アニメ感想:「REVENGER」6話 ”Adversary Advent”

  新キャラ2名がはたしてどう出るか、目が離せない6話です。サブタイ直訳は「敵の襲来」。

詳細:アバンタイトル

 絵双紙屋こと雁木屋の店主に描いた絵を見てもらう雷蔵ネコチャン!(猫が視界に入った時の反射)の隣にはゆいの形見になった男雛女雛の簪、猫ちゃんがつんつんして遊んでいたのかな……。猫には簪の由来なんて関係がないもんな……。

 猫って大人しくしている時といない時の差が激しいのによくもまあここまで特徴捉えるよなぁ~と感心してしまう、今のように動画はおろか写真もない時代だというのに……葛飾北斎が描いた波と、ハイスピードカメラで捉えた波の形が酷似していたという話がありますが、雷蔵もそのレベルだったりするのかな……。

 もはや感嘆の息しかでない雁木屋の様子に「やはり難しいか」と雷蔵。
 心中は複雑なんだろうなぁ……。今でさえ刀を脇に置いて話しているわけだから……。

 所で惣二がいるのはなんでですかね?なんか……「屏風もうまく買えない奴が商談なんて出来るわけねえだろ」という事を言いながらついて行った所は想像できるんですが……。俺達はすでに4話の惣二を知ってるからな……。

 雷蔵の言葉にむしろ逆、版元から掛け軸の注文が届いているのでこれをお使いください、と包みを差し出す雁木屋。

 うわ~~~~~~これめちゃくちゃ質のいい筆とか墨、硯のセットなんだろうな……。
 「良い物に仕上げて欲しいから道具をこっちで用意する」っていう目のかけ方ですよね、パトロンがついてしまった……。

 画師としては無名の所に破格の扱いを受ける雷蔵、しかし色鮮やかな美人画の掛け軸に目をやりつつ、「俺の絵は、これらとは似ても似つかぬようだ」と。

 要するに「業界だとニッチジャンルみたいだけどいいの?」って話ですけど、いや……エロゲ業界でニッチ貫く所から始まった会社の男が産んだ男が何か言うとるわ……という顔をしてしまったな……。
 ここら辺の戸惑いは「自己の認識する世界の狭さ」から来ているので、インターネットが当たり前の今の世界ではいまいち想像がしにくい所ですね。
 フルカラー漫画が当たり前の世界に、モノクロの劇画で入り込もうとしてるって考えても「いやそれは平気でしょ、海外に日本の漫画浸透しまくってるし」になっちゃうもんな。

 雷蔵の言葉に「絵の中から出てきそうで気味悪いぜ」と惣二。普段見慣れたもの、定型から外れたものを見るとそう感じるのもやむなしですが、逆に言えば一般的な浮世絵や美人画は「絵の中から出てきそうに思えない」という事でもあり。
 雷蔵の絵が「気味悪い」という感情を呼び起こしているということ、それこそに「力」があるという事でもあるのでしょう。

 「もしかすると私は、あなた様の絵を世に出すために、この商いをしていたのではと思う程です」

 大変に真摯な表情だ……。雁木屋、「運命」に出会ってしまったんだな……。
 残りの人生を賭して成し遂げるべきだと悟ったもの、人はそれを運命と呼んだり呼ばなかったりしますが、それを見つけた人間の顔をしていましたね……。
 宝物を両手で包み込むように、雷蔵の手を取る雁木屋。

「御仏がお与えになった手です。大事になさいますよう」

 また、この手の対比がね……。体格がそもそも違うから手の大きさが違うのは当然なんだけど、グッときてしまうな……。

 そんな様子を見て、気に入らないとばかりに舌打ちをする惣二の心中も複雑そうである。

 OP、やはり隠されていた宍戸と劉のシルエットが明かされましたね。今後もいろいろ変わったりするのかな……。

OP明け~アイキャッチ

 一方こちらは一人でも問題なくやっていける幽烟殿の様子である。
 漆地に桜が美しい容れ物ですねぇ……明暗はともかく、桜色の箔ってどう色を変えてるんだろ……。
 しかし発注元、箱を見つつも話題は「このところ噂になっている絵師」の話である。元々は碓氷様の紹介だとか、という言葉に

