見出し画像

評価シートってきちんと活かしてる?

ライトノベル新人賞に応募するともらえる、『評価シート』。
何度か送って、貰った方も多いかと思います。

文章力やキャラクター、世界観、ストーリー、同時代性(時代に合っているか)。それらが評価され、それぞれ点数や感想が述べられているシート。

ただ、その中で、仮に『これは違う! 間違っている!』と評価シートを疑った方がいた場合は、危険です。

前提として、作家を目指す人の特徴として、多いのは
「自己顕示欲が強い」、または「理想を追及したい」、あるいは「有名作やヒット作を見て、自分もあんな作品を創りたい!」という、創作欲承認欲求だと思います。

作家志望は大抵、ある程度自分の文章力やストーリー、そしてキャラクターに自信があり、自分の作品は面白いんだ! という自負があると思います。

ただ、それ自体は必要なのですが、あまりに強すぎると視野が狭まり客観性を見失います

本当は単なる自己満足の作品なのに、他人が読んでつまらない作品だと気づけない、
あるいは認められない。

作品を評価されることに慣れていないうちは、「作品を否定される=自分を否定される」気持ちにも繋がりやすいため、素直に評価を受け止めきれないことは多々あると思います。

私自身もそうでした。

評価シートを受け取っても、半分は納得するのですが、「この評価した人は分かっていない!」「長所をちゃんと見ろ!」と、反感を覚えたことがあります。

ネットの新人賞スレッドやTwitterを見てみても、一定数そういった方は見かけます
中には「下読みガチャ外れた」と評する人も。自己評価が高いのですね。

でも、それは自分の作品を客観視出来ていない場合が多いです。

ネット上でなぜ落選したのかわからない人の作品を読んでみると、多かったのは
「文章力が未熟」、「説明が足りない」、「キャラクターが不快」、あるいは「独自性が強すぎる」、「人間ドラマが足りない」というものが大半を占めていました。

これらは、なかなか客観的に判断するのが難しいものばかりです。
作者は自作のキャラクターや設定などを把握しているので、細かな矛盾には気づきにくいです。
また愛着もあるため、それが不快なキャラなのか、その客観的な判断もなかなか出来ません。

そして、設定も頭の中に入っているため、「この程度で良いだろう」と、説明が疎かになる場合もあります。
その結果、読者には意味不明に思えたりします。

それでも、読者は過去の作品からある程度は想像して補って読むことはできるでしょう。
ですがそういった、「作者が自作を客観視出来ていない作品」は、大抵の場合は落選してしまいます。

これが物書きにおける『壁』の一つですね。

自作を客観性に見る技術。
逆を言えば、これが出来れば受賞出来る可能性はかなり上がると思っています。

・自分の作品は本当に面白いのか?
・自分の中で、勝手に理想へ持ち上げていないか?
・隅から隅まで見渡して、不十分な所はないか?

それらを強く疑って、自作を読み直してみてください。
たぶん致命的なミスの五つや六つはすぐ見つかると思います。

以下、評価シートで得た情報を、どうやって活かすかになります。


ここから先は

4,170字 / 2画像

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?