私になるまで45

退院して、しばらくの間は、大人しく自宅療養していたが、せっかく筋力がアップしたのに、じーっとしてたらダメだと思い、通販でトレーニングバイクを購入。毎日朝と晩30分、ペダルを漕ぐ。まだまだ残暑が残る室内…汗ダラダラになった。その効果か元気そのものだった。

そうして「もういいか」って自己判断でカラーも外した。直後は、頭が重く感じたが、そのうち頭の重さにも慣れた。そうしているうちに、京都の娘の文化祭があるというので家族はまた京都に大移動。娘は伝統工芸の専門学校で木彫をやっていた。作品を見、凄い!親バカ発揮する。その学校は京都市内からさらに北にあったが、快速電車に乗れば市内まで30分。せっかく来たのだからと、嵯峨野を散策した。竹が生い茂る中を家族でぞろぞろと歩く。そこらかしこにお店が点々とあり神社やお寺に入っては、お守りを買った。その頃が一番元気のピークだったのかもしれない。

楽しい時間はあっという間に過ぎた。

さて、10月中旬、先生の診察を受けるため、天王寺の病院へ向かった。この頃また首に違和感を感じるようになっていたが、痛みがなかったので、1人で行くことにした。その何日か前に、娘の家に行って、その日は、ゆっくり歩いて駅まで行き、駅から病院近くの駅まで電車を乗り継いで行った。歩いて行くのは、初めてだった。スマホで位置を確認したが、よく分からん。焦っていたら、前から優しそうなお姉さんが2人歩いてくる。近づいていったら最初は警戒された。「o病院どこですか?」勇気を振り絞った。が、「えっ?近鉄?」通じてない。もう一度、「O病院!」と言うと、笑顔で、「そこならここ真っ直ぐ行って高校の横を通り過ぎて、左に曲がったらいいよ。」とても親切に教えてくれた。「ありがとうございます。」たどたどしい言葉で礼を言う。「いいえ〜気をつけて。」とてもいい笑顔が返ってきた。

世の中捨てたもんじゃない!

おかげでスムーズに病院に到着。受付を済ませ、診察の来るのを待つ。看護師に「先にレントゲン撮影って先生言ってます。」とレントゲン室に案内された。久しぶりのレントゲンにくびがガクンとなった気がした。

その後、久しぶりの先生はレントゲン写真とにらめっこしていた。「1人できたん?」目を丸くする。「娘の所から来ました。しばらくいて、そこら辺行こうと思って。でもちょっとなんか痛い時があるんです。」と報告する。どうも首が左に傾いてるらしい。「左の方に緊張が強いんやな。」とりあえずボトックスしてもらうことにした。娘の所にしばらくいるのなら、念の為MRI撮ろうと言われて北摂の病院で予約してもらう。その後スマホの番号を教えてくれ「何か変わったことあったら連絡して!」

と言われ、その日は、それで娘の家に帰る。娘の家は、最寄り駅からかなり歩く。長い坂道をこれでもかと登った先にあって、めちゃくちゃ疲れた。が、実家に帰るより遥かに近いので、ちょっと近くのコンビニでケーキを買って帰り、娘と共にティータイム。毎日晩御飯は娘が作ってくれた。しかし狭い空間で2人でいるのによく嫌がらなかったものだ。そうして2週間あまり娘と一緒にいた。その間にどうしても観たい映画があり。1人で河原町まで出向き、映画館前のスタバでコーヒータイム。今では考えられない行動力を発揮した。が、ある日突然頭を針で刺すような痛みを感じる。すぐSMSで先生にメールをする。「病院に来てください。」

MRIを撮ることになっていたのでその日を待つ事にした。

今はまだ修行中の身ですが、いつの日か本にしたいという夢を持っています。まだまだ未熟な文章ですがサポートして頂けたら嬉しいです。