「紹介などとはおこがましい。たまたま、運が重なってしまっただけでしょう」

 と返す幽烟。そう……そうだね……運が……重なって……重なって"しまった"からね……。ほんとピタゴラスイッチみたいな重なり方したもんね……。

 商人を見送ったあと、恨噛み小判を取り出し……ねえ~~~~だからそれ誰由来の小判なんだよお~~~~~~やめてくれよほんと…………。
 鼻歌を歌いながらやってくる鳰の気配で懐にないないするしさぁ~~~~~。徹破先生の前では仕舞わなかったじゃ~ん…………。

 幽烟の雰囲気がおかしな事を察して窺う時の鳰くんちゃん、可愛すぎん?歯が見えていることも相まって齧歯類的なかわいさがある……。

「どしたの?怖い顔して」
「実は、これから遊郭に行かなければならないのです」

 顔をしかめる鳰、「またあいつ(漁澤)から呼び出し?最近多くない?」

 そうなんだ……最近多いんだ……そっか……。

 雁木屋から託された包みを持って帰り道、浮かない顔をする惣二に雷蔵が声をかけると

「俺はてめぇが門前払いされて、鼻っ柱折られるところが見たかったんだよ」

 と惣二。それは……その……惣二くん……自分から仕事斡旋してやろうと動いたくせにその返事はその……やっぱ「侍は侍でしかない」って思いたかったタイプ……?それとも幽烟と人気を奪い合うライバル関係になりかねないのが気に入らない……?
 そんな惣二の言葉に雷蔵、下を俯いて少し寂しそうな顔

「喜んでくれると思ったのだが」
「生計を立てる術があれば、そなたの厄介にならずに済むではないか」

 惣二くんその反応は……そもそも雷蔵が居候の身であるという事がすっぽ抜けて、部屋のスペースが半分になって、屏風の向こうで雷蔵が寝起きして絵を描いているのがもう「日常」になってたやつだな……???
 
「博打打ちってのは銭を掴むまでは手形も約束も信じない」、などと反論している頬に線入ってるのを見逃すほどこっちも節穴ではないので……。

 おいおいおいおい葬式の桶かつぎが往来の真ん中を歩くんじゃねえよもっと裏路地通ってもろて!俺は詳しいんだよその桶の中は空っぽなんだろ……知ってるんだ……。
 背後からも見るからにチンピラなのが二人、四対二か……。

 口火を切った惣二の「狸の皮算用にならねぇよう気をつけな」、生計を立てて惣二の部屋を出て行けるかもとする雷蔵と、二人に危害を加えられると考えている刺客のどちらにも向けた台詞回しで粋だな~~~~~。

 ここからの一連の流れ、キャラクターもコンテもテクニカルな事していてすごい緊張感があり、刺客が去るタイミングでこっちも深い息をついてしまうぜ……。ざっと数えると約12秒、D&Dだと2ラウンドだな……。(急にTRPGの話をするな)

 雷蔵、もらった画材を手放すのは仕方ないにしてももっとこう……割らないためになんかこう……あるだろ!角から落とすな!水平に落として!大事にして!
 雁来屋に「大事になさいますよう」と言われたそばから右手を使わないで!大事に……だいじにして……ご自愛して……。(顔を覆う)

 雷蔵が対峙していた刺客、引き際の見極めが速い……プロだわ……。
 一方惣二が倒したのは顔見知り、同じく博打打ちでした。通り名あるんだ……むしろ惣二にはないの……?
 惣二を相手にするつもりはなく、狙いは雷蔵で金で雇われたとのこと。

 ほら~~~~~やっぱり担いでた桶は空だったんじゃ~~~~~ん……雷蔵を入れて持ち帰るつもりだったことを「薩摩侍で芋焼酎」とは本当に洒落た言い回しだし、脚本がノリノリで書いてそうなこともわかりますね。

