼んだよ!!


そして「べきべき」は一方で平山遊季ちゃんようこそ!な曲でもある。MVは彼女の歓迎パーティーのようで、わいわいリップシーンはいきなりアンジュルムの空気に一緒に巻き込まれている感もある。

アドリブの振り付けが採用されスタンバイ。少し不安げに先輩を伺うぺいちゃん

堂島さんが食らった鮮烈な「はじめまして」&「welcom」は「べきべき」にも表れていて、平山遊季ちゃんへの「welcom」、初めてアンジュルムを見る人への「はじめまして」さらに「welcom」を訴える、複数構造の楽曲になっていると思う。すごいやばい。

しおんぬ画伯による歓迎のぺいちゃん肖像画


本編MVにはないけれど、特典映像の「and you ver」には「花道」が自然発生してソロのメンバーがくぐって歌うシーンがある。
卒業公演にて、最後の挨拶を終えた卒業メンバーを袖で迎えるのもまたメンバーが作る花道。

アンジュルムと花道は縁深い。
だからこそ堂島さんが花道で迎えられたことも、その花道をくぐったことにも、とても意味があるように思う。

私たちファンはアンジュルムメンバーが作る花道を実際にくぐることはほぼできない。
けれど「べきべき」はアンジュルムの花道をくぐりアンジュルムとなれる曲で、そういう曲を堂島さんは作ってくれたのだと思う。


アンジュルムというパレード


華やかで楽しくてにぎやかで、周囲を巻き込んでその場の空気を熱くする。
アンジュルムはパレードに似ている。

紙吹雪がよく似合う

特に今の竹内朱莉リーダー体制にそう感じる。
音楽フェスなど、外部へ出た時の最前線での煽りはアウェーだろうが関係なく、「ここにいる観客全員と楽しむ!!」という圧倒的陽の明るさと、「全員こちらに向かせて巻き込む!」という気迫を感じる。

人はパッションが強い方へ影響されると聞く。
竹内さんの熱は明らかにアンジュルム内に伝播していて、今や年下メンバーも明るく伸び伸びと強くたくましく育っている。
そしてフェスではその熱がオーディエンスにも伝わる。

GWのJAPAN JAM2022でのアンジュルムの巻き込み力もすごかった。
噂に聞いていた竹内さんのリズムを乱さない煽りは素晴らしく、気持ちよくクラップさせてくれて跳ばせてくれる。

前半は名刺変わりの曲、後半は対フェス仕様の曲の構成。
「限りあるMoment」で腕をあげさせ、「大器晩成」でジャンプさせて、「46億年LOVE」でクラップを煽る。
万全の準備運動の後に満を持してのラストはリリース前の「べきべき」

フェス初出しにも関わらず盛り上がりはハンパなく、「and you」でのクラップがどんどん大きく揃っていく様子はまさにアンジュルムの自己紹介&巻き込みソングであることを物語っていた。

フェスのオーディエンスは「はじめまして」の方が多い。
アンジュルムというパレード的な華やかさと楽しさはフェスとの相性も良く、「べきべき」は今後もそのパレードを彩るキラーチューンとなるに違いない。


そしてパレードはいく


今やキャッチフレーズのようになっている「卒業と加入を繰り返すグループ」を体現していたこの3年弱。
今は永遠に続かない。
まさに「限りあるMoment」 だからこその輝きと熱量が眩しい。

彼女達によるパワーにあふれ、熱量高く、オーディエンスを巻き込むパフォーマンスもまた、華やかに通り過ぎていくパレードに似ている。

彼女達は止まらない。
常に成長し、洗練され、強くなって、時にグループの形も変えながら、ひたすら進む。

パレードは、時にその場にとどまり魅せてくれるけど、時間がくれば移動していく。その場で立ち止まる観客はパレードを見送り、楽しさの余韻と寂しさを抱えるしかない。けれど追いかけたなら、ずっとパフォーマンスの熱狂の中にいられる。

私はまだ推しが在籍しているからずっとパレードを追いかけている。
そして、そのパレードを追いかけているうちに新しい景色に出会い、新たな価値観や考え方に触れてきた。

アンジュルムを知るほどに立ち止まっていられない。
彼女達を理解したいと、彼女達に対して恥ずかしくないようにと、背筋を伸ばしアップデートしている気分でいる。アンジュルムの行く先を見たい。彼女達と一緒に進みたい。まだまだ並走したいと思っている。


通りがかってたまたま見た人、その瞬間を楽しんだ人、もしかしたら最後だと寂しい気持ちで見送る人もいるかもしれない。
だとしても、それもまたパレード。

そしてパレードは巡る。

次に出会った時、もしかしたら形は変わっているかもしれない。
けれど、きっといつの時代の彼女達もその時の歌声でアンジュルムの自己紹介をして、「あなたは、どう?」「あなたも、どう?」「and you?」「ねぇねぇ」と語り掛け、笑顔で手を振ってアンジュルムへ招き入れ巻き込んでくれるはず。


現時点最高の大パレードが!!


なんと!!現時点最高が約束された大パレードが開催されます!!

2022年6月15日 日本武道館
アンジュルム -THE ANGERME- PERFECTION

チケットまだ若干あります!! お急ぎを!!

タイトルが「PERFECTION」ですよ?
そんなん最高になるに決まってますやん。
現時点の最高最強なアンジュルムに乗り遅れるな!!


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