パソコン

 カタカタ音を鳴らすたび、キーボードの凹凸の砂丘を指でなぞるたび、僕は目の前にある光るディスプレイと一生懸命にらめっこをしては、少し吹き出しそうになったり、逆に大声で叫びだしたり、そういうように、一人で芝居をしながら、身体を床に寝そべらせながら、解決困難な問題を、誰かに聞いてしまえばすぐに解決しそうなその問題を、宇宙のどこかに飛ばすためのロケットを、数式の隣にこっそりと忍ばせておくのだ。

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