 雇われ二人、普通の人間だあ~~~~ってなるな……もっと悪い奴に利用されるタイプというか……。
 雇われた際の金を差し出して何も知らないから、と命乞いしてるのもそう、「そんな事だと思ってなかった」というか……どう考えても尋常じゃない目をした刺客二人を楽観視してお金で加勢を決めちゃうあたりもこう……。

 そんな二人に惣二が「博打打ちが山張ったあとで芋引いてんじゃねえ!」と渇を入れますが、こういう風に対比すると「あっ、惣二も惣二でどっかおかしいんだな」という事がわかりますね、あくまで利便事屋内では一番人間臭いというだけで。
 悪事を働いた自覚のある人間が、刀持った人間が目の前にいる状態で問いただされたらそりゃ命乞いをするよ……。
 嘘は言ってないだろうという事で見逃されつつも金はきっちり回収するあたりも人間だなぁ。

 さて、襲撃されたからには襲撃する理由のある者がいるわけで、惣二が「心あたりは?」と訊けば雷蔵はしゅんとする他なく。思い当たる節がありすぎるわなぁ~~~~ここの雷蔵完全に大型犬なんだわ……。

 「飯の種ほっぽり出してんじゃねえよ」と、雷蔵が落とした画材を拾ってくれる惣二。やっぱ雷蔵、画材を「割らないように落とそう」って意識なかったんだな……。手を空けるために落とした……。見てるこっちが頭を抱えてしまうよ……。
 「やっぱてめぇは、根っからの人斬りだ」

 ヴッッッッ(鬼哭街)(やはり貴様は性根から)

 すいません気絶していました。惣二の台詞に自分の手を見つめる雷蔵ですが、このカットが気になってアバンを見返したらこれ、雁来屋に「御仏がお与えになった手です」って言われてるカットと原画が一緒では?と思ってブラウザ並べて比較したら同じではなかったわ……危なかった……。
 でもかなり寄せて描いてる感じはしますね……。

 これから墨で汚れていくだろう「同じ手」で、散々殺してきたんだもんな……。
 惣二が言った「皮算用」の言葉が刺さるなマジで……。

 さて所変わって遊郭に呼び出しを受けた幽烟。
 3話で漁澤が侍らしていた女の子二人が幽烟に色めき立っている……。
 
まあ文化人だしお金持ちだから太客としてもだろうし、普段は柔らかな物腰で顔もよく、遊女にわかりやすく鼻の下伸ばしたりもしないので、漁澤とはタイプが違って新鮮なのかもしれん。それにしてもかわいいなあこの二人……。

 何もかも知ってる相手に「蒔絵師・碓水幽烟」として言葉を並べないといけないの、ほんとしんどいよな……。
 坂田(3話)の葬式を任せた安曇屋(4話)まで死んで大忙し、「厄介な病でも流行ってんのかね」と漁澤。
 そう……そうだね……阿片・人の罪業という病なら……メタ(コロナ)的なミーニングも踏まえてほんとお疲れ様だよ……(今期もいくつか万策尽きてるからね……)。

 安曇屋様まで亡くなっていたとは、としらを切る幽烟。
 坂田の弔い酒はさぞかし美味かろうな……。
 あっ、キセルの灰を落とすやつだ!キセルが曲がらないように竹の入れ物に落としているっぽい?フィクションだともっと金属っぽい音を鳴らしがちですが、これは考証入ってそうだなー。

 「頼んどいた薩摩の弁慶」についての進捗を訊いてくる漁澤。

「今のところは何も」
「頼むぜ。何やら唐人街の連中が、奴さんを探し始めたらしくてな」

 エ゛ッなんでよぉ……。

 要約すると、
 
 比良田厳信(雷蔵の義父)殺しの下手人を唐人街に持って行かれた日には切腹もの
 そうなったら下手人をかくまっていた者も一蓮托生
 比良田厳信が追っかけていた薩摩の抜け荷の件に唐人街が絡んでいる線もなくはない
 探りを入れるのも場所が場所なので難しい。奉行所の連中がしゃしゃり出たと知れば、長崎会所の連中が黙っていない。

