『スポーツビジョン医科学教本 改訂版』はじめに
スポーツ競技においてアスリートは周囲の情報をさまざまな感覚器官から入力し、競技の目的に合わせてパフォーマンスしています。そのなかで眼は最も重要な情報入力器官です。視機能の状態により取り込む情報の質に差が生まれ、スポーツでのパフォーマンスに大きな影響を与えます。
最近の脳科学の進歩に伴い、「見る」という行為は脳で行われていると考えられています。つまりアスリートの視覚は視機能の側面だけでなく、認知機能、脳機能、運動機能などを合わせて総合的に分析する必要があると考えています。
スポーツ選手の視覚能力や視覚と身体機能の結びつきを最大限に発揮させ、最高のパフォーマンスを発揮させるためには、スポーツと視覚の関係を医学、脳科学、生理学、心理学や体育学などさまざまな分野から総合的な研究が必要とされます。その新しい分野が“スポーツビジョン”です。
スポーツビジョンの研究は、競技力の向上を図るだけでなく、スポーツ眼外傷を減少させ、また新たな視機能や視覚能力が解明できる機会になることも期待されます。
『スポーツビジョン医科学教本』は、医学的な眼の構造・機能、スポーツによる眼外傷、日本スポーツビジョン協会が考案したスポーツビジョン測定など、スポーツと視覚に関する基本的な知識、調査・研究情報、そして最新のトピックスなどが凝縮されています。
さまざまな分野でスポーツ・視覚に携わる方々に、スポーツビジョンに興味を持っていただき、多くの方々の創造性と情熱を融合して共に未解明な分野を開拓していきたいと思っています。
スポーツという特殊な状況での視覚能力や視覚と身体の関連性が体系的に研究されることで、スポーツ分野だけでなく、日常生活における私たちの活動、子どもたちの発育、高齢者の健康などに寄与し、「全ての人が、自分の最大限のパフォーマンスを発揮して生きる」というビジョンの可能性が拡がっていくことを期待しています。
一般社団法人 日本スポーツビジョン協会
一般社団法人 日本スポーツビジョン協会は、スポーツという特殊な状況での視覚能力や視覚と身体の関連性を体系的に研究すると共に、スポーツ分野だけでなく、日常生活における私たちの活動、子どもたちの発育、高齢者の健康などに寄与し、「全ての人が、自分の最大限のパフォーマンスを発揮して生きる」というビジョンの可能性が拡がっていくための活動をおこなっています。
一般社団法人 日本スポーツビジョン協会
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