ゲイ小説 「僕がゲイだと気付いたのは大嫌いな彼の仕草からだった」#2

そんな彼とは小学1年生の時から同じクラス。だが1年生の頃は彼に関しての記憶が殆どない。人嫌いの僕と積極的に活動する彼では接点などあるはずもなく、気が付けばあっという間に1年が過ぎ去っていた。

特に接点も無いままお互い2年生になるのだが、あの出来事に遭遇した時から僕は彼に対して興味を持ち始める事になる。

その日は晴天でとても暑い日だった。水鉄砲を使う理科の実験があったので今日は絶好の実験日和。実験とはいえ実際は水遊びとほぼ変わらず、普段は活発に活動しない僕でも楽しく遊びながら涼をとれる時間となっていた。

いくら水遊びをしていて涼しいとはいえ激しく動き回っていると汗をかく。男子たちは顔から流れ出た汗をそのままにしながら駆け回っているのだが、不意に彼が僕の視線に入ったとき彼はみんなと違う行動をしていた。

彼は顔から流れ出た汗をTシャツで拭いている。その瞬間にチラっと彼の腹部が見えている事に僕は気付いた。彼の腹筋は小学2年生にもかかわらず綺麗に割れていた。時々クラスメイトの男子がふざけて遊んでいる時、Tシャツが捲れ上がって腹部が見えている事はあるものの、彼のように腹筋は割れていない。

僕は彼の腹筋を見た瞬間、何度でも見てみたいという気持ちが僕の中を駆け巡った。何故そんな気持ちになったのか僕には分からない。

ただ・・・凄く嬉しい気持ちになっていたのは今でも覚えている。

#3へ続く

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