 そんな訳で、顔の広い「蒔絵師・碓水幽烟」にお鉢が回ってきたのだった……。
 はァ~~~~~腹芸って大変だぁ~~~~~(大の字)。

 それはそうと、雷蔵を松峰殺しの件で追っていた筈なのに「比良田を殺した下手人」にしれっとシフトさせているあたり、もうそのあたりの調べはついてるって事だよね……。コワ~~~~~。あるいは「最近多い呼び出し」の中で開示されていたのかもね……。そこら辺は行間だから……。

 難しい話ですが伝手を当たりましょう、ということで話はまとまり……あっ、ここで「奇抜な絵を描く絵師」の話する~~~~~~~?????ほんまコイツ……話が終わりかけたタイミングで首を軽くキュッと締めてくるのおやめになってよお~~~~悪い奴だ!!

 所変わって噂の唐人街、漢方屋の店主にもてなされる徹破先生である。
 長崎商人の伝手では手に入らないオランダの薬を求めてきたと。
 アンゲリアのせいで、セイロンどころかジャカルタからも手を引く羽目になった、次に来ても入手は難しいかも判らないと笑って話すおじいちゃん。あっこれ世間話からの商談に入ってるのか……。

 うお~~~~それとなく探りを入れたつもりの徹破先生の背後に一瞬で暗器使いが……。これ絶対、わざと音を鳴らしたよな……。
 ええ~~~~~んこの空気龍が如くで散々吸った空気だよお~~~~~。
 カウンターで接客してた女性まで武器に手を伸ばす気配がしている……。

「徹破さん。その話するなら、私もう二度と徹破さんと商いできないよ」

 先ほどとは打って変わったおじいちゃんの固い声……。
 話を打ち切ってスッと帰って行く徹破先生……。この段階で青竜刀はオーバーでしょと思ったけど徹破先生の体格から考えてもそりゃ持ち出すか……毒もまず体が大きいから通常の処方だと効きが遅そうだしな……。
 こうなるとお茶にも毒もしくは睡眠薬入っててもおかしくなかったな、飲む前に話をしてむしろ正解だったんだな……。

 診療所地下で報告会よ~~~~!!!

 唐人街は間違いなく本気で雷蔵を探している、松峰(雷蔵の義父に罪を着せて雷蔵に殺させた)の共謀者が唐人街にいる、という漁澤の憶測がどんどん信憑性を増してきた……。

 松峰が死んで、手がかりは「橋の下で目撃されて足取りが途絶えた」とされる男、繰馬雷蔵だけ……。

 鳰くんちゃん遊んでるのカワイイね……(気をそらさないとつらい)。

 やっぱ猪武者の性分は変わらない、というかそう簡単には変われないんだよなぁ……。
 なんかこう……惣二の言葉が結果的に雷蔵を追い込んでいるような回でもあるな、今回……「根っからの人斬りだ」といい、「知ってそうなのはてめえだけって訳だ」とか……。

 唐人街へ向かおうとする雷蔵に「まだ懲りてねぇのか!?たたっ切った後で、間違いでしたじゃ済まねえんだぞ!」とガチトーンで止める惣二。

「いずれにせよ、会って話を聴くのが早かろう」

 それやってどうにかなるの、春日一番(龍が如く7)ぐらいしか知らないな……。

「お待ちなさい。穏便に話せる相手なら、あなたを攫おうとはしないはずです」
それが?
「それがって……てめぇ、五体満足で帰ってこられる保証がどこにある!?」
それがどうしたと言うのだ」

