ゲイ小説 「僕がゲイだと気付いたのは大嫌いな彼の仕草からだった」#1

小学2年生の時、僕はある出来事に遭遇した事により1人の人物に興味を抱くようになった。その人物が起こした出来事は僕の人生に大きな影響を与える事となる。

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「お前って意外と毛深いよな」

中1の夏、体育館で体育の授業中にハーパン姿の僕の足元を見て彼はそう言った。彼の言葉に悪意があったかどうかは分からないが、少なくとも僕はその言葉に傷付いていた。男子なんだから多少毛深くても別に良いじゃないかって思うかもしれないが、僕の事を毛深いと発した彼は色白で体毛が薄い。まじまじと彼のすね毛や腕毛を見た事は無いけれど遠目で見る分には全然分からないぐらい薄い。色白で毛深い事がコンプレックスだった僕からすれば彼の事がとても羨ましかった。そんな彼はこれまでにも僕の身体的特徴をからかって僕の事を笑っていた。大きな声で僕をからかうものだからみんなにも注目され余計に嫌な想いをしてしまう。ニヤニヤしながらこちらを見ている彼の事が僕は大嫌いだった。

・・・だが彼こそが僕の人生を大きく変えた人物でもある。

#2へ続く

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