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暖かい南の島に憧れていた人が、世界一雪が積もる北国にUターンした理由

一年中暖かくカラッとした気候、毎日見る事が出来る虹、HAPPYな雰囲気の人々。サーフパンツ一枚で海まで歩けばエメラルドグリーンの波と可愛いウミガメやイルカ。
そんな南の島に憧れて毎年通い、ついには住むようにまでなった私が北国にUターンしたきっかけになったのが、写真に写っているハワイアンの師「カイポ」の一言。
一緒にハワイの川、滝や森を歩きながら沢山の事を教わった。その中でも強烈だった一言。

「日本人の若者は、自分の国の魅力を伝える事が出来ない。私の方が日本の良さを伝えられる」

これを言われた時、今まで文句ばかり言っていた親や故郷、自分の身近な人達に謝りたいという感情が湧いてきた。そういえば、今までは文句ばっかり言っていたけど魅力や感謝を挙げたらきりが無いほどじゃないか?

そもそも親がいないと自分もいないし、故郷が無ければ今の自分とは違う自分になっていたはず。身近な存在を責め続けていた20年間を恥ずかしく思うとともに、何か恩返しがしたいと思った。

まずは両親に感謝の手紙を書いた。時間がたつと恥ずかしくなってきっと書かないだろうから、その日のうちに書いてその日のうちに郵送。要約すると、「今まで色彩の少ない弁当や料理の味、厳しすぎる教育方針などを責めてきたけど、仕事掛け持ちで育ててくれたこと、そもそも自分の存在がある事、自分の趣味にお金をかけずに2万円もするラジコンを買ってくれたこと、新聞配達をしていたホンダのカブで兄弟3人を乗せたそりを引っ張ってくれたことなどなど、ありがとう。今まですいませんでした」という感じの事。ちょっと気分が晴れた。帰ってからは親孝行、地域の役に立つ事をしようと考えていた。

Uターン後の活動・地域の魅力発信

帰国後、地域の魅力を発信するサイトを企画した。「青森はPR下手。よいものを持っているのに伝えられていない」という話しは子どものころから聞いてきたが、実際に魅力を発信している事例はほとんどなく、メディアも地元向け。青森の魅力ってなんだろう?という問いに対しても答えを持っている人が少なく、「何も無いところ」というのが答えのほとんどだった。

地元の人が地元の魅力を認識して発信するためには価値観革命(自分にカイポの一言で起こったような変化)が必要じゃないだろうか。そこで、サイトのサブタイトルは、「何も無いところから失われていないところへ」とした。

青森の魅力は、何も無い事ではなく、人と自然が共生してきた事で「何も失われていない事」ではないだろうか?自然保護という名で人と自然を分けるのではなく、自然から頂き、過度に消費や経済活動に走らず、自給自足+αのような生活が成り立っているエリア。太古から変わらぬ自然が、国道のすぐそばに在る事。自然があるだけではなく、自然との距離が近い事も魅力ではないだろうか。

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運営後2年で記事数は1000を突破。メディアのネタ元になったり、全国放送の番組で取り上げられ、「大鰐温泉もやし」や「奇跡のりんご」などは番組の企画にもなった。情報発信した地元の人からは、地域課題解決型の会社を立ち上げたり、地元の素材で商品開発を行う方も出てきた。

なんで収益モデルが無い事をやるのか?素人が情報発信して何になるのか?他のエリアにも同じような魅力はある。などなど心配や疑問の声も沢山頂いたが、そもそもやりたいのは「日本の若者が、自分が産まれた地域、日本の魅力を伝えられるようになる」事なのであまり気にはならなかった。

もちろん収益も無ければ活動は継続出来ない。でもそのころの私はこう考えていた。

「大事なのはどんな身体(社風やVISION、MISSION)であって結果では無い。結果は排泄物であり、排泄物の為に仕事をするのでは関わるメンバーにモチベーションは湧かない」

その主張が正しいのかは分からないが、面白いとは思う。

今後、経営については「日本の魅力って何だ?」「これからの地域課題解決とは?」など、今回書いたUターンしたきっかけにまつわる話しを書いていこうと思います。

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