 あ~~~自暴自棄モード入ってる~~~~~雷蔵に限らずこうなった人間は口で言っても効かないし止めれば止めるほど強固になる、知ってる……。

「本当に良いのですか?」
「是非もない。もとより俺の愚かさが招いたこと。俺の手で終わらせなければならぬ

 当事者意識だねぇ……実際当事者だもんねぇ……。
 厚い雲が日の光を遮ろうとする中、雷蔵は一人唐人街へ向かっていく……。

 どうすんだよも~~~って感じの診療所地下である。

「別にいいんじゃない?だって鳰たち関係ないじゃん

 君はそう思うだろうが、周りがそう思うかはまた別の話なんや……。めんどくせえよな、人間社会……。

 「何?もしかして惣二のくせに、義理だの情だの言うの?」

 ここの声音、過去イチ冷たくてヒエッってなっちまったな……。「惣二のくせに」が今後明かされるのかはわからんけども……。
 即座に反論する惣二。「雷蔵のケツはお前達が持て(匿ってる以上は連帯責任だゾ♡)」と言われた以上、無視はできないと。
 今回の件が大事になったら、一連の全てを利便事屋に押しつけて切り捨てるつもりなのだろうと先生。

「じゃあなんで行かせたのさ!ふん縛って転がしときゃよかったのに!」それはそう。

 唐人街が何故繰馬雷蔵を狙うのか、その裏だけでも取っておかないと漁澤も満足しないだろうということで、鳰に尾行を託す幽烟。
 めんどくさいとぶーたれながら(かわいい)「あんな奴助けなきゃよかったのに!」と言う鳰。

 幽烟は「松峰のリベンジの為には必要不可欠だった」と改めて言うわけですが、2話以降含めてえらく強調してくるよな、ここ……。長崎と薩摩、藩が違えば裏取りも難しくなるって事かもしれませんが、「松峰のリベンジ」の前に(幽烟の目的を踏まえて)がくっついてこない……??

 唐人街が動くほどの阿片が長崎に持ち込まれていたらどうなっていたか、考えたくもないよねと徹破先生。
 なんかこのカット、医者として見てきた以上の含みを感じるというか……海賊稼業時代に何かあったのかな……ありそうだな……。

 一蓮托生、毒を食らわば皿まで。行ってこいやという惣二に「なんで惣二が偉そうにすんのさ!」とぷんすかしつつも行ってくれる鳰くんちゃんである。

「間に合わなくても知らないよ。そしたらどうするか、ちゃんと考えといてよね

 「そうだねぇ……それは考えないとね」と同意しつつ、幽烟の方を見る徹破先生。

 幽烟、魂が抜け落ちたような心ここにあらずの顔をしているように見えたんですけど、多分「今めちゃくちゃ考えてる」って事なんだろうな……侵入ルートやらマジで雷蔵が死んだときの事とか、雷蔵を取り戻せず撤退しないといけないケースとか……。

アイキャッチ明け~ED

 正面から乗り込まんでもろてェ!!!!!(顔を覆う)

 いやまあでも裏口から行ってもそれはそれで「忍び込むってことは何か狙いが?」になるから同じ事だわ……唐人街の皆さんめちゃくちゃ臨戦態勢なんだわ……。龍が如く7で見た……。
 薬屋のおじいちゃんが「案ずるな。劉大人にまかせておけ」って判断しているので、組織の中でもちゃんとした位置にいる人なんだな……。

 立ち止まる雷蔵、待ち構える大勢の中心にぱっつん黒髪ロングの美人がいるよ……。平川大輔の声がするよ……。

「まさか、自分からやって来るとはな」せやな。
「俺を探していると聞いた。要件を窺いたい」

 なんでここで手を広げたんだ……敵意ないよアピールならまず刀を下ろす所からでは……という話なので、まあそれで済むとは雷蔵も思ってなかったんだろうねえ。
 ほら~~~もう武人が相対した時の空気じゃ~~~~んBGMが重苦しいマカロニウエスタンの味なんよ……。

 先に動いたのは劉、まっすぐ来るかと思いきや予備動作なく曲がる動きに反応しきれず、あえなく雷蔵は沈むこととなったのでした。
 これ……滑るように動いてるな……中国拳法の知識はマジで拳児ぐらいなのでうかつな事は言えないのですが、この動きを人体が予備動作なくやるのは実際予測できるものではなさそうだ、まさしく初見殺しと言ってよさそうな……。

 あっ鳰ちゃ……変装してるーッ!?!?!
 倒された雷蔵VS鳰くんちゃんのお着替えで私の情緒が大喧嘩
を始めたんですけど!!!

 そんな訳で港に泊めてある唐人のお船である。
 雷蔵が縛られて吊されるまでは判ってたからいい……いや良くないけどその縛り方何……?という気持ちが手前の火鉢で吹き飛びました。や……やめろ……そんなものを尋問部屋に置くなーーーーッ!!!何に使うか俺は知ってるんだ!!!(このように想像力が盛んだと何の変哲もない火鉢で正気度が下がる羽目になるから考えものだね!)

 しっかしこの状況で「何が狙いだ」「俺を探していた訳は」って開口一番言える雷蔵くんほんとこう……覚悟が決まっているというか……。

「金目当てに仲間を殺してみたものの、その後の当てがなくのこのこ我らを頼った」
「そういう単純な話ならば良かったが……」

 そうだね……ほんとにね……。捕まって縛られてる状態でも真意を聞き出そうとしてくるもんね……。
 雷蔵に強めの顎グイをする劉さんである。

「お前の目は、欲に溺れた豚の目でもなければ、手当たり次第に獲物を食い殺す虎の目でもない。何かに殉じる者の目だ」

 針を取り出す劉。

「その目に免じて選ばせてやる。右か、左か

 これねぇ……。「目を潰すつもりで向けられた針の気配」って相当キツいんですよ……。例えば自分の裸眼を指さしてみて、「横から急に手が出てきて指差した手を思い切り叩かれる」と想像しただけでかなりゾッとする行為なんですよ……。
 こういう場所での最適解は「相手に提示された選択肢には絶対に乗らない」「相手がしびれを切らすまで耐える」ではあるんですけど、自分の意思が介在できない、他人の手に針を向けられて眼球すら一切動かしてない雷蔵、ヤバすぎるでしょ……。

 そんな状況に入りかけたその時、部下が劉に「長崎会所の宍戸様がお呼びです」との連絡。
 こんな時になんじゃい!という苛立ち混じりの中国語が出る劉。平川大輔って……日本語ネイティブですよね……??
 しかし長崎の元締めとすら言って良い会所の重役に呼ばれたのでは、無碍にするわけにもいかず。雷蔵は部下に任せ、会所へと向かうため船を去る……
 と言った所でわずかに気を抜いた雷蔵に針を投げておくことを忘れない、デキたボスですね……。

 リールを使う手元と縄が切れるSE、離れる船。コンテクストの高いカットだなオイ……。 ワーッ鳰くんちゃんのお着替えありがとう!!!!カワヨ……。
 ここ急に飛び降りるからびっくりしたんだけど、離れた船と落ちた自分で敵を引きつけつつ、潜水能力に秀でた徹破先生が銛で小舟の底に穴を開けていくの、連携が取れすぎている……。

 一方船内で適当に痛めつけられている雷蔵。しなる棒かなんかだと思うんですけど、人間の体って水分7割だからマジで響くんだよな……そもそも「適当に」痛めつける段階で水責めは……おやめになって……!加減間違えたら死だろうが!(まあそんなヘマはしない程度に拷問慣れしてそうだけども……)

 利便事屋、潜入用の服装なんかあったんだな……所で急に視界が金箔で覆われるの、怖いことですね……。
 窒息寸前の意識を手放すギリギリで金箔を砕いて生かす奴、1話でも縛られて放置されていた護衛がいたので、コレで無力化していったんだろうな……ゴージャスだな……。

 殺しはなし、証拠も残さず、おまけに金にもならないんだから面倒かける奴だ、と愚痴る惣二に、それなのに着いてきてくれるとは驚いている、と幽烟。

「まさか、本当に情が移りましたか」
「磔よか、タダ働きの方がマシってだけだ。お代は侍野郎のボコボコにされたツラで勘弁してやらあ」

 そ、惣二くん……。
 ここで現れた追加の刺客、カタコト気味で感情がない声で喋りながら青竜刀抜いてくるから素直に怖い。怖かった。

「あの侍の仲間か」
「そんなんじゃねえっての」ここでいちいち否定する惣二くん……惣二くん……。

 えっここで惣二を行かせて幽烟が残るの!?
 ヒューッ!!青竜刀VS金箔使いなんて対戦カードそうそう見れるもんじゃありゃせんぜーッ!!!ポップコーン用意しな!!!

 鞭で打たれ水責めでも態度を崩さない雷蔵に苛立つ拷問官から「荷をどこに隠し、誰に渡したか」という言葉が。抜け荷をしていたとまでは知っていたがすでに松峰の手元に渡っていたとまでは知らなかった雷蔵にアーーーッほら見ろやっぱその火鉢使うつもりだったんじゃねーか!!!焼き鏝はやめろマジで本当にやめ そ、惣二ーーーーーッ!!!!

 しかし「救助すべき対象を発見→状況を確認してまず何をすべきか」という判断を下して即応する惣二もやっぱヤベーんだよなぁ……。
 すぐに火鉢を落として相手をひるませてからの飛びかかって裸締めじゃん……。ところで相手が暴れる最中に壁のフックに背中を打ち付けたの、素直に惣二の内蔵と骨が心配。そこまで危惧することじゃないと思いたいのですが……。

 あ~~~~~~~あ。「雷蔵」呼びしちゃった~~~~~~~。いや呼びかけて反応がないなら、意識に根付いた名前を呼ぶのは大事っちゃ大事なんですけど、ある意味一線を越えてしまったな……。しかもここ「ら」が巻き舌で勢いもあり、加減が効いてないよね惣二くん……。

 意識が戻った雷蔵に「そなた……何故ここに」と言われてたどたどしく鼻っ柱の話を蒸し返す……そ、惣二くぅん!!!!!
 そしてくそ真面目に鼻が折れてないかを確認して報告する雷蔵、すぐに意識失ったのを考えると脳みそ上手く回ってなくて言葉通りに受け取ったやつだなこれ……。流石に武術やっといて「鼻っ柱を折られる(相手に自信を喪失させられる)」という慣用句を知らないとは思えないので……。

 あっ青竜刀VS金箔の対戦カードは幽烟の勝利という結果のみということで……。寂しいね……。装甲悪鬼村正の雷蝶様思い出すな……(強すぎて作中描写があまりない)。
 折良く惣二と合流できたのでそのまま脱出よ~。面頬を外すのはその場を離れてからのほうがよくない……?いや周りが静かなのもあっての事だとは思うけど……。それはそうと倒れている人の姿勢でちょっと笑ってしまった。

 一方こちらは長崎会所、こんな夜更けにテラスで茶会とはよいご身分で……。
 洋装で茶を点てるのは宍戸斎門、胡散の極みだよ……。なんだこいつ……。南国のお猿さんまで従えやがってよお……。
 劉、ちゃんと和装を着てるのえらいな……郷に入っては従えを地で行ってるし茶道もできているし。中国や台湾の煎れ方とは全然違うもんな。
 そんな彼も港の方角から上がっていた煙を見て立ち上がる訳ですが、船が燃えたわけではなく、部下達が上げた狼煙みたいですね。

 これで自分が離れている間に雷蔵を奪われた事を察した劉、宍戸に「我々の身柄は会所が保証しているはずだったのでは?」と抗議をしつつも声自体は静かであり、自制の効いた男だなって気持ちになる。

 そんな劉に「いつから海に浮かぶ船までもが、あなた方の町になったのでしょう?」と平然と返す宍戸である。
 お、俺の好きなタイプの岡本信彦だ……!!!!

 宍戸、「池に生肉を落とす」というある種異様なシチュエーションと、足元に一番近い光源があって手元が照らされている効果も相まって「凄み」を演出してるの、「好(ハオ)」でございます。
 池に生肉ってことは、ピラニアかワニか……。

長崎の真の支配者は長崎会所だって言ったじゃん、なのにみすみす襲撃されたんだが??」と抗議を続ける劉。

「その素早さ、廓通いのかいまき与力にはとてもとても」

 がんじがらめのお役所仕事じゃあ出せない対処速度だって察しついてるじゃ~~~~~んコワ……。近寄らんとこ……(長崎にいる限り逃れるのは無理だゾ♡)。

「私たちは商人とはいえ、人の命までは売り買いいたしませぬ」

 ほんとか~~~?この時代日本人の奴隷売買もあったと聞きますが?(それは"こっち"の歴史だから……)

「しかしながらこの長崎には、金次第でどんな荒事も引き請ける無法者たちがおります」
「私どもも大層困っているのですが……」

 あっ、これ「困ったな~~~誰かそいつら片付けてくれんかな~~~」って思ってる声音だ、漁澤と同じ調子の声だ……。

「名を、利便事屋、と」

 ピラニアのほうだったか~~~~~~~生々しくぬめっとした質感がよい。

「リベンジャー……」と劉が呟く中、落とされた生肉にたくさんのピラニアが集るカットがね、こうね……暗示するのは誰の、何の未来なのか……。

 徹破先生に手当てして貰いつつ報告……ハアッ?!全員褌だ!?!?!実質水着回か????水着回とは一体……???

 ともあれ雷蔵が得た結論は、予想を遙かに越える事態でした。

「薩摩藩勘定奉行が買い付けた、途方もない量の阿片」
「それが、長崎のどこかに隠されている……」

 島のどこかに大量に隠された「悪いもの」……つまり……ゴールデンカムイじゃな!?!?

 などと考えていたら某所のコメントで「学校の黒板では?」「ジーザスじゃん」と言われておりリアルタイム読者として……おいは恥ずかしかっ!もう生きていられんごつ!!(急に切腹の姿勢に入るな)

 ジーザス、「殺し屋が死を偽装して逃げおおせ、一般社会に潜伏するつもりが資金源のコカインが手違いで学校の黒板に隠されてしまい、監視と偽装身分のため高校教師になる」っていう導入で画力がバカ高くバカ面白い作品なので是非読んで欲しい作品です。


 それはそれとしてとんでもねえ事になってしまった……。
 劉が雷蔵に言った「豚でもなければ虎でもない目」「何かに殉じる者の目」を持てるのが人が人たる所以ではあるのですが、そういったものを全て問答無用で崩してしまうのが「阿片」という代物なので……。化学物質に人の信念なんか関係がないからね。一応明言しておくのですが、そういう展開を期待しているというわけではないです……。

 金塊は入手したとしても「金を価値と思うか」とか「鋳つぶして硬貨や装飾にするか」で幾分かタイムラグが生まれますが、阿片なんか火をつけたら風上次第で一発だかんな……。下手な処分方法では逆に惨事を招きかねません。

 ここからはマジで高度な情報戦になりそうだな……僕知ってる、そういうの虚淵玄が参加してるレッドドラゴンで読んだ……胃を荒らしながら……。


今後の展開

 7話のサブタイを直訳すると「バラ色の落とし穴」なんですけど、まあだから「罠」なんですよね……もしかして惣二回なのかな……。生きてくれよな……。

 そしてニトロプラスおなじみの頼れるCV諏訪部順一が来たので「もうダメだよ……おしまいだよお……」という顔をしています。

 しかし利便事屋もピラニアに集られるだけの死肉ではなく、一人一人が意志と力を持つ集団でありますゆえ、ここからどうなるかは誰にもわかりません。
 所詮わたくしは一視聴者の身ですが、脚本の手の内で舞うだけの凧だとしても、凧として精一杯彼らの行く末を見守り、見届けたい所存でございます。

 ところでこれでOP内のめぼしい勢力が出尽くしたところで、今週話にも出なかった勢力がいますね!!!!なっジェラルド加納殿!!!!

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